2016年12月18日日曜日

興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地

新しく知ったこと
・シベリア移民には陸路の他に、オデッサ→スエズ→極東の海洋ルートがあった。(281ページ)
シベリアにウクライナ系が多い理由の一つではあると思う。
・ゴスプランにはゼムストヴォの統計官がシフト。(324ページ)
地方の司祭層から統計局や歴史家になる例が多かった。(227ページ)
ということは、ゴスプランで計画経済作っていたのは元々は司祭とか地方の読み書きできた広義のインテリだったのか。

2016年12月9日金曜日

サッカー少年

ノルウェー南部で15歳の少年が同じサッカークラブの14歳のソマリア系少年と保育士を刺殺。
その後容疑者の少年は現在精神病院に入院。
ノルウェー民主党(反移民・反EU・反イスラム・親イスラエルの右翼政党、国政選挙での得票率は0.1%程度で国会に議席はない)の50代の男性党員がフェイスブックに「殺害されたソマリア系の少年は未来のテロリストだから仕方ない」と書き込み、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の疑い(刑法185条(憎悪扇動を禁じる)違反)で警察が捜査を開始。
同じサッカークラブの少年同士の事件ということだが、動機は不明。
詳しい事情はわからず、宗教的背景があるのかどうかは不明。
容疑者少年は熱心なキリスト教徒の家庭に育ったようだが。
ヘイトクライム容疑の党員の名前は現時点で公表されていない。

Politiker mistenkt for hatkriminalitet

認知症になっても許さないナチ残党

佳作だと思うのに、空いていたのが残念。

ナチス残党を追跡するのは認知症老人。
エゴヤンは流石に虐殺逃れた父祖持つだけに苦い後味残す傑作作ったわ。
アメリカもカナダも、ドイツ系といったらこんなにネオナチか?(ネオじゃないか)っていうのはあったけど。
(いくらなんでもドイツ系に失礼なんじゃないかという気が。)
実際のナチ残党よりももっと若い世代のネオナチがこんなにも?!という警鐘を鳴らす映画でもあるのかも。

ラスト5分の衝撃!というが、多少ネタバレ気味に言うと、配役観て、あ、この人ナチでしょとか思ったし、4人のうちやっぱり最後でしょ&それなら二人目も怪しいもんだぜ!となるのだが…。

ナチス追跡についての映画はそれこそ枚挙に暇がなく、古くは「マイ・ファーザー」、最近でも「顔のないヒトラーたち」(アウシュヴィッツって何それ?だった敗戦直後のドイツ司法界の話)や「コロニア」←南米独裁政権がナチ残党と癒着していた絡みのスリリングな脱出劇とかありますが、これは追及するのが介護施設に入っているおじいちゃんで、移動するのも自分で運転できないからバスとかタクシーとかで人の手を借りざるをえない。
そんなので復讐が果たせるのかはらはらさせられるが…
車の運転は無理な耄碌した老人でも銃は買えてしまうアメリカ社会はやっぱり怖い。その反面、困った様子をしていると周囲の人がすぐ「お手伝いしましょう」と手を差し伸べてくれもする。
こんなところは「アメリカ死ね!」じゃないわけだ。

しかしねえ。
わたしゃ許さないよ、認知症になっても!の凄まじい執念の映画だった。


2016年12月4日日曜日

オデッサ・コスモス: 若きグルジアの日々

オデッサ・コスモス: 若きグルジアの日々: 12/17(土)~岩波ホールで公開される、グルジア人監督オタール・イオセリアーニのフランス映画「皆さま、ごきげんよう」"Зимняя песня"公開記念に、アテネ・フランセ文化センターで貴重な旧作の上映があります。 オタール・イオセリアーニ監督特集 1...

ポーランド映画今年の大作

昨日はポーランド映画祭で「ルージャ/薔薇」を観た。
今年のポーランド映画祭、ワイダ以外の、現代のポーランド映画は不可ならず程度の作品が続いていたが「ルージャ」でようやく大当たり。
ヒロインのルージャは「イーダ」で伯母さん”赤いヴァンダ”演じたアガタ・クレシャ。

大戦の前中後を通じて、少数民族マズールィに対するポーランド人の仕打ちがなかなかに性悪。
ナチス・ドイツにやられた、ソ連・ロシアに酷い目に遭わされたと、被害者意識の強いかの人々も”普通に”酷いことをしてきた。
映画中のソ連軍兵士(”ロシア人”と言われているが、明らかにアジア系という人も配されている)は、あっけらかんと強者の弾圧実行をしているのに対し、地元のポーランドの人達はこすからく陰湿で性悪な印象。

かつてワイダも「サムソン」でポーランド人のユダヤ人差別を作品化したし、ドイツ系人々の戦後追放については「沈黙の声」でも取り上げられてきた。
そうではあるが、”愛国心が強い”と自負する一般のポーランド人は、意識すらしていないんじゃないかと思える。