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2025年11月30日日曜日

読書メモ:ジートコヴァーの最後の女神たち

なんという読後感!最初から最後まで「女神」への現世の仕打ちが恐ろしい。(が、それ自体はまあありふれている。)
変節する体制順応者の姿(他責思考、被害者意識を拗ねらせる)に既視感。具体的に言うと、シェピチコの『処刑の丘』の裏切者だな。
しかし、一番興味深かったのはチェコはモラヴィア、そしてスロヴァキアの人名愛称(それも苗字の)。村人同士はギヴンネームではなく苗字で呼ぶのか。

2025年11月16日日曜日

あの絵にあの曲『名曲が語る名画』

 

名曲に結び付いた絵でまず想起するのは「展覧会の絵」でムソルグスキーに追悼されたヴィクトル・ハルトマンの絵画で、この本にも勿論掲載されている。絵を知っていて曲を知らないものもあれば逆もある。意外性のある組み合わせだったのが「禿山の一夜」に項で紹介されたのが洗礼者ヨハネを描く、ロシアとは全く別世界の西洋絵画的なボッティチェリらの作品。まあ、しかしこういう企画だと、聞きながら読めるような(自分でいちいち検索するのではなくて)附属の音源が欲しくなる。無精なので。それと、「画家マティス」はあの人だと思っていた。

※ヴィクトル・ハルトマン→ヴィクトル・ガルトマン に訂正しておく。


7 モーツァルト:オペラ『魔笛』&マルク・シャガール『魔笛』
13 ショパン『革命のエチュード』&マルチン・ザレスキ『ワルシャワ武器庫の略奪』、ユリウシュ・コサック『オストロウェンカの戦い』、オラーヌ・ヴェルネ『ポーランドのプロメテウス』
27 スメタナ『我が祖国』&ムハ『故郷のスラヴ人~トゥラン人の鞭とゴート族の剣の間で』『グリュンワルトの戦闘の後~北スラヴ人の団結』
39 シェーンベルク『3つのピアノ小品』&ワシリー・カンディンスキー『印象Ⅲ(コンサート)』
40 ラフマニノフ『死の島』&アルノルト・ベックリン『死の島Ⅰ』『死の島Ⅱ』
41 スクリャービン『プロメテー火の詩』&ルーベンス『縛られたプロメテウス』、ジョルダーノ『縛られたプロメテウス』、フューガー『火を盗んだプロメテウス』、ブロッホ『ヘラクレスによって解放されるプロメテウス』
42 ストラヴィンスキー『火の鳥』&マルク・シャガール『火の鳥』舞台装置
48 プロコフィエフ『ロメオとジュリエット』&ブラウン『ロミオとジュリエット』、ライト『ロミオとジュリエット』、クリムト『ロミオとジュリエットの死』
49 マルク・シャガール『14の楽曲』&チャイコフスキー『白鳥の湖』、ストラヴィンスキー『火の鳥』

そういえば、「世界の美術館めぐり日本編」は東京の美術館ばかりだな。


2023年9月23日土曜日

EUフィルムデーズ2009

 観たのは

*アイルランド「ジョジーの修理工場」

小品ながら衝撃作だった・・・。

*イタリア「マイ・ブラザー」

イタリアの家族の歴史描く映画というと長時間でじっくりというのが多いがこれは100分だったか。割としんみりな作品だった。

*スウェーデン「クリスマス・オラトリオ」

初見は1990年代後半の北欧映画祭だったが、あの映画祭に通底した暗さが記憶に引っかかっていたところ、10数年ぶりに観る機会を得て、主演男優が来日して挨拶、その際実は彼はこの映画の後メンタル面で俳優業を休んでいたということを言っていて、映画の内容をなぞるような人生送っていたのかもしれない。その後回復しているんだろうか。

