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2023年7月4日火曜日

EUフィルムデーズ2023

 今年は国立映画アーカイブでの小ホールが会場だったので、チケットを取れず観られなかった作品がいくつもあった。


観たもの

「グラッド」エストニア

子ども向けにはエグい。後味悪い。しかしなかなかエストニアっぽさがあってよかったね!

「イニシェリン島の精霊」アイルランド

こういうので映画になるのか、という。

「埋葬」リトアニア 解説のハンドアウトあり

「タイガーズ サンシーロの蔭で」スウェーデン

一番最初に観た。


昨年のヨコハマ・フットボール映画祭での受賞
昨年来日できなかった監督に対し、ようやく授賞式?を行え、花束贈呈実施
実行委員長福島さんの珍しいネクタイ姿(スウェーデン国旗柄)
いつも拝見するのはフットボール映画祭のTシャツ姿だからな

「アイスマイヤー曹長の選択」オーストリア

「ライダーズ」スロヴェニア

これもまあまあ。


観たことあった作品

「愛についての歌」ポーランド

ポーランド映画祭2022で

「オレグ」ラトヴィア

去年のEUフィルムデーズオンラインで観ていたらしい。

「フェモクラシー 不屈の女たち」ドイツ

ドイツ映画祭2023で。

「ケースのためにできること」オランダ

EUフィルムデーズ2020オンライン上映。今回も続編含め観たかった。深く深く考えさせられる。


2017年10月23日月曜日

録画メモ

「みんなのアムステルダム国立美術館へ」
「ストリートオーケストラ」

2017年4月24日月曜日

ナチス、ヒトラーの映画の走り書き

新文芸坐
シリーズ「映画と歴史」① 映画に刻まれたナチスの爪痕
①帰ってきたヒトラー(2015・独/116分)
②アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 (2015・米/98分)
③ハンナ・アーレント(2015・独=ルクセンブルク=仏/114分)
④アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち(2015・英/96分)
⑤手紙は憶えている(2015・加=独/95分/PG12)
⑥アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015・独/105分)
⑦独裁者(1940・米/126分/35mm)
⑧終電車(1980・仏/131分/35mm)
⑨シャトーブリアンからの手紙(2012・仏=独/91分)
⑩ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015・独/113分)
⑪奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014・仏/105分)
⑫栄光のランナー/1936ベルリン(2016・米=独=加/134分)
⑬サウルの息子(2015・ハンガリー/117分)
⑭顔のないヒトラーたち(2014・独/123分/PG12)

あと、
「ヒトラーへの285枚の葉書」 
7/8~ヒューマントラスト有楽町、新宿武蔵野館

まだまだ、ナチス、ヒトラーを題材にした映画作品は作られ続け、上映も続く。

ちょっとメモ書きしておこうと思う。
有名なの、無名なのいろいろ。
特にお薦めのものも。

感じるのは、意外と偏っているってこと。
アメリカ(つまりハリウッド作品)、あとはイギリス、ドイツ、せいぜいフランス、イタリアくらいに。
もっと素直に、被害者に目を向けようとしないのだろうか?
まず最大に被害国であったソ連の作品を知る人があまりに少ない。
絶滅収容所の多くが存在した地、ポーランドの映画は、巨匠が多くて、さすがに知名度は高いとは思うが、上映機会はかなり限られるし、こういう機会で言の葉に挙がるのももっと多くてよかろうと思う。
チェコスロヴァキア、ユーゴスラヴィア(犠牲者の数はかなり多い)、ハンガリーも、そういう土地柄なのだから、当然あるだろうと想像つくでしょ?

比較的最近の作品群

「ヒトラー~最期の12日間~」
有名ですね。評価する人も多い。

「アイアン・スカイ」
個人的にはすごくお薦め。
このノリのフィンランド、好き。

「ヒトラーの忘れもの」
辛い。なぜ双子を出す?

「ワルキューレ」

「検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男」
法曹枠。

「シンドラーのリスト」

「ヒトラーの贋札」
個人的にはオデッサ枠。

「オデッサ・ファイル」
オデッサ(地名としては)関係ないけどオデッサ枠。

「マイ・ファーザー」
お薦め。観ていると暑苦しくて大変。クレッチマン枠。

「黄金のアデーレ」

「ヒトラー最後の代理人」

「野獣たちのバラード(ありふれたファシズム)」
鈴木瑞穂さんがナレーションの吹替え版観た。
移転前のアップリンク。観客は私だけでした!(平日昼間)

「マイ・リトル・ガーデン」
北欧映画祭で「バード・ストリート」というタイトルでやっていたのを観た。

北欧映画祭で「バード・ストリート」という題名で上映されたのを観た。(その後「マイ・リトル・ガーデン」名で一般公開)そのときの上映後質疑応答で「その原作は読んだことがある」という方がいて調べた。映画はレンブラントライトで割と美しく隠れ家を撮っていた。「戦場のピアニスト」子ども版みたいにワルシャワのゲットー内で子ども一人サバイバルする。映画だと冒険ものの要素が強くて(あと、サバイバルしてるとは思えないぽっちゃりした子が演じていたこともある)、原作の方が切実で大変。ゲットーの外でのサバイバルが同作者の「ふたつの名前を持つ少年」の原作『走れ、走って逃げろ』。
てわけで、
「ふたつの名前を持つ少年」

