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2026年4月22日水曜日

操演の名人たち

 アニドウさんからご案内いただいた、4/25(土)19時開演の「川本喜八郎と操演の名人たち」

1999年9月三越劇場でのパペットショウと、川本先生と操演者、スタッフの皆さんのメイキングドキュメント「操演の名人たち」

2021年冬に、やはり杉並公会堂だったが、そこでの上映会では、船塚洋子さんがその場で操演もされたが、今回もそういうのありだろうか?

「操演の名人たち」では、父が舞台監督をする様子が観られるが、稽古のときを含めて仕事ぶりが観られて貴重であり、大変ありがたい。父の存命中は、こうした様子を目にすることはなかったし、父自身あんまりこの手の話をしなかった。私も注意深く聞かなかった。(NHKの仕事が減って大変だというような話ばかりしていたように思う。)

川本喜八郎人形ギャラリーでの企画で、当時の関係者の方々とお会いすると、もうああいう人形劇はできないだろうというのだが、これだけの文化が継承されないというのは残念で仕方ない。(私自身が父の跡を継ごうとはしなかったのだから、言う資格はないのだけれど。)

三国志のメカ馬

パペットショウの人形2体

うちにあったVHS




2026年1月26日月曜日

不明の人形劇写真(猿・赤鬼青鬼)

 これがわからない!





表紙に書いてあるのでいくと「三枚のお札」だが、赤鬼青鬼や猿が出てきたっけ?山姥と小僧じゃなかった?



猿が出てくる人形劇番組だと「さるじぞう」?

人形劇「白鯨」

 これ(父のアトリエで見つけた写真)はNHKで放映されたものなのかな?(1989年頃)

『白鯨』ってメルヴィルの長編小説だよね。何分の番組になったのだろう?

なお、鯨のパペットの写真はない。







パオパオチャンネル??

 昔(1989年頃)の10チャンネル(テレビ朝日)のバラエティー番組の中に人形劇コーナーがあったのか。

Twitterには何度か書いたが、父がしばしば「最近のNHKは子どもの文化(父に言わせると人形劇のことだが)に金をかけようとしない、枠を削ろうとしている。こっちは商売あがったりだ」と愚痴を言っていたので、「NHKがだめなら民放にあたってみたら?」と、釈迦に説法的なことを言ったら、「いやいやいや、民放なんて!NHK以上に駄目だから!NHKはね、腐ってもNHKなんだ」と父は言ったのだった。

これ、どの時点で言ったのだったかな。「三国志」と「平家物語」の間だったかな。「平家」も済んで、「項羽と劉邦」についてNHKと交渉している頃だったのかな。

民放がNHK以上にダメダメと言ってはいるが、多少は民放の仕事もしていたようで、パオパオチャンネルというバラエティー番組?の仕事もしていたらしい。







2026年1月25日日曜日

うま年

 今年はうま年なので、年賀状は『くろうまブランキー』にしようかなと思ったり、でもやはりブランキーはクリスマス向きだし、あんまりお正月って感じじゃないとなと思い、クリスマスは前年に続いてブランキーにしたけれど、年賀状は結局、「三国志」のメカ馬にした。

メカ馬
(年賀状に使ったのとは別の画像です)

で、その前にもう一つ候補があって、それは人形劇団貝の火さんのレパートリー「スーホの白い馬」。その白馬の写真も、父のアトリエから出てきていた。ただ、舞台写真ではなくて、アトリエ内のごちゃごちゃした中で撮っている写真だから、まったく映えないのと、「スーホ」もお正月向けのめでたいお話ではないからやめた。





同じ写真帳の中に「ダルー 藤井氏デザイン」と書かれた写真の束もあり、ダルーって何だろうとおもったら、これは「ピコピコポン」の中のキャラクター(悪役)なんだそうだ。




2022年9月27日火曜日

大人が読みたい平家物語 川本喜八郎の世界

 

『人が読みたい正史 三国志─川本喜八郎、人形に魂を込めて』を6月に買ったが、これも即買いした。

日本のTV人形劇操演のレジェンド中のレジェンド、伊東万里子さんのインタビューが捲ってすぐのページに来ていて感激し、さらに伊東さんが父の名をわざわざ挙げてくださっていて感無量(父は決してたいした操演者ではなかったのに)。