*イギリス「世にも憂鬱なハムレットたち」

劇中劇で、好みの映画。当時は意識しなかったが監督はケネス・ブラナーだったか。

*チェコ「カラマーゾフ兄弟」

これも劇中劇タイプの作品で、この年のEUフィルムデーズ中のベスト。一般公開して欲しかったな。

*デンマーク「ファイター」

当時のEUフィルムデーズには多かった移民二世とヨーロッパ側の受容のあり方を問うタイプの作品(今年のフィルムデーズのにもあったような)。でもこの頃はまだ前向きな未来志向な作品作りだったよなと回想してしまう。

*ポーランド「神さまの小さなお庭で」

警官主役のコメディーで面白くはあったが、英語字幕のみだったので、内容についていけないところが多々あって残念。

*ドイツ「耳のないウサギ」

サッカーシーンがあったと思う。

*ラトヴィア「バトル・オブ・リガ」

つまらなかったけど、ラストの俯瞰シーンは美しかった。

*リトアニア「永久機関」

内容覚えておらず、バルトの国々はまだおもしろい映画作れないでいるのかなと思ったのが記憶に残っている。

2023年7月26日水曜日

芸術新潮2003年

 特集

12月 ロシア・イコンへの旅


SPEAK LOW 
2月 アキ・カウリスマキのメランコリーがもたらす幸福

ART NEWS
8月 あっけなくも美しく燃え ロシア前衛陶芸の理想と現実

STARDUST
4月 草の根構成主義 「ロシア構成主義のグラフィックデザイン」展
6月 棺だってオシャレしたい ロマノフ王朝展
11月 ヤツェック・スロカの東欧ブギウギ/アナ・ゼマンコーヴァ 妖花しげれる

WORLD
7月 女帝エカテリーナの夢 甦った琥珀の間
9月 夢みる飛行男 パナマレンコを満喫する

連載
四方田犬彦「あの人のボナペティ」11月イザドラ・ダンカンのキャビア食べ放題

2022年2月7日月曜日

録画メモ:SNS 少女たちの10日間

「 SNS 少女たちの10日間」

チェコでやった実験ドキュメンタリー映画。”12歳”と偽って女優たちがSNS上で呼びかけると案の定男たちが騙されて群がって来て何をするのだろうか…というものなので、一回観るともう二度と観たくなくなるわけだが一応録画した。観ないかも。ろくなのが出てこない(当然)。

「燃ゆる女の肖像」

「パピチャ 未来へのランウェイ」



2022年1月12日水曜日

岩波ホールの思い出

 岩波ホール閉館の知らせを受け、勿論とても残念なのだけど、最近の空席具合を見ると…、ミニシアターの中でも観客の年齢層は特別に高いから新型コロナ感染を恐れて常連さんたちが見に来るのを控えちゃったんだろうなあ、そして新しい観客層を開拓しようにも、今どき珍しい自由席制でオンラインチケットなしだし、何もかも老朽化しているから、何だか納得してしまっている。

最初に岩波ホールにやって来たのは1979年だったようだ。

「木靴の樹」

親友(というか、同性の友人でとても憧れていたので彼女と言ってもいいようなきがする)が、どうも私のことを”岩波ホール作品が好きそう”と思ったらしくて一緒に観に行こうと誘ってくれた。デートよろしく二人で観に行った。眠ったりはしなかったが、堪能するには二人共幼過ぎたと思う。結末が理不尽でやるせなくて二人で呆然とした…。

次に訪れたのが1989年の「三人姉妹」で10年も空白期間が生じている。この時以降ほぼ一人で観に行っているが、この作品もええ~!チェーホフがなぜこうなる???だった。

以下、私が岩波で観た作品(初上映岩波だが別の場所で観た作品、一般公開の場が岩波だがそれ以前に映画祭等で観て岩波では観なかった作品は含まない。)

1979

木靴の樹


1989

三人姉妹


1990

サラーム・ボンベイ ! 