「1944 独ソ・エストニア戦線」
結構評判いい。
録画済みで未見。楽しみ。

「地下水道」「灰とダイヤモンド」「戦いのあとの風景」「サムソン」
ワイダまとめて。
「コルチャック先生」
美少年だったクラタくんどうしているんだろう。

「灰の記憶」
辛かった。
「縞模様のパジャマの少年」
「サラの鍵」
「黄色い星の子供たち」
「やがて来る者へ」
「ふたりのトスカーナ」
子どもが犠牲っていうのはこたえる。

「僕を愛したふたつの国 ヨーロッパ・ヨーロッパ」
「ソハの地下水道」
ホラントまとめて。

「ショア」
「ゾビブル」

「パサジェルカ」

「誰がため」

「ディファイアンス」
これより、プリーモ・レーヴィだな。
『今でなければいつ』とか。
『休戦』映画化したのが「遥かなる帰郷」
原作になかった、ソ連兵たちが戦勝記念パーティー向けに隠し芸の練習に余念ないのを救出されたユダヤ人たちが観ていて「上手いな!」とか言っているところが印象的。

「ソフィーの選択」
「夜と霧」
「海の沈黙」

「ブリキの太鼓」
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」

「悪童日記」
原作がよかっただけに、映画はインパクト弱い。
是非入れて欲しかったのはおばあちゃんがユダヤ人たちに食糧を援助する場面だったが。あれは省くな!

「フランス組曲」
これも原作からのカット場面が多くて残念。

「さよなら子供たち」
「鯨の中のジョナ」
古典

「暗い日曜日」
「太陽の雫」

「名もなきアフリカの地で」

「ブラックブック」
お薦め。ミヒャエル・バラック似のゼバスチャン・コッホ枠。

「善き人」
「あの日 あの時 愛の記憶」
「アドルフの画集」
「わが教え子、ヒトラー」
「ドイツ零年」
「さよなら、アドルフ」
「あの日のように抱きしめて」
「敵こそ、我が友 〜戦犯クラウス・バルビーの3つの人生〜」
「愛を読むひと」
「コロニア」

「僕の村は戦場だった」
ブルリャーエフ枠。

「モレク神」
ヒトラーに似すぎているレオニード・モズゴヴォイだが、「ストーン クリミアの亡霊」ではチェーホフ、「牡牛座」ではレーニン演じているんですよ!信じられます?さすが役者だ。


「炎628」
デートで観に行くべきではなかった編。(帰路、互いに沈黙のままでした。)
これ、視覚だけじゃなくて、スープ(キャベツのスープじゃないかな)腐臭が漂ってくるような、泥沼ではぬめぬめした感触がしてくるし、五感に響いて、ぼろぼろになってしまう、”最強”の戦争映画。決して村の炎上シーンとラストの衝撃だけじゃないです。
でも、フリョーラ役のクラフチェンコは、このときは「あんまり美少年じゃないし、俳優続けそうにないな」と思ったんだけど、その後アクション映画によく出ている。社会性の強い作品には出ていなそうに思う。人の人生わからない。

「処刑の丘」
でもエレム・クリモフの奥さんであるラリーサ・シェピチコはもっと凄い。
忘れ難いのが、雪原のシーツの場面。
レジスタンスの二人が訪ねて食糧貰いに行こうとした(懇意にしている女性がいるはずだったのでは)村が、行ってみると、跡形もなく焼き尽くされている、のではなくて、無人の雪原に家の壁と干したシーツがあるだけっていう、鮮烈に白い白い場面。
村人の生活が突如断ち切られての虐殺を暗示させる。
ラスト、裏切者に対しての視線が容赦ない。

「海に出た夏の旅」
お薦め。
実はあんまりナチスは出てこないか(ドイツ兵はいる)。
でも、ソ連のストリート出身の可愛い子が大量に出演するので絶対お薦め。
アラノヴィチの、大好き「トルペド航空隊」とも甲乙つけがたい作品。


「英国王給仕人に乾杯!」
よりは
「厳重に監視された列車」
だな。

(勿論書きかけです)


2016年7月11日月曜日

EUフィルムデーズ(その1)

EUフィルムデーズ 今年は新たにとんでもない名作というのには出会わなかった。観て損した感の駄作もいくつか。日本語字幕無しの際、解説のハンドアウトが配布されたのはこれまでずっとアンケートに書いてきた甲斐があった。今年はユーロと日程がしっかり被って大変だった。次回からはやめて!
印象深かったのはルーマニア「日本からの贈り物」、ドイツ「ロストックの長い夜」、ポルトガル「ボルドーの領事」、ハンガリー「リザとキツネと恋する死者たち」

1.アイルランド「ジミー、野を駆ける伝説」★★★★
昨年公開時にも観たので2回目。イングランド人ケン・ローチによるアイルランドの実在の活動家についての作品。ケン・ローチ、好きなんだけど「自由と大地」にせよ「ブレッド・アンド・ローズ」にせよ「ルート・アイリッシュ」にせよ、カントナ出演の「エリックを探して」にせよ、やや暴力的解決方法を肯定しかねないような傾向に危惧を感じてきたのだけど、アイルランド内部での政治的立場の違いからの紛争という難しい問題を扱いながら、この作品は以前よりもそういう傾向が薄く、若い世代への信頼にも満ちているようでほっとする。

