2022年9月27日火曜日

大人が読みたい平家物語 川本喜八郎の世界

 

『人が読みたい正史 三国志─川本喜八郎、人形に魂を込めて』を6月に買ったが、これも即買いした。

日本のTV人形劇操演のレジェンド中のレジェンド、伊東万里子さんのインタビューが捲ってすぐのページに来ていて感激し、さらに伊東さんが父の名をわざわざ挙げてくださっていて感無量(父は決してたいした操演者ではなかったのに)。

川本喜八郎さんの人形がふんだんにあしらわれた美しい構成は勿論、平家物語とその周辺の文学、及び関わった人たちゆかりの地を現地取材されて書かれた記事が丁寧で読みごたえがある。『時空旅人』の看板に偽りはない。
青梅の吉川英治記念館は、川本喜八郎の人形の展示があったときに訪ねて、その後惜しまれつつ閉館になったと聞いたが、昨日上永哲矢さんのtweetで取材されたことを知り、え?休館中の当地を訪ねたの?と思っていたら、記事を読み、20019年閉館の後、2020年に青梅市に振興会から青梅市に寄付されて再開館していたことを知る。嬉しい悲鳴!再訪しなければ!
もちろん、川本人形が常に展示されている渋谷ヒカリエの人形ギャラリー、飯田市の人形博物館、関門海峡ミュージアムの紹介もある。

2022年9月25日日曜日

ビルケナウ、リヒター

ゲルハルト・リヒター展、図録があまりに分厚くて読み直す自信や我が家のスペースやいろいろ考えて購入を断念し、その代わりに買ったのがこれ。

ゲルハルト・リヒター 《ビケルナウ》という到達点

カルチュア・コンビニエンス・クラブ
発売日 : 2022-06-07

『ビルケナウ』の会場では、ロズニツァの「アウステルリッツ」で観た光景が目に浮かぶ。作品と、それを鑑賞・見学する私たち”観客”。
あるいは、カウナス郊外第9収容所。あれこそ『アウステルリッツ』(ロズニツァではなくゼーバルトの)に出てくるシーン。


2022年9月18日日曜日

ジャンニ・ロダーリの『キエフの月』

 

ジャンニ・ロダーリは大好きな作家のひとり。この本の巻末の作家紹介には「ジャーナリスト」としか書いていないが、共産党の機関紙の記者だった。
バレエ化された『チッポリーノの冒険』が有名だが、私は『青矢号』が大好きでクリスマスに贈りたい本のリストにも挙げている。

『キエフの月』
日本語の訳はイタリア語の原文に忠実なようだ。
Chissà se la luna
di Kiev
è bella
come la luna di Roma,
chissà se è la stessa
o soltanto sua sorella…

“Ma son sempre quella!
– la luna protesta –
non sono mica
un berretto da notte
sulla tua testa!

Viaggiando quassù
faccio lume a tutti quanti,
dall’India al Perù,
dal Tevere al Mar Morto,
e i miei raggi viaggiano
senza passaporto”.

ところが、ウクライナ語訳は
Чи місяць над Києвом
Сяє так само
Чудово,
Як сяє над Римом,
А може, й ясніше стократ?
Чи місяць над Києвом —
Місяць той самий,
Що сяє над Римом,
Чи, може, не він там,
А тільки
Місяців брат?

А місяць, розсердившись,
Хмариться, —
От ще питання! —
Й відказує так:
«Я всюди той самий,
Бо я ж таки місяць,
А не якийсь там
Нічний ковпак!
Я всюди буваю,
Скрізь блиск розсіваю,
Проміння усім розкидаю
Перу, й Парагваю,
І Кубі, й Китаю,
Я в Польщі й в Панамі,
В Канаді й В'єтнамі,
Мій кожен промінчик
Несе свій пломінчик
Куди тільки сам захотів,
Промінню й кордони
Не перепони —
Обходиться без пашпортів
(Переклад Григорія Кочура та Миколи Лукаша)
ポーランドとかカナダとかベトナムとかが創作されている???
そしてロシア語では
Чья Луна?

-Ты слышал - в Киеве Луна
Прекрасна, точно в Риме?
-Она, должно быть, не Луна,
Хоть носит это имя.

А может, в Киеве видна
Сестра Луны, а не Луна?...

Луна в ответ сказала так:
-Да что я вам, ночной колпак?
Нет, я для всех сияю.
До рубежей мне дела нет.
Дарю Парижу ясный свет,
Каиру и Шанхаю.

Глажу на Кубу и Тунис,
И мне в пути не надо виз!
やはり原文に忠実ではなく、地名が差し替えになっているのが謎。

実のところ、タイトルにはあるがキエフもウクライナも、あまり意味付けはない(キエフじゃなきゃいけないわけではない)というか、なのでウクライナ語訳やロシア語訳では原文にはない地名が登場してきたりするのだろう。

「わたしはわたし」ときっぱりという月の言い分が
「あなたのナイトキャップではない」
なのが何ともおかしい。
毎夜違うキャップを被るの?

2022年9月17日土曜日

現代ロシア演劇 (水声文庫)

 


ペレストロイカの時代から2020年以降のコロナ禍、ほんの半年前のウクライナ侵攻に関するロシア演劇界の動向まで、詳細にロシアの演劇について述べられていて、短い時間によくも…と感心するばかり(←偉そうな書き方になって申し訳ない。)必携のロシア演劇紹介本ではないか。
映画との関連やユーゴザーパドについての記述があまりないようなのが残念ではあるけれど。

2022年9月1日木曜日

録画メモ 美術関係 かこさとし・安野光雅・青騎士

 Jcomの機器が故障したっぽいのに加え、レコーダー一体型のTVの調子もだいぶ悪い。

弟から引き継いだ機械だから10年くらい使っていることになるのか。

ディスクの初期化→ダビングが上手くいかず、何枚ものディスク、録画した番組をだめにした。

どうやらもう一台のTVでディスクを初期化→ダビング、なら上手くいくのか。

美術関係の番組

1 プロフェッショナル かこさとし最後の記録 ただ子どもたちのために

2 アートシーン かこさとしのひみつ展

3 あの人に会いたい かこさとし

4 日曜美術館 かこさとし最後のメッセージ 未来を生きるこどもたちのため

NHKのサイトでは「最期」になっているようだ

5 アートステージ 画家たちの饗宴 前衛美術サークル青騎士

6 わたしの芸術劇場 ルートヴィヒ美術館展

7 あのひあのとき エリック・カール