1991

コルチャック先生


1994

苺とチョコレート


1995

ムアンとリット

青空がぼくの家

私は20歳

田園詩

青い山

若き作曲家の旅


1997

ヴィルコの娘たち


2000

パン・タデウシュ物語


2001

今日から始まる 


2002

この素晴らしき世界 

落穂拾い


2004

わが故郷の歌 


2005

亀も空を飛ぶ 

ベアテの贈りもの


2006

家の鍵 

死者の書


2007

サラエボの花 


2008

懺悔 

 待ちに待って四半世紀。遂に観られた!そしたらメラブ・ニニーゼのデビュー作だったのね。初々しいメラブ。

シロタ家の20世紀


2009

カティンの森 

ポー川のひかり

嗚呼 満蒙開拓団

シリアの花嫁 


2010 ほんの数年前観たような気がするが…

セラフィーヌの庭 

パリ20区,僕たちのクラス 

コロンブス 永遠の海

ノン、あるいは支配の空しい栄光

抵抗 死刑囚の手記より

海の沈黙 デジタルリマスター版


2011

やがて来たる者へ

遙かなるふるさと 旅順・大連

木洩れ日の家で 

サラエボ,希望の街角


2012

最初の人間

菖蒲

イラン式料理本

ジョルダーニ家の人々  

キリマンジャロの雪 

オレンジと太陽

世界の夜明けから夕暮れまで[全5篇]

汽車はふたたび故郷へ 

 このあたりももう10年経つとは。


2013

少女は自転車にのって

ハンナ・アーレント


2014

幸せのありか

ローマの教室で〜我らの佳き日々〜

大いなる沈黙へ—グランド・シャルトルーズ修道院

他人の手紙

ワレサ 連帯の男

家族の灯り


2015

放浪の画家ピロスマニ

光のノスタルジア

真珠のボタン 

パプーシャの黒い瞳 


2016

皆さま、ごきげんよう

みかんの丘

とうもろこしの島

緑はよみがえる


2017

女の一生

残像

娘よ






2018

葡萄畑に帰ろう

少年スサ

ダンサー

微笑んで

他人の家

デデの愛

私のお祖母さん

スヴァネティの塩

ケトとコテ

大いなる緑の谷

少女デドゥナ

メイダン 世界のへそ

ヒブラ村

告白

陽の当たる町

ブラインド・デート

あぶない母さん

放浪の画家 ピロスマニ

映像

西暦2015年

モアナ 南海の歓喜

懺悔

希望の樹

祈り

ゲッベルスと私

マルクス・エンゲルス




馬を放つ

花咲くころ




2019

リンドグレーン

田園の守り人たち

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

12か月の未来図

こどもしょくどう

ナポリの隣人

エセルとアーネスト-ふたりの物語

少女は夜明けに夢をみる




2020

シリアにて




2021

ブータン 山の教室

ペトルーニャに祝福を

大地と白い雲

 


夢のアンデス


2022

ユダヤ人の私

 最近行った(今年の映画初め)


これからグルジア映画特集!
フリーパス購入済み


リニューアルオープン、無理なんだろうか?
再上映して欲しい作品が山盛りなのだが。

2021年6月8日火曜日

映像化が楽しみ:アンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』

 

自分の日本近代文学の知識の蓄積の無さをこれほど情けなく思ったことはないが、それでも楽しく読めた。
ヤナを巡る人々がそれぞれ一癖も二癖もあっておもしろいのと、川下なる作家の大正昭和期の私小説の部分も含め、訳出の苦労がしのばれる。
渋谷は主に映画を観に行く街で、ユーロスペース近くのホテル街は足早に通り過ぎるが、そこに「思い」が漂流しているものなのか?
川越は仕事で法務局や役所に行ったことがあるだけだから、訪ねてみたくなった。

早くも舞台化・映画化を夢見る。チェコにはこういうのが得意な異能の映像作家がいると信じる。

2020年11月26日木曜日

録画メモ:暁の七人

 1.暁の七人(1975年)

「死刑執行人もまた死す」「ハインリヒを撃て」と同様エンスラポイド作戦の映画の一つ。

2.世界遺産 時代の記憶 プラハ

3.世界遺産 時代の記憶 チェスキー・クルムロフ

2020年11月21日土曜日

異端の鳥>現に存在する(今そこにある)差別と暴力に

 ※原作の『ペインテッド・バード』は未読。

「異端の鳥」場所は特定しないようにってことだけどドイツ軍ソ連軍(赤軍?)コサック入り乱れて民衆がそれにまして自主的に残酷で、ポーランド映画祭で観た「ルージャ」や「ヴォウィン」みたいでウクライナ~ポーランドをイメージしてしまった。