2.イタリア「ローマに消えた男」★★
不人気野党党首が仕事を投げ出して失踪…って「ローマ法王の休日」みたいな設定だな。イタリアってこういうのが許されるのか?あと、イオセリアーニの「月曜日に乾杯」とかも。特に、元カノ一家優しすぎるよ。

3.イギリス「ハムレット」★★★
舞台(アリーナ形式だったようだ)を8台のカメラ駆使して撮影。日本語字幕がないものは行かないつもりだったけど、ハムレットだし、英語字幕がつくことになったので、何とかなるかなと思って観に行った。女優マキシン・ピークがハムレットを凛々しく演じ(といってもハムレットが女性だったという設定ではない)、ポローニアス、ローゼンクランツは女性に設定変更、という話題の舞台。皆さん流石の演技の本場のシェイクスピアだった。でも、告白すると時々「この人、ホレイショー?レアティーズ?」などと混乱した。数年後にはこうした野心的作品を送り込むイギリスがEUフィルムデーズの場に登場しなくなるのかと思うと非常に惜しい、惜しくてならない。

4.エストニア「チェリー・タバコ」★
同日に観たフィンランド作品と同種のガールズ・ムービーだったが、そちらと比較するとかなり見劣りした。ヒロインが可愛く魅力的だった。お相手の男性はダメンズだったが、いや、それでも人間、それぞれ活躍する場ってもんがあるんだよね。

5.オーストリア「壁」→未見

6.オランダ「提督の艦隊」★★★
スクリーンで観るべき映画。祖国の英雄ミヒール・デ・ロイテルを讃える歴史大作。史実かどうか随分とよき家庭人だったかのような描かれ方だった。主人公や部下たちは海賊みたいな荒くれ者。オラニエ公ウィレムが一見気弱実は狡猾な、悪い意味で政治的な人物に描かれていた。海戦場面は平凡ながら勇壮。海上のフォーメーションチェンジが素敵。オランダ絵画のように美しいシーンが多いが暴動場面等はグロい。これもオランダ絵画並みか。

7.ギリシャ『センチメンタリスト』→未見

8.クロアチア「カウボーイたち」→未見

9.スウェーデン「アヴァロン」★
深刻な事態(ネタバレしたくないが「イゴールの約束」っぽい事態)にもなぜか他人事対応な主人公、そこで踊るか?!インド映画か?(スウェーデンです)の展開、脱力系ミュージックの中の謎のフィナーレ。北欧の感覚はぴんと来ない場合が多い。

10スペイン「SPY TIME スパイ・タイム」★★★
ヒューマントラスト渋谷の「未体験ゾーンの映画たち」で上映していたのか。やや無駄に残酷シーンの多いスパイ・コメディー。まあ、おもしろいっていえばおもしろいんだけど、今どきこんな無邪気な作品は実は許されないのでは?と他国のことながら心配してしまう。

11スロヴァキア「ラブ&マネー」→未見

12スロヴェニア「樹」★★
思いっきりイスマイル・カダレの『砕かれた四月』だった。つまり後味が悪かった。

13チェコ「家族の映画」★
最近のチェコ作品はバブリーな中流家庭の虚無感を描くものが続いているように思えるが、去年の美少年登場映画「海に行こう」の方が好み。オットー(犬)は熱演だったけど登場場面長すぎ。それぞれのキャラが薄っぺらく雑然として、これまで観た中で最低のチェコ映画。そうか、チェコ映画にも駄作はあるのか。

14デンマーク「特捜部Q キジ殺し」→未見

15ドイツ「ロストックの長い夜」★★★★
92年に旧東ドイツの町で起こった外国人襲撃事件という実話を、襲撃した若者、父親の市議、襲撃される側のベトナム人女性の3つの視点で、アフガニスタン系移民2世の監督が描いた。日本語字幕がついていたがハンドアウト配布あり。ネオナチに足を足を踏み入れる男女は特に底辺というわけでもなさそう(ただ仕事はなく、閉塞感に苛まれている)。傍観する、というよりネオナチを煽る一般市民の群れが恐ろしい。

2016年2月11日木曜日

オデッサ・スタジオ: 「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース

オデッサ・スタジオ: 「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース: オデッサ海岸通り: 皆にお勧め 「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース : ユーロスペースで「 ロイヤル・コンセルトヘボウ   オーケストラ が やって来る 」を観た。 ウルグアイ出身のファゴット奏者、肉親の粛清や自身の俘虜経験など過酷な過去...



