2022年7月23日土曜日

シリアにて、石で語る 『石たちの声がきこえる』

 

シリアに住むアーティスト、ニザール・アリー・バドルさんが海岸で拾い集めた石を組み合わせて表現された「絵」で故郷を戦争で壊され必死で逃れ海を渡り難民となって異郷に辿り着いて自由を得る様子を描く。陸地に着いたときに辿り着けなかった人たちを記憶するために花の種を植える。

この前読み終えた愛しいラフィク・シャミの『ぼくはただ、物語を書きたかったのだ』に溢れる故郷シリアの喪失が、美しい石のアートで目の前に現れる。

日本語訳の下にあるのはアラビア語かと思われるが、訳者の前田君江さんはペルシャ語翻訳者とのことだ。

2022年7月20日水曜日

沖縄戦の絵本 なきむしせいとく

 田島征彦さんはこの本だけではなく、『てっぽうをもったキジムナー』『やんばるの少年』など沖縄・戦争の本を書かれてきていたのですね。


たじまゆきひこ(田島征彦)さんの絵は恐ろしくも美しく、「悲惨な戦争を子どもたちに見せて怖がらせる絵本を創るのではない。平和の大切さを願う心を伝えるために、沖縄戦を絵本にする取り組みを続けているのだ。」との意図は果たされていると思う。

沖縄戦で家族を亡くし体を傷つけられ、物語の終わりでは戦争が終わって10年経ち、1955年。畑をつくってやっと収穫できるようになったところでiアメリカー(アメリカ人)に土地をとりあげられ、軍事基地をつくられてしまう。

「いまはアメリカーに占領されています。/でも、沖縄が日本にもどったら、こんなものは、/すぐになくしてしまうさぁ。」

この一文が何とも悲しく、本土の人間として限りなく申し訳ないと感じる。

録画メモ MINAMATA

MINAMATA

 ジョニー・デップ、「アリゾナ・ドリーム」の頃は可愛かったのよ~と言いながら家族と観る。

正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮

ねこのめ美じゅつかん

2022年7月17日日曜日

現代ロシアの絵本2冊


雲が好きな男の子はやっぱり雲に優しかった。
ふわっと優しい気持ちになる絵本。

大好きな、大好きな、ラフィク・シャミの

 ラフィク・シャミ、お母さんがアラム語話者だと自伝的短編に出てきて、彼自身はある友人との交流を通して学び始めることになっていたけど、実際にはアラム語が母語だったのか。

『ぼくはただ、物語を書きたかった』

モスクワで演劇学を学ぶ夢を持ちロシア語も学んでいたとは知らなかった。これは今まであまり作品に反映していないのでは?


補記:シリアに住むアーティスト、ニザール・アリー・バドルさんの絵本『石たちの声がきこえる』

わが青春のラフィク・シャミ、大好きなシャミ。

刊行されたらすぐに読むつもりだったのに、なかなか読み始められなかったが、やはりもっと早く読むべきだった。

今までシャミの語り口を楽しんできたけれど、そして近年のシリア情勢にシャミの心情は如何にと心痛めていた(つもりだった)が、想像以上に亡命の辛苦が吐露されていて、読み進めるのがとても辛くはあったが、どんどん読み進んだ。

故郷ダマスカスからも、親やきょうだいからも、ずっと引き離されて、帰れない。今更ながらその苦しみを思う。

ドイツにおける、アラブ中東の人々・文化への差別的眼差しを指摘する文章も鋭いながらもユーモアたっぷり。ではあるがそれだけに哀切極まりない。

録画メモ:明日に向かって笑え!

 愛と精霊の家

明日に向かって笑え!

録画メモ 太陽のもとで~真実の北朝鮮

太陽のもとで~真実の北朝鮮

このあと、MINAMATAを同じディスクにダビングしようとしたら、「ストリーム異常」というメッセージが出て録れなかった。

チェルノブイリ 衝撃の真実

夢見た国で~技能十種性が見たニッポン

揺れ衣~闘い続ける余命一年



2022年7月2日土曜日

録画メモ 海辺の彼女たち

 「サンマデモクラシー」

「ちむりぐさ 菜の花の沖縄日記」

この二つは録画しただけで未見。

「海辺の彼女たち」

https://twitter.com/KocmocKocma/status/1388561215325016066

チケットとるの大変だったな。

録画メモ 悪は存在せず/白い牛のバラッド

「悪は存在せず」

傑作。

タイトルどおり悪は存在せず(悪人は登場せず)可愛い猫、犬、狐は登場する。

ユーロスペースでイスラーム映画祭2021→そしてキアロスタミはつづく→フィンランド映画祭、ときてユーロライブでのドイツ映画祭。

https://kirakocma.blogspot.com/2021/11/blog-post_21.html?spref=tw


昨年のドイツ映画祭でやっと観られたのだけれど、予想に違わず全身震撼とさせる力作。そりゃあイラン国内では上映禁止になるだろうなとは思うがそれでも作った野心作だから必見。以前イランの政治囚を担当していたので終始心をずきずきさせながら観た

https://www.wowow.co.jp/detail/175994/-/01



自分のブログで「悪は存在せず」を検索していたら、昔映画祭で観たイラン映画についての記事を改めて読むことになってしみじみしている。平和のための戦争について描いた作品の数々。

オデッサ海岸通り: 川の向こう、隣の人たち

https://kirakocma.blogspot.com/2014/08/blog-post_57.html?spref=tw


白い牛のバラッド、いい映画だと思ったけど、これはもうイランでは上映されないでしょってあからさまで、国内で見せる気最初からなかったのでは?イランじゃなくても成り立つ話だった。

https://twitter.com/KocmocKocma/status/1507954344645128196