ああいう異質分子排除はヴォルィニに限らないのだろうが。軍やコサックみたいな武装した人が暴力的なのは当然だとして(それも十分恐ろしいしコサックの残忍ぶりは意味不明だったが)普通の村人が何かの拍子で手が付けられない暴虐を露わにするのが怖いことで全く他人事じゃない。遠くスラヴの地のこと大戦中のことでは終わらない。



人工言語スラヴィック・エスペラント(沼野充義先生が書かれた解説ではインタースラヴィク)使用というのでどんな感じかと聞き耳たてていたがたぶんエスペラント語とは違う、スラヴ系の共通語らしく作られたというので教会スラヴ語みたいなのかと想像したり。スラヴ系でない俳優の台詞がぎこちなかったのはいたしかたあるまい。

ドイツ軍はドイツ語、赤軍の人はロシア語しゃべっていた。つまりロシア~ソ連はドイツと共にスラヴィック・エスペラントが話されるこの地域の向こう側、外の世界という明確な視点が示されていた。スラヴィック・エスペラントは字幕見ながら聴いてところどころ聴き取れる程度。

あと「炎628」のフリョーラくん=アレクセイ・クラフチェンコが出ているね。「異端の鳥」で主人公演じた少年にトラウマにならないようなケアはあったと思うけど、クリモフ監督も彼に気を配ったらしく、その甲斐あってか全然トラウマになっていないみたいだな、クラフチェンコは。戦闘映画大好き俳優になっちゃったものね。「炎628」のようなファシズム告発ものではなくて、”愛国”的で好戦的で民族差別的にもなりかねないような作品にも厭うことなく(たぶん)出演しているんだから。

あんまりこれまで観たあれこれの映画に似ている似ていないと論じるのもなんだが、暴力的ではあっても映像はむしろ美しくグロいのは限定的なのでアレクセイ・ゲルマンやバラバノフじゃないからそれほど拒否感はなかった。動物虐殺場面はきつかったが。

ソ連映画で言えばエレム・クリモフの「炎628」が連想されるだろうけど(フリョーラ少年演じたクラフチェンコを冷静なソ連軍人役に起用しているのは監督が狙ったとしか思えないあざとさを感じる)映像の美学に関してはむしろクリモフの伴侶だったラリーサ・シェピチコ「処刑の丘」か。

民衆の暴力、民族浄化に至る累々とした虐殺はウクライナの歴史映画大作「ヴォウィン」が思い出される。

ハンガリーの子ども虐待扱った「誰のものでもないチェレ」や、ロシアのカネフスキー「動くな、死ね、甦れ」も連想された。





2019年2月13日水曜日

カレル・ヤロミール・エルバンの世界 命の水~チェコの民話集


著者 :
西村書店
発売日 : 2017-10-10
サブタイトルが「チェコの民話集」だが、チェコだけでなく、ブルガリアやロシアの話もあり、民話だけでなく叙事詩や諺・なぞなぞも収録されたカレル・ヤロミール・エルベンの仕事集。
注は簡単だがなかなか助かる。
キリスト教とそれ以前の異教の文化が交錯する世界だ。

民話はお馴染みのストーリーが多い。

2018年8月18日土曜日

録画メモ ハイドリヒを撃て

ハイドリヒを撃て~「ナチの野獣」暗殺作戦

古くは「死刑執行人もまた死す」「暁の七人」などで知られる”エンスラポイド作戦”(及びその報復で起こされたリディツェ村虐殺)。
それを描いたイギリス映画。
最近では『HHhH (プラハ、1942年)』
再読したくなる。
 