壁に飾られたペナントの数々の中にペニャロールがあるのを観て「我がクラブのだ!」と喜ぶヌニェスさん。
「でも子どもたちはアシックスファンなんだ」というと、ケルステンさんは「うちのはバイエルンファンだよ、行ったこともない街なのにね」
と二人ともお父さんの顔。

2016年2月7日日曜日

皆にお勧め 「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」@ユーロスペース

ユーロスペースで「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラやって来る」を観た。

ウルグアイ出身のファゴット奏者、肉親の粛清や自身の俘虜経験など過酷な過去を想うペテルブルグ在住のセルゲイさん、音楽に夢中の南アの少女ら、説明不要、ただ観て聴いて、充実した気分に浸れる映画だった。

これは大いに友人知人に勧められる,勧めなければ!という映画だった。

注)混んでいます。ぎりぎりに行くと立ち見かも。

2016年1月6日水曜日

オデッサ・スタジオ: あけましておめでとうを折句にしたお薦め映画タイトル

オデッサ・スタジオ: あけましておめでとうを折句にしたお薦め映画タイトル: ツイッターに  # あけましておめでとうの頭文字でオススメの映画のタイトルいってみようか というハッシュタグがあるので、サッカー映画で作ってみました。 あ  「明日へのチケット」 「 アイ・コンタクト もう1つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー 」「アザー・ファイナル...

2015年12月26日土曜日

不完全版今年見た映画ベスト11

1.ジャファル・パナヒの「タクシー」
2.「ヴァ・バンク」「約束の土地」ポーランド映画祭
3.ミハイル・カウフマン(ジガ・ヴェルトフ弟)「春」
4.「クーキー」
5.「ブラックシー」及び「チャイルド44」
6.クリス・マルケル「笑う猫事件」
7.「タンジェリン」エストニア+グルジア
8.「マックスへの手紙」
9.「パレードへようこそ(原題:PRIDE)」
10「サンドラの週末」
11「ジミー、野を駆ける伝説」
番外:《川崎市市民ミュージアム特集上映》『戦争の記録と映画戦争映画の視点』セミョーン・アラノヴィチ「海に出た夏の旅」「トルペド航空隊」
「放浪の画家ピロスマニ」
「ボーダレス ぼくの船の国境線」
「草原の実験」
「イマジン」

2015年11月30日月曜日

今年のクリスマスに贈る本

もう12月!
というわけでありまして、今年も書きます、クリスマスに贈る本。

堀内誠一さんの絵本デビュー作。パウル・クレー風の絵がとっても素敵。
ストーリーも泣かせます。フランスの小学校の児童達の共同制作なのです。

祖父から贈られた本で、これまでに何度も何度も読みました。
おじいさま、ありがとう!
この本は、私にとって、永遠のクリスマス絵本なのです。


出版社の紹介分より
「ある朝ジョギングにでかけた小枝のパパは犬に追いかけられ、子供の遊び道具にされ、 鳥の巣になり、川に流され、バットにされたり、ブーメランにされたり……単なる小枝として小枝のとうさんは散々な目に遭います。
そんな小枝のとうさんに奇跡がおきます。
子供たちが大好きなクリスマスのヒーロー、サンタさんによって・・・。2015年11月末に刊行されたばかりの本。読んでみたい。

猫にいがちなちょっとすねた表情が可愛いトスカ。すてきなクリスマスになってよかったね。

『くろうまブランキー』に似ている。まず、ストーリーがある意味そっくりで、サンタクロースの橇が夜空を駆ける場面の絵も堀内誠一さんのそれにそっくりだ。心温まる話ではあるが、その点がひっかかった。

日本エディタースクール出版事業部
発売日 : 2003-12
動物に関するロシア民話を集めてあります。
ペテルブルクで訳者の留学仲間だったというフィリップ・キイーさんの絵はちょっと地味ながら上品でいい。

宗教の融和と平和なクリスマスを願うほのぼのしたいい話。でも、難しいことを考えずとも、読んだら優しいきもちになるでしょう。

ハリーも、おかあさんも、サンタさんを信じていたんですね。

お母さんが病気でお父さんがふさぎこみ、クリスマスの準備をしていない家。
その家のねずみがねこのおかみさんに「何とかしよう」と呼びかけて、サンタクロースを迎える準備をします。
ねことねずみのクリスマスの話はビアトリクス・ポターの『グロースターの仕立て屋』を思い起こさせます。
このねこのおかみさんはなかなか有能ですが、言われるまでは暖炉の前でのびて寝ていたんですね。
手柄はねずみに譲り、控え目なところもいいです。
目覚めたお父さん、しっかりしてくださいよ。

『うさこちゃん』のブルーナによるクリスマス物語。
横長の判で、いわゆるブルーナ・カラーから外れた茶色・深緑・グレーなど彩度の低い色遣いが目立ちます。
しかし、シンプルな造形はそのままで、優しく静かにキリスト降誕の福音を伝えます。

パラパラ漫画にちりちりと鈴がついています。さあ、皆練習してうまく鈴が鳴らせるようになりましょう!知人に贈ったら、彼女は慰問に行った養護施設で子どもたちに喜ばれたので置いてきたという。そうしてもらって嬉しい。

クリスマスは皆幸せになることになっている。

クレア・ターレイ・ニューベリー文・絵光吉夏弥訳大日本図書1988年刊
カチャーノフの大傑作アニメーション「てぶくろ」のねこバージョンみたいで、こういう話には私はめろめろです。
シャムもいいけど、白黒ねこも可愛いぞ!

