2022年12月25日日曜日

谷間の時代・一つの青春 祖母の青春

驚いたことに、この本の紹介をある機関紙に載せた直後に、著者のご遺族から追加のご寄贈をいただいた・・・。なんという偶然。

仮名で祖母も登場するが、祖母自身からはこういう話を聞くことはついぞなかった。
この時代の追想というかメモ書きが数枚残る。

2022年11月17日木曜日

録画メモ:アンチグラビティ/ファイヤー・ブレイク~炎の大救出/ナワリヌイ

 以前、ロシア文化に詳しいIさんに紹介していただいたファンタスチカ系のロシア映画「アンチグラビティ」、劇場公開の頃は忙しく見逃していた。

「ファイヤー・ブレイク~炎の大救出」も同じころやっていたのだろうか。こちらも未見。

「ナワリヌイ」追加ダビング。(2022.11.18)←普段ナヴァリヌィ表記なので違和感ある。まあ、アメリカ映画なので仕方ないな。

ナヴァリヌィは、沼野恭子先生が人気ブロガーとして紹介していた頃は少し期待したけれど、差別主義的な面が明らかになるについれ、幻滅。しかし、プーチンはなぜこんな小者に執拗に弾圧するのかしらん、弾圧すると余計殉教者的な位置づけを与えるんじゃないかしらと思ってきたけれど・・・。


2022年10月25日火曜日

ナカニェッツ・・・ガガーリン!

 ロシアの星、というよりソ連の星なんだと思う。

ユーリー・ガガーリンをめぐる実在・架空の20名ほどの人間模様の短編連作(どれも●●●●年4月12日となっている)。
冒頭のアメリカに移住した元医師とその孫のエピソード(2011年)、ガガーリングッズのコレクターと同じアパートの女性研究者のやりとり(1963年)など、架空の人物のパートがおもしろい。実在人物、特にチトフのパートは少々精彩を欠く。
フランス文学でソ連が舞台のものは『四人の兵士』がお気に入りだが、この作品もまあまあかしら。 
ガガーリン像

2022年10月23日日曜日

録画メモ:モロッコ/天国にちがいない

 アラビア語圏の2本

*モロッコ、彼女たちの朝

去年8月の公開時は見逃していた。シャンテでやっていたのか。

*天国にちがいない

こちらはフィルメックスで観た。そのときのつぶやき

公開時にはパンフレット購入。


2022年10月5日水曜日

録画メモ:生きろ 島田叡~戦中最後の沖縄県知事


*米軍が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯 2019年
は「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」2017年の続編

*生きろ 島田叡~戦中最後の沖縄県知事 2021年

監督はいずれも佐古忠彦さん

メモ:2021年





オデッサ海岸通り: カリスマ、カメジロー: 南アフリカ、反アパルトヘイトの闘いで言えば、マンデラ氏にあたるのではないかと思うが、瀬長亀次郎さんが国会議員だった頃のことはおぼろげながら覚えている。 マンデラさん以上に尊敬するのは、非暴力であり、法に則った闘いを、ずっとずっと粘り強く続けたこと、そして沖縄の人々がそれを支え...

伊藤千代子の本

 映画のパンフレットもよかったが、原作ともいえるこの本がかなり詳しくていい。

2022年9月27日火曜日

大人が読みたい平家物語 川本喜八郎の世界

 

『人が読みたい正史 三国志─川本喜八郎、人形に魂を込めて』を6月に買ったが、これも即買いした。

日本のTV人形劇操演のレジェンド中のレジェンド、伊東万里子さんのインタビューが捲ってすぐのページに来ていて感激し、さらに伊東さんが父の名をわざわざ挙げてくださっていて感無量(父は決してたいした操演者ではなかったのに)。

川本喜八郎さんの人形がふんだんにあしらわれた美しい構成は勿論、平家物語とその周辺の文学、及び関わった人たちゆかりの地を現地取材されて書かれた記事が丁寧で読みごたえがある。『時空旅人』の看板に偽りはない。
青梅の吉川英治記念館は、川本喜八郎の人形の展示があったときに訪ねて、その後惜しまれつつ閉館になったと聞いたが、昨日上永哲矢さんのtweetで取材されたことを知り、え?休館中の当地を訪ねたの?と思っていたら、記事を読み、20019年閉館の後、2020年に青梅市に振興会から青梅市に寄付されて再開館していたことを知る。嬉しい悲鳴!再訪しなければ!
もちろん、川本人形が常に展示されている渋谷ヒカリエの人形ギャラリー、飯田市の人形博物館、関門海峡ミュージアムの紹介もある。

2022年9月25日日曜日

ビルケナウ、リヒター

ゲルハルト・リヒター展、図録があまりに分厚くて読み直す自信や我が家のスペースやいろいろ考えて購入を断念し、その代わりに買ったのがこれ。

ゲルハルト・リヒター 《ビケルナウ》という到達点

カルチュア・コンビニエンス・クラブ
発売日 : 2022-06-07

『ビルケナウ』の会場では、ロズニツァの「アウステルリッツ」で観た光景が目に浮かぶ。作品と、それを鑑賞・見学する私たち”観客”。
あるいは、カウナス郊外第9収容所。あれこそ『アウステルリッツ』(ロズニツァではなくゼーバルトの)に出てくるシーン。


2022年9月18日日曜日

ジャンニ・ロダーリの『キエフの月』

 

ジャンニ・ロダーリは大好きな作家のひとり。この本の巻末の作家紹介には「ジャーナリスト」としか書いていないが、共産党の機関紙の記者だった。
バレエ化された『チッポリーノの冒険』が有名だが、私は『青矢号』が大好きでクリスマスに贈りたい本のリストにも挙げている。

『キエフの月』
日本語の訳はイタリア語の原文に忠実なようだ。
Chissà se la luna
di Kiev
è bella
come la luna di Roma,
chissà se è la stessa
o soltanto sua sorella…

“Ma son sempre quella!
– la luna protesta –
non sono mica
un berretto da notte
sulla tua testa!