川本喜八郎さんの人形がふんだんにあしらわれた美しい構成は勿論、平家物語とその周辺の文学、及び関わった人たちゆかりの地を現地取材されて書かれた記事が丁寧で読みごたえがある。『時空旅人』の看板に偽りはない。
青梅の吉川英治記念館は、川本喜八郎の人形の展示があったときに訪ねて、その後惜しまれつつ閉館になったと聞いたが、昨日上永哲矢さんのtweetで取材されたことを知り、え?休館中の当地を訪ねたの?と思っていたら、記事を読み、20019年閉館の後、2020年に青梅市に振興会から青梅市に寄付されて再開館していたことを知る。嬉しい悲鳴!再訪しなければ!
もちろん、川本人形が常に展示されている渋谷ヒカリエの人形ギャラリー、飯田市の人形博物館、関門海峡ミュージアムの紹介もある。

2019年9月18日水曜日

2017年5月3日水曜日

三國志・桃園のつどい

(書きかけ)
放送聴いたときは、「何これ。つまんないな」と思ったのですが(失礼)、

昨日の  出演の渡辺先生が講師というので、100分de名著 陳寿『三国志』を観たのだけど、第1回に関してはちょっと期待外れ。古代の歴史書から「この混迷の時代に通じるリーダー論」みたいな持って行き方だったので、よくビジネスマン向けの雑誌に載っている記事みたいで。

テキストは面白い!
やはり100分(一回あたり25分)では語りつくせないのが名著なのでありましょう。
なんか池上彰みたいに妙に簡略化した解説で、無理無理現代にあてはめているようで、そこらのビジネス誌の見出しみたい→「真の英雄とは何か」「乱世のリーダーの条件」
桃園のつどいでお話されていた渡邉先生はこんなじゃなかったのに・・・
という気がして放送を観ていたけれど、昨日テキスト買って、帰りの電車の中で拾い読みしてみたら、割とおもしろかった。
放送も楽しみになってきた。



4/30の 桃園のつどいについては、おいおい書いていく。

2017年1月6日金曜日

クリスマスに贈りたい本 Список книгах на Рождество

    С Новым годом, друзья!

Скоро наступает православное Рождество. Поэтому сегодня я расскажу вам о моих любимых книгах, которые в Рождество я хочу читать или кому-нибудь подарить. Далее их список.

 

Первая – это «Рукавичка» (『てぶくろ』)
    Вторая – «Подарки для Ёжика» (『ハリネズミと金貨』)
    Третья – «Святочные сказки из России»(『ロシアのクリスマス物語』)
    Четвертая – «Путешествие Голубой Стрелы» (『青矢号のぼうけん』、現在入手可能なのは改訳版『青矢号おもちゃの夜行列車』)
    Пятая – «Черная лошадь Бланкий» (『くろうまブランキー』).
    Теперь более подробно о каждой из них.
 
 
てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本)
エウゲーニー・M・ラチョフ 作・絵 うちだりさこ訳 福音館書店 / 1965年11月1日発売
    Советский художник Евгений Рачёв нарисовал иллюстрации для украинской сказки «Рукавичка», которая стала самой популярной среди его работ. Вы можете читать ее в японском переводе. Говорят, что зимой в Японии эта книга занимает одно из первых трёх мест по продаваемости. 
 
 ラチョフの絵本でも一番の売れ筋。日本では冬の本の売り上げトップ3だという話(後の2冊は何だろう?案外後述の『しんせつなともだち』あたりかもしれない)。
 

 
 
 
ハリネズミと金貨―ロシアのお話 (世界のお話傑作選)
ウラジーミル・オルロフ作 ヴァレンチン オリシヴァング絵 田中潔訳 
偕成社 / 2003年11月発売

    «Подарки для Ёжика» Владимира Орлова – это история Ёжика и его любезных друзей.
 Дедушка Ёжик идёт на рынок и по дороге находит золотую монету. Он запасается продуктами к зиме....
Это очень простая и греющая сердце сказка. Она похожа на историю «Любезные друзья» китайского писателя Фан Йикун. Также по своему сюжету напоминает известный мультфильм Юрия Норштейна «Ёжик в тумане».
 