2017年5月13日土曜日

可愛いチェコが好きな私が好きな本

スロヴァキア在住する日本人親子によるチェコとスロヴァキアのグラフィックデザインについて、丁寧に取材・関係者へのインタビューをし、飾らない平明な言葉で(あまり文学的に凝っていないのが読みやすくて良い)紹介してくださっている貴重な本。切手や映画ポスター以外は無名性(アノニム)が殆どだった分野で、人脈を生かして多くのアーティストたちにコンタクトしていて感激する。
体制が変わって、ビアホールもプラハの街並みも当地の「応用美術」の世界も激変、閉鎖や解体の憂き目も綴られながら、若い世代の逞しい志向も示される。
それにしても、第二次大戦中のこの国の画家たちの運命はソ連以上に苛烈であったかもしれないと、認識を新たにする。

これ、ミュシャ展のお供にもいいと思うよ。

2017年4月24日月曜日

ラビリンスで思い出す

AXNミステリーでチェコとスロヴァキアのミステリー「ラビリンス」が7回の連続で放映していて、ポーランドのミステリーの方も観ていたけれど、こっちの方がいい感じに思えた。

といっても、うわあ、残酷、もうやめて~というドラマなんだな。
ほぼ最初の方から、以前読んだ『プラハの深い夜』を想起させるストーリーだったが、最後までやはりそうだった。
(「ラビリンス」は現代のブルノが舞台で、『プラハの~』は第二次大戦中ドイツ占領下~解放にある一種の歴史性・政治性はない。ただ、スロヴァキアとの関係性については微妙かも。吹替えではなく、原語+字幕でも、タマラの話す言葉が周囲にはすぐスロヴァキア訛りとわかるらしい、それが聞き分けられる人は殆どいないんだろうけど、聴いてみたい気はする。)

あの暗澹たる後味の悪さ、アレクサンドラ・マリーニナのアナスタシアシリーズにも通じるけれど、コホウト作品(まあ、一つしか読んでいないけど)の気持ち悪さは、この時代の東ヨーロッパの混乱の世相も反映しているのかもしれないと思っていた。
一方で、シュヴァンクマイエルやイジー・バルタに通じる、”センスあるけど悪趣味!”なあの感覚がチェコ独特である気もする。

「ラビリンス」には、それが色濃くあった。

連続ドラマ「ラビリンス」を観ていると、昔読んだこの小説を思い出さずにはいられなかった。猟奇的で、気色悪く、かなり無駄に関係者が命を落とし、後味が悪い。
この作品の場合、それに加えて、最後の一行が最高にぞっとさせる。

2017年3月21日火曜日

ごろごろ怠けた時間

名言は 「儲けたお金は墓まで持っていけないけど、ごろごろ怠けた時間は持っていけると、僕は信じているんだ」

『となりのカフカ』に次ぐおもしろさ。よりカフカが身近に思える。というかほんとにしょうがない奴!でも周囲の人には結構恵まれていた。彼女は立派。この本の中心人物のフェリーツェもそうだが、チェコ人ミレナも立派。そんな”よくできた女性”には結構もてる究極の優柔不断男カフカ。

2016年5月6日金曜日

こどもの日映画まとめ

ツイッターでハッシュタグがあって、思いつくものを挙げていったが、まだまだ漏れがあったので、メモしておこう。

※ツイッターで、自分では思いつかず、リツイートしたもの。
※※この場での補充

まずは「それでも生きる子供たちへ」
クストリッツァだけまるでテンションが違う気もするが。

こどもの日映画 と言えばイラン。
「友だちのうちはどこ?」
「そして人生はつづく」
「トラベラー」
「ホームワーク」
「白い風船」
「運動靴と赤い金魚」
「子供の情景」
「駆ける少年」
「トゥルー・ストーリー」
「太陽は、ぼくの瞳」
「ぼくは歩いてゆく」
「少年と砂漠のカフェ」
「バダック 砂漠の少年」
「ボーダレス ぼくの船の国境線」
「かさぶた」※
「7本のキャンドル」※

