2020年7月30日木曜日

この夏、映画が駆け抜けるその1 Музыка из фильма "Leto" (Официальный саундтрек)

「LETOレト」と言う邦題には各所から文句がきているようだが、内容は素敵だ。
凄く好きなタイプの作品になっててよかった。ツォイには似てないけど気にならない。コムナルカのレニングラードのモノクロの風景が良い。あと、年配の人達の表情が好き。



関連作品で”После Лета”っていうのもあるんですね。ドキュメンタリー。懐疑論者役アンドレイ・クズネツォフさんがメイン?でナタリヤ・ナウメンコさんと話をしたりとか。これも観たい!!!

LETOレト についてヴィクトル・ツォイとかナウメンコとかザーパルクとかキノ―と登場するミュージシャンのことばかり書いてきたけれど、監督のセレブレンニコフのことも少し。そうか、「オフサイドガール」のジャファール・パナヒみたいに迫害受けているのか。そういう人の作品をよく日本公開できたな

プログラムが数があまりなくて先着順ですよと煽り気味に書かれていたけれど800円の値段でまあ相応の出来って感じ。キーワード解説が英米ミュージシャン紹介のみだったりキャストスタッフ欄がえ?これだけですか?とかロシア語表記がほぼなかったりとか不満がないわけじゃないがまあ想定内

実在の(実在した)ミュージシャンを題材にしたフィクション交えた伝記的な音楽映画というと、既に亡命してしまったイランのクルド人監督バフマン・ゴバティの「ペルシャ猫を誰も知らない」を思い出させる。

2020年7月21日火曜日

きっと面白いはずだった

初期ソ連外交官コロンタイ、初代教育人民委員ルナチャルスキー、労組系闘将シリャプニコフという面白いセットメニューなのだったが…

コロンタイ、ルナチャルスキー、シリャプニコフ(についてはコロンタイ関連論文という扱いだが)についての駆け足解説…と言ってもコロンタイを「女傑」と言い表してしまうあたりに顕著なようにいかにもオールドセンスな老人がだいぶ前に書いていた本なのかな、と思ったら2016年刊行。意外と新しかった。
先行研究についての言及もとんでもなく上から目線で退くなあ。
コロンタイについて特に感じるのだが、女性解放運動については殆ど触れられておらず、かといって外交問題について詳しく書かれているわけでもなく、孝行息子と評する息子についてはなんかま謎のままだったし、読了しても何か得たものがあるのかというとなさそうに思えるのだった。虚しい。
ソ連初期にこういう人たちがいたのだとの忘備録になるかなという程度。
205頁以下の年表・参考文献・著者による「必読書」リストは横書きながら右ページ⇒左ページなので、大変読みにくかった(読んでもしょーもない情報だったとは言え)。

コロンタイについては『令嬢たちのロシア革命』、ルナチャルスキーについては「消えたルナチャルスキー」 を読め、とは言わずとも、上記の本を読むより、別の本を読んだ方が役に立つ。

2020年7月4日土曜日

人間、見習工、ルサルカ

再版、大変ありがたい。

独裁体制下でなくても科学が軍事利用や反体制派抑圧に利用されようという局面で科学者の良心が問われるのだが。
ラストはSFっていうよりかなり哲学的なのがソ連ファンタスチカのお家芸っぽくてよかった。
部下の若者たちがゆるふわなキャラでそれもよし。