ハリネズミのおじいさんと優しいお友達の心温まるお話。見つけた金貨は結局…『しんせつなともだち』オチでした。ノルシュテインのアニメーション「霧の中のハリネズミ」とはハリネズミと小熊と蜂蜜の壺が登場するところが似ている。



しんせつなともだち
方軼羣作 村山知義絵 君島久子訳 福音館書店 / 1987年1月20日発売

 

きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)
セルゲイ・コズロフ作 ユーリー・ノルシュテイン絵 こじまひろこ訳 
福音館書店 / 2000年10月25日発売
 


 


 
 ロシアのクリスマス物語
イワン・セルゲーエヴィチ・シメリョフ他著 田辺佐保子訳 群像社 / 1997年12月発売
右は2006年発売のCD付きの版

    "Святочные рассказы из России".
    Это антология святочных рассказов из России. В нее вошли рассказы «Ида» Ивана Алексеевича Бунина, «На святках» Антона Сергеевича Чехова, «Жемчужное ожерелье» Николая Семёновича Лескова. Также рассказы Фёдора Михайловича Достоевского, Владимира Владимировича Набокова, Тэффи,Михаила Михайловича Зощенко, Александра Ивановича Куприна, Александра Степановича Грина, Фёдора Кузьмича Сологуба, и .... Это интересная книга с красивым переплётом.
 
シメリョフ、テフィ、ブーニン、ゾシチェンコ、ナボコフ、チョールヌイ、ドストエフスキイ、ソログープ、グリーン、クプリーン、チェーホフ、ワグネル、レスコフ、と錚々たる顔ぶれのクリスマス物語集。
アレクサンドル・ベヌアの絵の表紙がおしゃれ。
 
 


青矢号のぼうけん (岩波ものがたりの本)
ジャンニ・ロダーリ作 杉浦民平訳 岩波書店 / 1981年5月発売
 
 

 «Путешествие Голубой Стрелы» Джанни Родари.
    Родари итальянский журналист и писатель. В России особенно популярна его сказка «Приключения Чиполлино». По этой сказке сняли мультфильм. Потом она стала сюжетом для балета в СССР.
    А сказка «Путешествие -Голубой стрелы» тоже популярна и по этой сказке был выпущен кукольный мультфильм в 1986 году.
    В Италии привозит детям подарки на Рождество ни Санта, ни Дед Мороз, а дама по имени Бефана (в русском переводе — Фея). День Бефаны приходится на шестое января.
    Перед днём Бефаны на витрине магазина выставляются разные игрушки. Хозяйку этого магазина зовут Фея(Бефана). А эти игрушки отправляются на игрушечном поезде «Голубая стрела» к мальчику, который заглядывался в витрину каждый день.
    В детских книгах, фильмах часто встречаются истории, в которых ночью игрушки приходят к детям.
    В этом рассказе тоже игрушки отправляются к мальчику по имени Франческо. Через путешествие игрушки находят свое место и человека, который нуждается в чей-то помощи.
  В этой сказке вас ожидает не только счастливый конец, но и такие общественные проблемы, например, как голод, болезнь и смерть...
 
現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』。 でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいし、訳も杉浦先生の方がいいので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーション(カレル・ゼマンの「クリスマスの夢」やヤン・スヴィエラークの「クーキー」等)によくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。 なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。
単なるハッピーエンドではなくて、この世の矛盾、貧困、格差、病気、死といった現実と向き合いつつ、ほんとうのクリスマスを届けてくれる本。 
なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(1月6日)です。(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)
チポリーノの冒険 (岩波少年文庫 (2050))
ジャンニ・ロダーリ作 杉浦民平訳
岩波書店 / 1987年7月発売
 
 

くろうまブランキー(こどものとも絵本)
フレネ学校共同制作 伊東三郎再話 堀内誠一絵 福音館書店 / 1967年11月15日発売

"Черная лошадь Бланкий"
Это дебютная книга известного дизайнера Сэйити Хориути. Он нарисовал много иллюстраций для книг. Его стиль разнообразый. Но больше всего я люблю его первую книжку, иллюстрации которой напоминают работы Пауль Клее. Картины очень симпатичные, а история просто трогательная. Эту сказку написали французские дети, обучавшиеся в школе «Селестена Френе».
Чёрная лошадь Бланкий долго работает и от тяжелой работы умирает. Но он умирает как раз в Сочельник, и Санта Клаус находит Бланкий и спасает его от рук злого хозяина.
 
堀内誠一さんの絵本デビュー作。堀内さんは画風をいろいろ変えているけれど、この本が一番好き。パウル・クレー風の絵がとっても素敵。
ストーリーも泣かせます。フランスの小学校の児童達の共同制作なのです。
 


Как сказала, мне очень нравятся эти книги, они такие симпатитные. Попробуйте читать их. Если вам понравятся, перечитывайте много раз.
   Спасибо за внимание.
 