トルコ
「蜂蜜」※
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」(フランス制作だけど)※※

パレスティナ/イスラエル
「プロミス」※
あの子たちはどうしているのか?
それを思うと苦しい。
あの後双子たちとファラジは何回か会ったけど情勢が厳しくなって行き来できなくなってしまったという辺りまでは聞くが、徴兵相当年齢なってきたら、ああ…。
移住しているかもしれないけど、とにかく生きていてほしい。
「セイント・クララ」※※

イランに対抗するのは、ソビエト映画は児童映画専門撮影所があった(とツイッターで教えていただいた)ソ連であるようだ。
とにかく私は、ソビエト児童文化に染まった環境(絵本・演劇・人形劇・アニメーション)で育ったので、親近感がある。
(ここでは敢えて実写映画のみに絞り、アニメーション作品は取り上げない。)
ではいってみよう。
「海に出た夏の旅」
 ↑
川崎市市民ミュージアムで上映あるので、是非是非観に行こう!
レンフィルムのこどもの日映画にはアサーノワ(民族的にはキルギスだがレンフィルムとしてここで扱う)の「きつつきの頭は痛まない」「パッツァーニ」、ロプシャンスキー「死者からの手紙」などなどまだまだ観たいのが沢山ある!
川崎市市民ミュージアムの方、どうか上映お願い!
「僕の村は戦場だった」
「ローラーとバイオリン」
「少年たち カラマーゾフの兄弟より」(ドストエフスキーの子孫がコーリャ・クラソートキン演じているあれ。)
「がんばれ かめさん」
名優ロラン・ブィコフ監督作品「がんばれ かめさん」も思い出した。題名からは想像できなかったエグさが忘れ難い。
「曠野(ステップ)」※
「転校生レナ」(「かかし」)※
カネフスキー「動くな、死ね、甦れ!」、これも川崎市市民ミュージアムで上映予定があるそうだが、この路線だとボドロフ「自由はパラダイス」に1票。
未見だけど。原作本の『大好きなパパ』(ヴェーラ・パノーワ)大好きなので、観たくて観たくて仕方ない。ゲオルギー・ダネリヤの「セリョージャ」

中央アジア
「少年、機関車に乗る」
マイ・ベスト5の1本なのに昨日中に挙げなかったのは痛恨の極み。
弟くんが愛くるしい。なぜか土食。
「UFO少年アブドラジャン」「タシケントはパンの町」「最後の冬の日々」「白い鳩」「ラスト・ホリデイ」「3人兄弟」 
「あの娘と自転車に乗って」
「少女は自転車に乗って」(サウジアラビア)よりは「あの娘と自転車に乗って」(キルギス)だな。

ウクライナ・ベラルーシ
「炎628」※
「灰色の石の中で」

カフカース
「金色の雲は宿った」
「ルカじいさんと苗木」
「アンドリエーシ」
「独裁者と小さな孫」(マフマルバフはイラン人だが孫役の子はグルジア人だからここにカウント)

ポーランド
これ忘れちゃいけなかったね。ワイダ「コルチャック先生」
美少年ヴォイチェフ・クラタくんは現在どんなおじさんに?
「僕がいない場所」※※
「明日の空の向こうに」※※
ドロタ・ケンジェルザヴスカの子どもものは秀逸…この人子ども撮るののプロ、と思っていたのに「木洩れ日の家で」(ドストエフスキー少年最高)ではおばあちゃん撮っても天才だった。
短編「グーチャ」※※も忘れ難い。

チェコ(チェコスロヴァキア含む)
「コーリャ 愛のプラハ」
「クーキー」※※
「盗まれた飛行船」※
好き好き大好き!カレル・ゼマン。タイム・スリップしているのに妙に落ち着き払ってノートに記録しなきゃとか言っている「前世紀探検」も好き。

ハンガリー
「悪童日記」※
原作が衝撃的に素晴らしいだけに映画は残念な点がいくつか。おばあちゃんが避難民を助けるシーンはあって欲しかった。
「だれのものでもないチェレ」※
自殺と言えばハンガリーだった時代の映画だからね。

