2021年4月28日水曜日

クジラの消えた日 再録

 身の回りの整理の一環で、カセットテープやMDをCDなどに録音し直すことにして、案の定結構大変なのだ。

友人が送ってくれた「キノ」の曲が入ったMDとか、ビートルズの曲をロシア語で歌っている(声は結構本家に似ている)「ナフシェグダ」というタイトルがついているカセットテープとか発掘してCDにしていたが、今日は昔NHK-FMで放映したFMシアターの現代ロシア文学シリーズで『クジラの消えた日』をやった。

ヒロインのナウは李麗仙さんだったんだな。


刊行当初読んで、海の生物たちと共に生きる少数民族の伝承叙事詩のようなストーリーが面白かったのだが、ドイツ語からの重訳で訳に関しては多少難があるとか後で知った。

2003年・2004年にNHK-FMシアターでラジオドラマとして放映された。
https://www.nhk.or.jp/audio/old/prog_fm_former2003.html

2021年4月18日日曜日

サイレント映画に輝きを ピアノdeシネマ「カメラを持った男」

 前々からジガ・ヴェルトフは苦手だと書いていたが、サイレントではなくて音が入ることでこんなに見え方が違うのか!と発見した、柳下美恵さんの「ピアノdeシネマ」アップリンク渋谷卒業の回、「カメラを持った男」

嫌いではないがサイレントだと(実は)寝ちゃうこともあった。初見の頃、え?これがドキュメンタリーですって?おかしいだろ!と思った(わからないなりに嫌いではなかった)し同じ頃ソクーロフのエレジーシリーズとか観てソ連のドキュメンタリーは私が思っていたような記録映像作品ではなく多分に主観的なものなのねと理解したものだった(このあたり、上映後の井上さんの解説がちょっと触れてくださった点である)

が、柳下さんのピアノで今までになく新鮮にわくわくして観た、聴いた。99分45秒のロングバージョン、どの場面もこんなに素敵だったのか?と発見ばかり。いや、これ、十分カウフマンの「春」のきらめきがこの作品にしてすでに芽生えていたのではないか。なぜそれが今まで私には見えていなかったんだろう?コマ撮り、モンタージュ、斜めの構図、俯瞰と仰望、いろいろ試し尽して愉しんで撮っている、革命後の若々しいソ連の町。モスクワ中心かと思っていたら、オデッサやヤルタの労働者クラブでの撮影もあったんだな。

上映後の井上徹さんの解説、時間が押していて残念だったが、井上さんの言わんとする、ドキュメンタリー、劇映画、再現ドラマ、そしてヴェルトフの獲得した映画眼という映画の真髄、柳下さんが触れたこの映画の物語性についても、感じるところはあり、わかったつもりにはなっている。記録映像=ドキュメンタリーではないのだ。編集で主観が入りまくるが、それでこそ映画作品なのだ。

柳下さん「カメラを持った男」、「これがロシアだ」というタイトルで紹介されていたが、「これが映画だ」とも言える。

これは至言であると思った。

ピアノ、とってもパワフルで、超絶技巧も!とにかく楽しかった。



2021年4月17日土曜日

指小形だったサフラジェット

 映画「サフラジェット」(邦題「未来を花束にして」)観るまで知らなかったサフラジェットという言葉だが、なかなかわかりやすく読みやすく頭に入りやすい絵本があった。

序文から驚きで、メアリー・ポピンズの働いていたバンクス家の奥さん、ウィニフレッド・バンクス夫人がサフラジェットなのだとか。

(映画「メリー・ポピンズ」の設定がそうなのか?本を読み直したいなと時々思うが手に取れないままになっている。)

サフラジェットはサフラジストの指小形。-etteは小さきもの、劣ったもの、女性的なものにつける接尾辞で、女性参政権を求める過激な運動を行う「女性政治社会連合」をばかにし嘲るために記者が呼んだのが始まりである由。その蔑称を女性たちが自称もして運動を続けていった。ブルーストッキングの女性たちとの嘲りを先取りして『青鞜』を創刊した日本の先達たちを思い起こすエピソードだ。

あの映画のエンドロールで女性参政権を得た順に各国のリストが流れるが、なぜか日本はこのリストになかった。だが、1945年12月17日、改正衆議院議員選挙法(50年に公職選挙法に統合)が公布され、20歳以上の男女に平等な選挙権が認められたことをもって日本は女性参政権を実現させている。

そしてこの本では、世界のサフラジストの一人として市川房枝が載っている。

最後のページに年表があって、1881年マン島(一部)、1893年ニュージーランドから2006年アラブ首長国連邦、2015年サウジアラビアまで。日本は1945年に挙がっている。この本では日本は忘れ去られていなかった。

1959年ブルネイ 但し1962年以降男女とも国民に選挙権は認められていない…

 1973年バーレーン 但し初めて選挙が行われたのは2002年

オーストラリアは世界で3番目の1902年に女性参政権を得ているのに、但しアボリジニには適用されず、アボリジニが選挙権を得たのが1962年

モルドバは1978年ってほんとか?1944年のソ連編入からそれまで何やってたんだ?

ポルトガル(1976年)やリヒテンシュタイン(1984年)はあのスイス(1971年)より遅い。

人物・詳しい歴史についてはこれからぼちぼち読む。