   С днем Бефаны и Рождеством!
 
@上智大学

なぜ突然ロシア語なのかというと、ロシア語の授業での発表(に手を加えた~作家名とか)なのです。
どうして今日なのかというと、
1.発表が昨日になってしまった(昨年最後の授業でやるつもりが、私の準備不足で年を越してしまった)
2.正教のクリスマスが明日だから
3.ベファーナの日が今日だから
です。
 
各々の本の日本語の紹介はこちらです。
『くろうまブランキー』についてはこちら



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

2015年9月20日日曜日

中国と、文化を作る

川本喜八郎人形ギャラリーの関連講座「芝居の中の三国志」、人形劇を日中合作で作り上げる苦労と醍醐味を伺いました!TV放映の三国志と同様川本喜八郎制作の人形ですが、劇場上演用の大きなもの。ものを握れる手という中国仕様とのことでした。(日本の棒使い人形の手は、ものを持つときマジックテープ止めにしているのが多い。)

若き孔明さん(遣い手は伊藤行也さん)
人形を動かすのはほぼ専任(孔明さんを遣うのはその人にほぼ決まっている)とのこと。

関羽:和田覚さん 
劉備:かくたけしさん(漢字がわかりませんでした。すみません。)
 

張飛:かさいちさとさん(漢字がわかりませんでした。すみません。)
指部分がてぐすで引っ張って動く。武器も持てるし、剣を鞘から出す→入れるという動作もできる。

劉備の妻(左) TV版ではないので”すうりん”ではない。”ニン姫”とおっしゃっていたような。京劇のメイクみたいだ…。
孔明先生(右) 三顧の礼の場面の人形なので若い。ちなみに公演での孔明先生の声は森本レオさんではなく橋爪功さん。
 
そもそもこの講座、演題は「人形の声と遣い手と」、講師は小森美巳さん(「おかあさんといっしょ」誕生時番組制作担当、元NHKプロデューサー)ということで、往復はがきで申し込み、当選の知らせを待っていたところ・・・
留守番電話に渋谷区役所の担当の方からメッセージが入っていた!
ありゃ、落選して次回よろしくってことなの?と思ったら、夜再びお電話いただき、無事当選を知らされた、という経緯があります。
(お盆あたりにあった停電で人形保管庫の状態を案ずるメッセージを書いていたので、それに対しての丁寧なご回答だった。)
 
会場に着いて、受付を済ませると、電話をくださった担当者の方がまたも丁寧にご挨拶してくださった。
 
NHKの話としては、初の幼児向けTV番組「おかあさんといっしょ」を始めるにあたって1年間の準備期間に小児科医・児童心理学者(具体的なお名前は略すが高名な方々である!)の話を聞いたりして熱心に研鑽を積まれていたこと、それであのようなしっかりした番組ができ、後々の幼児向け番組に受け継がれていったことを知ったのでした。
今や政権のしもべとなったかのように批判を浴びているNHK,父がこの状況を観てそれでも「腐ってもNHKだ」と言うのかどうかはわからないけれど、小森さんのお話からも「さすがはNHK,番組作りの基礎からしっかりやっていたのだ」(←この時代は)ということができましょう。
 
チェコ留学前の多忙の川本先生も打ち合わせで大いに煩わせた、なんてお話も。
 
 
読んでいる。自作品を見せた時のチェコのアニメーターたちの意見が「なぜ人形が西洋的な顔立ちなのか、物まねはいけない」というものだったというのがまず印象深い。川本先生はそれから東洋的な作品を多く作られた。
チェコの公園がきれいだという記述の中に、「日本人がこういう公徳心を持つのは何時のことか」云々とある。「街はゴミ箱の如く、人は猿の如く」だったという、1960年代の日本人の公共心ってどうだったのよ?と苦笑しつつ想像。
(まだまだ続く)
(読みかけ、書きかけながら紹介しておきます。)

留学からの帰国後の川本先生、1972-1980年日仏会館で岡本忠成さんとやっていたという「パペット・アニメーショウ」シリーズから映像として残っている(「徹子の部屋」で放映された)「人も磨きて後にこそ」(これは川本先生の追悼会の時に観た覚えあり)、「おやすみなさい」を見せていただきました。(淀川さんもかんでいる。)これ、ウレタンでつくった人形で、アトリエはウレタンくずがまとわりついて大変だったそうな。
小森さんが言及された「仲良きことは美しきかな」(嫁姑もの)「燃えよドラゴン」(若い女性が化粧した後ゲバ棒持ってゲバゲバ…とおっしゃっていた。どんなものなんだ?!)など映像残っているのでしょうかね??