現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』。
でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいと思うので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーションによくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。
なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。

なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(1月6日)です。
(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)

現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』。
でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいと思うので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーションによくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。
なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。

なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(1月6日)です。
(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)

日本では今年上映されたスヴィエラークの人形劇(アニメーションではないようだ)映画「クーキー」にも、善きことをしようという意思を持つおもちゃ・縫いぐるみらが登場するが、ロダーリのおもちゃたちはより貧しく虐げられた者たちに寄り添っているように思えますね。 特に今わの際の老女と共にあろうとする人形に心打たれました。
これぞクリスマス精神!
絵が少々残念。

サンタさんをお手伝いするろばのお話。
『くろうまブランキー』に似ているかも。

有名な『てぶくろ』の同画家によるリメイク。
リメイクというと大抵はオリジナルより評判が悪いものだが、これは稀有な例外で、あっさりして上品な味わいのある素敵な絵本に仕上がっていて、これもまたよし、との評価を受けています。

クリスマスないし冬の絵本としては、これは定番中の定番かなあ。

天に召された友人に思いを馳せつつ・・・。

シメリョフ、テフィ、ブーニン、ゾシチェンコ、ナボコフ、チョールヌイ、ドストエフスキイ、ソログープ、グリーン、クプリーン、チェーホフ、ワグネル、レスコフ、と錚々たる顔ぶれのクリスマス物語集。
アレクサンドル・ベヌアの絵の表紙がおしゃれ。
CD付きも販売されているけれど、表紙のデザインはCDなしの方が好き。

未知谷のチェーホフ・コレクションはどれも宝物になる。絵を描いたタバーフは世界的アニメーター、ノルシュテインの愛娘。
ヨールカ(樅の木)に飾り付けしている絵のカードが欲しいなあ。

2015年6月21日日曜日

EUフィルムデーズ2015

アイルランド・ラトヴィア等々観にいけなかったのが多くて恨めしい。
版権の問題等で難しそうだが、過去上映のEUフィルムデーズの作品を改めて観る機会があったらよいと思う。
今回、ハンガリーとポーランドでそういった特別プログラムがあって、これは偶々どちらも既に観ていたので”見逃していたものに出会える幸運”には与れなかったが、こういう企画は良いと思う。
と思う一方で、今回作品を出さなかった国(イギリス・ルーマニア等)がありながら、二枠とっている国(ベルギー・ポーランド・ハンガリー)があるのは腑に落ちないということも。
理想と言うと、全ての加盟国が出品してほしいし、出すからには日本語字幕をつける、最低でも解説をつけることをしてほしい。
それに加えてアーカイブを観る機会を作ってほしい、という贅沢な要望を持っている。

※「イーダ」と「パンク・ロック・シンドローム」は既に観ていたのでここでは感想を記さないが、お薦めであることは変わらない。

「ザ・レッスン」。
ブルガリア映画で、甲斐性のない夫のこさえた借金に苦しめられる小学校教師の話。ポーランド映画の「借金」にも似ていて、原始資本主義の亡霊があの辺を徘徊しているのが見えてきて心が苦しくなる。生徒たちの心も荒んでいるようである。そういえば数年前、老夫婦が非常手段に訴えるハンガリー映画も観たような…。
直前にアテネ・フランセでメドヴェトキンの「幸福」にてダメ夫と働き者の妻パターンを観たばかりだった。ダメ夫、しかし子煩悩なんだ。
東京国際映画祭では観られなかったので、ここで観られて良かった。

「マコンド」
ウィーン郊外の移民たちの住む集合住宅、主人公は「あの日の声を探して」の子をもっと表情豊かにしたチェチェン人少年。可愛いけど、難しい年頃で結構ワルなんだね、この子が。
ここにもチェチェンのコミュニティーがあり、やはり皆さんで踊るシーンが(少年くんは踊らないが)ハラショー。
「マコンド」が何に似ているのか思い出した。ダルデンヌ兄弟の「息子のまなざし」だ。擬似的な父子関係のぎこちなさ。家父長社会において小さな男の子が家長役を担わねばならない息苦しさを感じる。まだだめとなると、一家の長となるべき人を周囲があてがってくる。
移民街の少年たちの社会では、何となくムスリム(西アジア・カフカス)とアフリカ系が緩く対立している感じ。


「タンジェリン」エストニア+グルジア
中心人物4人の俳優それぞれがいい雰囲気。そこにアブハジア人が入っていないのは残念だが、グルジア人監督としてはアブアジア紛争を描くにはこれがぎりぎりだったのだと思う。アブハジア人が言ってしかるべき台詞をグルジア人兵士に言うのはチェチェンの契約兵士
アニメーション以外のエストニア映画はEUフィルムデーズで何本か観たがやっと何とか観賞に耐えるのが来た感じ。それが「タンジェリン」。敵同士一つところに居合わせて反目しつつという設定は「ノーマンズランド」その他よくあるものではあるけれど。
EUフィルムデーズ今日観た「マコンド」「タンジェリン」ともチェチェン人が登場。「タンジェリン」はグルジア人監督のエストニア作品。エストニア人、グルジア人、チェチェン人。アブハジアが舞台ながらアブハジア住民は出てこない。兵士達がちらりとだけ。
今年のEUフィルムデーズのベスト作品。
連休中に観た「マックスへの手紙」で、アブハジア人マックスの「隣近所に住んでいたグルジア人には何の恨みもないが、突然グルジア軍が攻めてきて戦うしかなかった。こうなった以上もうグルジア人と一緒には暮らせない。難民になったグルジア人の人たちは気の毒だと思う。でももうソ連時代には戻れない。戻れたらどんなにいいかと思うが」という言葉(←正確な再現ではない)を重く思い出す。アブハジアでも南オセチアでも、そしてドンバスでも、そうなってしまったのはいったいなぜ?
戻れない、が、それでも殺しあわずに生きていかなければいけないのだ、人間は。
まずは他人の言葉や信じるものを奪うことがあってはならないのだ。