ギリシャ
「霧の中の風景」※

スペイン
「蝶の舌」※

ドイツ
「橋」※※
「名もなきアフリカの地で」

フランス・ベルギー
「少年と自転車」
「息子のまなざし」
「ある子供」
「マルセルの夏」「マルセルのお城」「さよなら子供たち」「サンドイッチの年」「トト・ザ・ヒーロー」「イゴールの約束」
「赤ちゃんに乾杯!」
「MONDO」※

北欧
「ペレ」
「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」
「バード・ストリート」(公開時タイトルは「マイ・リトル・ガーデン」)

イギリス
「SWEET SIXTEEN」※※
「ケス」※※
「太陽の帝国」
「戦場の小さな天使たち 」

南アジア
「サラーム・ボンベイ!」※

ラテンアメリカ
「100人の子供たちが列車を待っている」
「今夜、列車は走る」
「ナイト・オブ・ペンシルズ」
「セントラル・ステーション」
「ラテンアメリカ 光と影の詩」
「イノセント・ボイス 12歳の戦場」

重要!
私がこれまでに最も泣いちゃった映画だ。「金色の雲は宿った」「灰色の石の中で」←この二本立てを今は亡きバウスシアターで観て号泣。
要するに子どもが死んじゃうのは涙涙なのだ。

(まだ補充する)

2016年3月13日日曜日

ショアとソビブル

 
アンスティチュ・フランセに「ショア」観に来た。
窓から見える梅の花、いいね。


「サウルの息子」観たらやはりこれを観ない訳には。
まず、昨日の夜、「ソビブル、1943年10月14日午後4時」を観て、今日は「ショア」第1部から第4部まで連続、そして完走。

そして『メダリオン』も読み直す。ごく早い時期に世に出たホロコーストを「記憶する」文学だ。被害者加害者、そして傍らにいた人。

実のところ、前の晩よせばいいのにクルィリヤ=ソヴェートフ対クバンの試合を夜更かしして観てしまった(しかも下位にあっさり負けるクルィリヤにがっくりきた)ので、途中集中力欠いてうとうとという場面もあり、インタビューに答えているのが「誰?}と置いてけぼりになることも何度かあった。
いけない、一度ざっと観るだけではわかったとはとてもいえない。
一部はヘウムノ絶滅収容所の生き残り二人をはじめとするユダヤ人生存者たち、ユダヤ人移送の列車の副運転手だった人や近所の村人などのポーランド人らの証言が中心。
最初にヘウムノ生き残りのシモンさんの歌声が披露される。
第2部では、収容所を30数年ぶりに再訪したシモンさんを、彼を覚えているポーランド人の村人が教会の前で囲み、特に女性たちは結構かしましくお喋りをするが、シモンさんが微笑を浮かべながらほぼ沈黙を守っているのが印象的だった(この長時間の映画の中で一番心に残ったシーンだ)。
やがて、「ソビブル~」でも語られたユダヤ人らの抵抗(武装蜂起計画)に話が及び、また隠し撮りではあるが収容所で働いていたドイツ人たちの証言もある。ユダヤ人の「最終解決」の段取りを何とも事務的に、冷静に語る人たちであることよ。(インタビューしているラングマン監督も人道的な態度で責めるようなアプローチはしていないし、「そんな酷いことしてないからね!」と反撃・反論ということはあんまりない。

亡命ポーランド政府要人のヤン・カルスキがユダヤ人指導者たちから助けを求められたことを語る場面は、観ていていろいろ複雑な思いが交差した。
まず、ユダヤ人が「収容所の様子が外に知られていないからいけないのだ、何とかして知らせなければ」と思うのは確かにそうなんだろうけど、そこからユダヤ人は特別、この事態は特別といった論理になってしまうのが、彼らが当時の社会状況を全て見通せているわけでもないのに、狭量にすぎないかと、素直に納得できないところだった。
まして、アジアの西で彼ら現在何をしているのか?ととても悲しくなる。

