2020年2月24日月曜日

実話:兵隊さんに愛されたヒョウのハチ


実話だから写真もあって辛さが増す。
読む前から号泣ものだとわかっていた。

これから動物園でヒョウを観ても悲しくなる。

とは言え、日本が引き起こした戦争にはまるで無反省で、残念ながらかなりネトウヨ色強いのが見て取れる。
「ハチのまめちしき」八紘一宇欄も見るに堪えない。
でも前半は成岡さんという元日本兵の回想で自慢話の色が濃い。中国現地の農民たちに対する上から目線が強くてちょっと拒否反応が出てきている。時代柄しかたないのかもしれないけど。動物には優しくても人には差別意識消し去れないものなのか。
悪気はないけど日本軍が中国の現地農民を”助けてあげてる”という態度が前面に出ていてなんというか片腹痛い感じ。反省皆無かよ。

ヒョウのハチの生態はその場にいて描写したよう臨場感があり、別れる時、毒殺する時の描写はやはり号泣もの。
最後の最後で「戦争は誰よりも反対」「あのいまわしい戦場へ、我が子、我が同胞を送ってはならない」とあるが、全体として戦争に反対するような記述は前面に出てこない。(もちろんそれは自明なこととしているからなのかもしれないが。)

2020年2月4日火曜日

ブロツキーの詩の絵本『ちいさなタグボートのバラード』


亡命詩人、そしてノーベル文学賞受賞者のヨシフ・ブロツキーの詩に国際アンデルセン賞受賞者のイーゴリ・オレイニコフの繊細で美しい絵で故国に届けられたのは嬉しいこと。そして日本語訳されて日本でこの絵本を手に取れることも。美しいけれど切ないお話。

去年の10月6日国際子ども図書館にて、講演会「現代ロシアの芸術と絵本―国際アンデルセン賞作家イーゴリ・オレイニコフ氏を迎えて」でオレイニコフさんの他の絵本も拝見したけれど、どれも日本語で紹介して欲しいものだった。