「小さなバイオリニスト」オランダ
ほのぼのと、いいお話だった。主人公はサッカー嫌い少年(お父さん曰く「オランダの男なら、やっぱサッカーだろ!」)、友達は移民系、という点が後述のチェコ「海へ行こう!」と共通。家族の秘密を探ってしまうという点でも同じか。

「メイド・イン・ハンガリー」ハンガリー
初めて観るつもりだったのに、最初のコンサート場面であれ、観たことあるじゃん!と気付いた。
でも、冒頭のパスポートコントロールのところでまだ当時は強豪だったハンガリーサッカーのコネタがあったことは忘れていた。
 写真ぼけぼけだけど、一部でイケメンとの評判の高い「ハンガリー大使館人質事件」及び「メイド・イン・ハンガリー」主演俳優サボー・キンメル・タマーシュさん。
ぱっちりした瞳でかなりの童顔。映画でも可愛い系の顔だと思うが実物もそうなのだ。

「メイド・イン・ハンガリー」は社会主義政権下で禁制の音楽に挑む青春映画、しかも実話基にしてあるということでシャフナザーロフの「ジャズメン」ハンガリー版。チェコの「レベラブ!」にも似ている。まあまあ楽しめるミュージカル映画。 面白くはあるが、主人公ミキはアメリカ帰りをこれみよがしにひけらかす厭味な子(ほんと大人気ないんだ)だし、ルネーは悪い奴(犯罪者)だし。
ここまで単純なアメリカ文化信仰は観ていて恥ずかしくなる。
2012年に観た時よりも、ずっとずっと強く、映画最後のミキこと実物ミクローシュさんのステージ「メイド・イン・フンガ~リヤ!」にじ~んとした。なんかジュリーみたい。
しかし、皆ミュージカル好きだね~。ハンガリーもチェコもソ連も。
タイトル(邦題)はメイド・イン・ハンガリーであり、主人公がライバルから申し渡される”自前の音楽をやれ”的メッセージ、それはミクローシュさんの歌うこの歌の歌詞にもあって、ミクローシュさん自身ここから変身して大スターになったと思われるが、私が観たかったのはまさにその部分、アメリカンポップスのコピーから自国の文化に昇華していく、主人公の成長の過程だったのだが…。

「サンタ」リトアニア
残念な出来だった。要らない登場人物やエピソードが多くて、映画がとても長く感じる。でもそれらがないとありきたりの駄作になるだろうし、悩ましい。フィンランドの懐メロポップスは好き。
やっつけでも字幕を入れたことは大評価する!アーチュー!

「海へ行こう!」チェコ
ズウ゛ィエラーク調で楽しかった。新鮮さはないもののツボは押さえている。若さと器用さがうまく調和している。でもオランダ作品といいこれといい、サッカー辞めたい少年続出は気になる現象。


特別プログラム「ポーランド記録映画の世界」
あら、これも既に観たことあった作品だったよ。
「駅」クシシュトフ・キェシロフスキ
「私の叫びを聞け」

体調不良でつらかったのもあるが、二回目でより理解が深まったかと言うと、そうも言えない。
が、幸運なことにアフタートークで映画評論家のミハウ・オレシュチクさんの的確な解説があった。
ミハウ・オレシュチクさん(左)

渋谷・映画美学校 EUフィルムデーズ関連企画「ポーランド映画の作家たち キェシロフスキとザヌーシ」
クシシュトフ・キェシロフスキ「煉瓦工」「ある党員の履歴書」「種々の年齢の七人の女」
クシュシュトフ・ザヌーシ「現代音楽家クシュシュトフ・ペンデレツキ」
あー、もうみんなクシシュトフだ。

渋谷・映画美学校特別講義(EUフィルムデーズ関連企画)映画祭プログラミングディレクター対談「EUと映画」

 渋谷・映画美学校特別講義(EUフィルムデーズ関連企画)映画祭プログラミングディレクター対談「EUと映画」に観客として現れたイジー・マードル監督(右から2番目)。「海へ行こう!」の監督さんね。俳優出身だという。
チェコセンターの映画界にも現れていたという。精力的な方だ。
左から、東京国際映画祭の谷田部吉彦プログラミングディレクター、グディニャ映画祭アーティスティックディレクターのミハウ・オレシュチクさん




ポーランド国内の映画作品の権威、グディニャ映画祭の新しいトロフィーの説明図
最高賞は金獅子賞(どっかで聞いたことあるねえ)
それにちなんで2頭のライオンがついているのだが、
何と万華鏡になるトロフィーだ!!!
しかもちりばめられているのがバルト特産の琥珀だという。
オリジナリティー&遊び心に溢れるトロフィー。
国内映画の映画祭故、ポーランド人じゃないと貰えません。