それと、ユダヤ人問題の「最終解決」に関しては、収容所においての看守役(「ソビブル~」での証言によれば実際彼らが攻撃した相手も)、移送の際の監視役など、かなりの場面でドイツ人の手下になっていたのはウクライナ兵だったようで(「ショア」の後半でも、ウクライナ人やラトヴィア人への言及があったし、数年前に観たホランドの「ソハの地下水道」でもウクライナ人が抑圧の下っ端を担っていたのが思い出される)、できれば彼らウクライナ人の証言も聴きたかった。ナチス・ドイツの協力者としての立場を、どう説明するのだろう?自分たちも被害者だとか、協力せざるをえなかったとか。
(ポーランド人が同じ町に住んでいたユダヤ人たちが移送され、彼らが住んでいたところに現在自分たちが住まっているのを、監督に取材されて答えている場面は何か所か出てくる。)

2015年12月26日土曜日

不完全版今年見た映画ベスト11

1.ジャファル・パナヒの「タクシー」
2.「ヴァ・バンク」「約束の土地」ポーランド映画祭
3.ミハイル・カウフマン(ジガ・ヴェルトフ弟)「春」
4.「クーキー」
5.「ブラックシー」及び「チャイルド44」
6.クリス・マルケル「笑う猫事件」
7.「タンジェリン」エストニア+グルジア
8.「マックスへの手紙」
9.「パレードへようこそ(原題:PRIDE)」
10「サンドラの週末」
11「ジミー、野を駆ける伝説」
番外:《川崎市市民ミュージアム特集上映》『戦争の記録と映画戦争映画の視点』セミョーン・アラノヴィチ「海に出た夏の旅」「トルペド航空隊」
「放浪の画家ピロスマニ」
「ボーダレス ぼくの船の国境線」
「草原の実験」
「イマジン」

2015年9月6日日曜日

夏に観た映画(7~9月)

バフマン・ゴバディ「サイの季節」(再)シネマート新宿
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督「繭」「5月の雲」草月ホール
ミハイル・カウフマン(ジガ・ヴェルトフ弟)「春」
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督「雪の轍」新宿武蔵野館
クリス・マルケル「サン・ソレイユ」メゾンエルメス ル・ステュディオ
クリス・マルケル「ラ・ジュテ」「不思議なクミコ」「美しき五月」「A.K.ドキュメント黒澤明 ※蓮實重彦ナレーション版」「アンドレイ・アルセニエヴィッチの1日」「アレクサンドルの墓 最後のボルシェヴィキ」(再)「笑う猫事件」以上アテネ・フランセ
「チャイルド44」みゆき座
「それでも僕は帰る〜シリア 若者たちが求め続けたふるさと」アップリンクファクトリー
ロマン・ポランスキのプロデュース「ウィークエンド・チャンピオン~モンテカルロ1971」イメージフォーラム

1. 『大熊座号の乗客』Les Passagers de la Grande Ourse 
1943年/フランス/9分/カラー/35mm
監督:ポール・グリモー
2. 『大西洋横断』La Traversée de l’Atlantique à la rame
 1978年/フランス/21分/カラー/35mm
監督:ジャン=フランソワ・ラギオニ
3. 『渡り鳥の珍道中』La grande migration
 1995年/フランス/7分/カラー/35mm
監督:ユーリ・チェレンコフ
4. 『マダガスカル旅日記』Madagascar, carnet de voyage
 2010年/フランス/11分/カラー/35mm
監督:バスティアン・デュボア
5. 『トランス・ムンディア・エクスプレス』Trans Mundia Express 
2014年/フランス/8分/カラー/HD
監督:アンヌ=ソフィー・デルセリ
上記はメゾンエルメス ル・ステュディオ

「ブラック・シー」新宿武蔵野館
ロベール・ブレッソン「すり」「やさしい女」アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)
ヤン・スヴィエラーク「クーキー」新宿武蔵野館
「ふたつの名前を持つ少年」新宿武蔵野館
セミョーン・アラノヴィチ「海に出た夏の旅」(再)川崎市市民ミュージアム
セミョーン・アラノヴィチ「トルペド航空隊」(再)川崎市市民ミュージアム

例年よりやや少なめなのは、身内の入院や看病などで映画に行けない、行く気になれないときがあったから。
外れは少ない。