さて、三国志のお話です。
といってもですね。
TV放映された「人形劇・三国志」のことではなかったです。
不勉強な私は、その場で初めて知ったのだが、小森さんは元NHKプロデューサーという認識だったのだが、演劇集団円そして劇団影法師として演劇活動をばっちり行っている方なのだった。
なので、お話しくださるのは、劇団影法師の公演している「三国志」でした。

私は演題が「人形の声と遣い手と」とあったので、TV放映されたあの「三国志」の皆さんの頭の中で孔明先生は森本レオさん、曹操は岡本信人さん、という風にイメージされている、でも人形劇は声と人形の遣い手とが両輪であってね、というお話をされるのかと思っていたのですが、違っていました。
TV放映後に川本先生の作られた人形で(制作は川本先生ですが、別の人形です。TV用と劇場用では大きさが違います)、劇場公演をする、しかも中国の劇団と合作する、その過程のお話でした。
まさに秘話っていうもので、大変面白い話でした。

日中の違い
日本
けこみが低い、遣い手はアヒル歩き、黒子を使う(浄瑠璃などの伝統)

中国
けこみが高い、立って遣う、手指をてぐすで動かし物を掴む、刀を抜くなどの動作

この他にも、中国の劇団は京劇のイメージで動かすので、「ここは心理劇でありドラマを見せる場面だから動きを抑えてくれ」と伝えるのに腐心したというお話、黒子を使うことに抵抗があったというお話(チェコやロシアなんかではあんまり抵抗感ないのではないか?ああいう黒いの被っているかどうかは別として)、日本語と中国語では語順が違うので人形を動かすタイミングが違ってくるというお話、そういういろいろなお互いの違いや摩擦はありながら、優秀な通訳が懸け橋となって話し合いを重ね(各地方の劇団で繰り返す)、一緒に人形劇作品を作り上げたということに、非常に感銘を受けました。

2015年8月26日水曜日

子どもの友

「クーキー」のレビューで人形劇映画とあるのを見てパペットアニメと実写を合わせた映画でしょ、と思っていたが、パペットは手がぶらっとしていて、アニメでなくて人形遣いが動かしているのだとわかる。糸操りか棒遣いだろうが、どうやらマリオネットで、後に編集で糸を消したと知る。手が込んでいる!父に見せたかった。どんな感想を持ったろうか?

「クーキー」はさすがスヴィエラーク、心揺すぶるポイント心得ているわ。人形・ぬいぐるみ・おもちゃの冒険は先行作品がいろいろあるが、チェコの伝統とスヴィエラークの先進性と見事に融合していた。



実は数年前のバルタ監督のパペットアニメーション「屋根裏のポムネンカ」は気に入らなかったのだ。彼らしくなく、平板で。資金稼ぎのため作ったというのも頷ける。「クーキー」は作りたくて作った映画だとわかる素敵な作品。
 
ヤン・スヴィエラークが偉いのは、これまでいろいろなジャンルの作品を作って、そのどれもが大ヒットという点。(ヒロインが素敵!という作品はこれまでなかったが。「小学校」なんかには、若干女性蔑視っぽい視点があってそれは嫌な感じだった。)少年の心の大人なんだと思う。
貧しい人たち、社会から零れ落ちそうな人たちへの視線が、ジャンニ・ロダーリ『青矢号のぼうけん 』を回想させる。

「クーキー」のスヴィエラーク作品を最初に観たのは俳優座での「アミュムレーター1」。観客は4人しかいなかった(うちカップル1組)。きわもの映画だったけど、結構おもしろくて名前を記憶に留めた。「コーリャ」やチェコ映画祭で観た初期作品、「ダークブルー」も、やはり皆ボーイッシュな感性だ。
だからスヴィエラーク作品を観るといつもフドイナザーロフを思い出す。残念なことに、信じがたいことに、今年彼はこんなにも早く旅立ってしまったのだが。「クーキー」にも激しいカーチェイスがあって、乗り物狂の彼を懐かしまずにいられなかった。あの車たち、こだわりの逸品だろうね。

 
 





 
新宿武蔵野館に展示されている「クーキー」のマケット(チェコからやってきた本物とのこと)等
入手したばかりのタブレットのカメラで試しに撮影。
(容量がつかめず、自撮りになってしまったりして、苦労してとったものでございます。)