対談の内容も非常に有益だったのだが、私はこのトロフィーに感動しました。


よき映画の宝庫というと東のイラン、西のポーランドだが、ポーランドがなぜ傑作を送り出し続けてきたのかは、オレシュチクさんのお話で少しわかったような気がする。(イランの方は昨年講義を聴きに行ったがわからなかった。)
政治の面ではどちらかというと迷走しているポーランドだが、文化の面ではぶれずに次世代を育て続けているのは素晴らしい。

対談ではEUの中で注目すべき国はどこかというので、お二人ともルーマニアを挙げていたが、今回は出品なし。それと私自身は日本に紹介された最近のルーマニア作品はそれほど感銘は受けていない。

日程の後半に入ると、ゲストの登場やアフタートークなどもなく、淡々と上映が行われる。私自身は所用で予定していたスロヴァキアやスロヴェニアの作品は観に行けなくなった。これらは映画字幕ながら解説のハンドアウトが配布されたそうだ。

が!

「ヴィザヴィ」クロアチア
日本語字幕なしで解説ハンドアウトなし、上映前後の解説もなしと不親切ぶりが最悪クラス。作品自体は良いのかもしれないが(役者さんたちはよさげだった)ほぼ会話劇なので字幕なしで理解したとは言えず、ただただ残念だった。で、これ、コメディーだったの?

「西という希望の地」ドイツ
東独から西独への移住は難しいようで不可能ではなかったのか。まあそりゃ不快な思いはするだろうさ。息子が収容所で最初に打ち解けるのがエレーナというたぶんロシア人一家の娘、ヒロインの友達となるのはポーランド系のチェリストの女性。黒人の審問官の存在がなんだか不自然だった。
一家で亡命・難民収容所ものとしてはマノイロヴィチが精力的おじいちゃん役で出ていたブルガリアの「さあ帰ろう、ペダルをこいで」(EUフィルムデーズ上映時のタイトルは「世界は広い―救いは何処にでもある」)の方が無理なく楽しめた。

「ある海辺の詩人~小さなヴェニスで」イタリア
これは劇場公開時に見逃していたもので、ここで拾えてよかた。
ヒロイン、シェン・リー、友人リャンの表情が細やかでさすがだ。イタリアのおじちゃんたちも微笑ましい。中国人経営者もすごーくブラックなわけでもないようでほっとした。映像が美しい。さすがに一般公開された作品だなあと思う。

「コールガール」スウェーデン
何とも言い難いな。なぜ政治家たちは昔の極悪代官様のようなことをあからさまにやっているのだろうか?何それおいしいの次元の疑問。

「パッション」「アリーナ」ポルトガル
2本ともカルロト・コッタ主演で、ポルトガルらしく狂った映画だった。
コッタは暗いまなざしの濃い系の美形俳優で、彼あってのこの作品だったのだろう。彼が憂える場面の面持ちと肉体美を愛でる、という意味で。
そういう予感がしたので、それだけでは観る気になれなかったのだが、『売女の人殺し』へのオマージュではないかとも思って観に行ったのだが、サッカーネタはなし!ほぼ一切なし!「アリーナ」の方もなかった。

「ハンガリー大使館人質事件」
某イケメン、タマーシュさんこちらでも主役級。もう一人の犯人役の人も素敵だった。が、よくわからん。ハンガリー人には自明なのかもしれないが。大使の言葉の放送は実際のものだったのか?だとすると、あれだけのことを言ってお咎めなしか、謎だ。
いわゆるハンガリーの56年物(これはその2年後の事件)は、どれを見ても展開がミステリアスである。

エストニアにようやく観る価値のある映画(アニメーション以外で)が現れたのが嬉しい。
ま、監督はグルジア人で、グルジアはよき映画人を輩出してきたところだから当然よいものになるが。
リトアニアはフィンランドに依拠したような作りだったが今ひとつ。
ラトヴィアは未見。


2013年1月3日木曜日

真珠の耳飾りの粉屋の女房

録画したままになっていた映画「真珠の耳飾りの少女」を観た。
あの、スカーレット・ヨハンソンの。
ヨハンソンは、意味不明に口を半開きにして(たぶん演出なのだろうが)、あまり利発そうには見えなかった。
フェルメールの絵を再現したかのようなシーンの数々は楽しめた。

ちょうど未知谷の『猟人日記抄』(工藤精一郎訳)収録の『エルモライと粉屋の女房』を読んだところだったので、女中さんの立場にひしひしと共感を覚えてしまった。
映画の中のフェルメールはおそらく芸術至上(自分の作品に関してだが)のおっさんだったが、トゥルゲーネフが表した農奴たちへの労わりの視線、というより彼らに相対する貴族たちの酷薄さ・醜悪さ・愚かさへの視線はやはり画期的だった。

『猟人日記抄』Из рассказов и очерков Записки охотника
ホーリーとカリーヌイチ
エルモライと粉屋の女房
リゴフ
ベージンの草原
クラシーワヤ・メーチのカシヤン
狼(ビリューク)
あいびき
生きたご遺体
音がする!


2012年5月4日金曜日

ユーロ2012出場国紹介②グループB

Группа ВグループB
今更ながら、何という大変な組合せでしょう。

ГОЛЛАНДИЯオランダ
♪本
オランダ文学については疎いことを、昔のブログに書いていた。
FWはジュブナイルで。

♪映画
「ブラック・ブック」
掛け値なしにおもしろい。
あと、ミヒャエル・バラック似のセバスチャン・コッホが素敵です。

かつては質実剛健を絵にかいたようなオランダ映画でしたが、最近は娯楽性の強い作品も目立っています。
「最近のオランダは違うよ」参照。)

サッカー映画では「オール・スターズ」
オデッサ・スタジオでも書いたが、地味でも外れが少ないのがオランダ映画なのです。

ДАНИЯデンマーク

♪本
アンデルセン以外には、これしか読んだことはない。
マルティン・アンデルセン・ネクセ『ペレ』
映画にもなった小説ですが、デンマークのプロレタリア文学、だそうです。
言うまでもありませんが、サッカー本ではありません。
♪映画
上記小説を映画化した「ペレ」
私がお薦め作品として挙げると、そのたびにサッカー少年の話かと誤解されるが、違います。
美少年ものにカテゴリーした方がいいでしょう。
この映画の主役ペレを演じたペレくんは、その後「フォーリン・フィールズ」というマニアックな問題作に出演しています。

サッカー映画では「幸せになるためのイタリア語講座」
サッカーファンのフィン君が臨時講師をすると、案の定…なのであった。
後半はややありきたりのラヴコメ風になってしまうが、講座受講メンバーの、地味で悲惨とも言える日常を描いている前半にこそ味わいがある。

ГЕРМАНИЯ ドイツ

♪本
『遺失物管理所』が好き。
主人公のヘンリーくんが魅力的。
アマチュアアイスホッケー選手です。
で、本業は駅の遺失物管理所の下っ端。
実は偉いさんのコネありだけど、浅見光彦ではない。
サッカー関連では
・『ナチス第三帝国とサッカー――ヒトラーの下でピッチに立った選手たちの運命』
良い内容(ベッケンバウワーをはじめドイツサッカー協会の人たちの言動には軽く呆れるが)です。
決して読みやすくはなく、訳しないしてほしい箇所もだいぶありますが。
・『ドイツ文化史入門―16世紀から現代まで』

♪映画
近年のものでは「善き人のためのソナタ」が出色だった。

サッカー映画では
「ヴィーナス11 彼女がサッカーを嫌いな理由」
「ワン・デイ・イン・ヨーロッパ」
「ベルンの軌跡」(これは特にお薦めではない)
などいろいろあり、イングランドと並んでサッカー映画大国と言えるでしょう。
これから公開されるDer ganz große Traum(原題)(限りなく大きな夢)にも大いに期待しています。


ПОРТУГАЛИЯポルトガル

♪本
まずい。
殆ど読んでいないわ。
ポルトガルだけではなく、南欧諸国全般に疎い。
今後、スペインやイタリアがどうなるやら。
ひとまず、ポルトガルについては、市之瀬敦先生の『ポルトガル革命のコントラスト――カーネーションとサラザール』 を挙げておこう。
訳された文学はどうやら一冊も読んでいない。

♪映画
オリヴェイラ一択だ。
「永遠の語らい」

こういうことをやっていて、いつもだんだん長く書くようになってしまうのですよね。
グループAは簡単に済ませたけれど、Bにきてこんなに長くなった。

2011年12月21日水曜日

グースさん

ワインの名産地へ。

СМИ: Хиддинк договорился с «Анжи»

スポルト・エクスプレスではこれ。
В Голландии считают, что Хиддинк уже возглавил "Анжи"

アンジがここまでメンバーの割にはぱっとしないのは、やはり監督のせいだった、というのだろうか?
ヒディンクさんはアンジを変えられるのか?

ソフスポルトはクラスノジャンさん推し。
こちらの方が困るな。
元ロコモチフの監督で現ロシア第二代表監督。
ロシア-2はどうなるのだ?
Красножан – новый тренер «Анжи»

どちらにせよ、この数日間、このお二人に絞られている、と各所で報じられています。




2011年4月23日土曜日

首位アレクサンドリア

セルゲイ・プロコフィエフの誕生日。
今年は生誕120周年のメモリアル・イヤー。

昨日、オデッサは首位アレクサンドリアに0-2で負けていた。
連敗。
ホームだったのに。
アレクサンドリアにはアウェイでも負けている。
暫定2位のままだが、3位グループが勝ち点2差で、それらが今日明日試合をすると一つくらいは勝つだろうから、オデッサは昇格圏から落ちてしまうか。
ここからが正念場だ、フペリョート、チェルノモーレツ!

大きいジーマこと、デン=ハーグのドミトリー・ブルィキンは昨日の試合でも得点。
得点ランクトップと並ぶ、今季19点目。
オランダのトップリーグでベテランロシア人プレイヤーが得点王とか、考えると「胸熱」って言いたくなりますね。
代表に呼べよ、ディック。オランダ人なのにオランダの試合観てないのかよ。
と、思うのであった。
(ちなみに試合は1-2で負けました。)

コッカーこと、ハノーファーのコンスタンチン・ラウシュは3点目をダイビングヘッドで入れた。
今季はほんとうにのっている。
チームも暫定3位、CL圏だ。
自身今季4点目。
カーリャに分けてくれ!

(続く)