Viaggiando quassù
faccio lume a tutti quanti,
dall’India al Perù,
dal Tevere al Mar Morto,
e i miei raggi viaggiano
senza passaporto”.

ところが、ウクライナ語訳は
Чи місяць над Києвом
Сяє так само
Чудово,
Як сяє над Римом,
А може, й ясніше стократ?
Чи місяць над Києвом —
Місяць той самий,
Що сяє над Римом,
Чи, може, не він там,
А тільки
Місяців брат?

А місяць, розсердившись,
Хмариться, —
От ще питання! —
Й відказує так:
«Я всюди той самий,
Бо я ж таки місяць,
А не якийсь там
Нічний ковпак!
Я всюди буваю,
Скрізь блиск розсіваю,
Проміння усім розкидаю
Перу, й Парагваю,
І Кубі, й Китаю,
Я в Польщі й в Панамі,
В Канаді й В'єтнамі,
Мій кожен промінчик
Несе свій пломінчик
Куди тільки сам захотів,
Промінню й кордони
Не перепони —
Обходиться без пашпортів
(Переклад Григорія Кочура та Миколи Лукаша)
ポーランドとかカナダとかベトナムとかが創作されている???
そしてロシア語では
Чья Луна?

-Ты слышал - в Киеве Луна
Прекрасна, точно в Риме?
-Она, должно быть, не Луна,
Хоть носит это имя.

А может, в Киеве видна
Сестра Луны, а не Луна?...

Луна в ответ сказала так:
-Да что я вам, ночной колпак?
Нет, я для всех сияю.
До рубежей мне дела нет.
Дарю Парижу ясный свет,
Каиру и Шанхаю.

Глажу на Кубу и Тунис,
И мне в пути не надо виз!
やはり原文に忠実ではなく、地名が差し替えになっているのが謎。

実のところ、タイトルにはあるがキエフもウクライナも、あまり意味付けはない(キエフじゃなきゃいけないわけではない)というか、なのでウクライナ語訳やロシア語訳では原文にはない地名が登場してきたりするのだろう。

「わたしはわたし」ときっぱりという月の言い分が
「あなたのナイトキャップではない」
なのが何ともおかしい。
毎夜違うキャップを被るの?

2022年9月17日土曜日

現代ロシア演劇 (水声文庫)

 


ペレストロイカの時代から2020年以降のコロナ禍、ほんの半年前のウクライナ侵攻に関するロシア演劇界の動向まで、詳細にロシアの演劇について述べられていて、短い時間によくも…と感心するばかり(←偉そうな書き方になって申し訳ない。)必携のロシア演劇紹介本ではないか。
映画との関連やユーゴザーパドについての記述があまりないようなのが残念ではあるけれど。

2022年9月1日木曜日

録画メモ 美術関係 かこさとし・安野光雅・青騎士

 Jcomの機器が故障したっぽいのに加え、レコーダー一体型のTVの調子もだいぶ悪い。

弟から引き継いだ機械だから10年くらい使っていることになるのか。

ディスクの初期化→ダビングが上手くいかず、何枚ものディスク、録画した番組をだめにした。

どうやらもう一台のTVでディスクを初期化→ダビング、なら上手くいくのか。

美術関係の番組

1 プロフェッショナル かこさとし最後の記録 ただ子どもたちのために

2 アートシーン かこさとしのひみつ展

3 あの人に会いたい かこさとし

4 日曜美術館 かこさとし最後のメッセージ 未来を生きるこどもたちのため

NHKのサイトでは「最期」になっているようだ

5 アートステージ 画家たちの饗宴 前衛美術サークル青騎士

6 わたしの芸術劇場 ルートヴィヒ美術館展

7 あのひあのとき エリック・カール






2022年8月11日木曜日

知らなかった、ぼくらの戦争

 ・ちばてつや

・大田昌秀

・三遊亭金馬

・高畑勲

といった有名人をはじめ、強制収容された日系アメリカ人、毒ガス島で働いていた当時の女学生、元海軍特別年少兵、GHQ勤務だった女性、松本楼社長、貴重な体験を、アーサー・ビナードさんがインタビューで残してくださった。


アーサー・ビナードさん、この企画力に脱帽する。そしてこれこそ「聞く力」
戦争にまつわる証言を、身近な人(義母)からさまざまな体験をした、有名無名の方々にしてもらい、残す。
日本人自身がするべきだったとも思う一方、アメリカ側の風潮・思潮も考察されていて、アメリカ人ならではの解説が貴重でもあり、ほんとうに得難い著作となっていると思う。

日本よ、戦後を続けよう。

2022年8月6日土曜日

録画メモ コレクティブ/テーラー~人生の仕立屋/PITY ある不幸な男

* コレクティブ 国家の嘘

選挙結果にぞっとするが、日本でも繰り返した。この映画、上映していたのに、日本では教訓にもならず。二重にぞっとする。

今年のEUフィルムデーズではこの時の火事の翌日の設定のドラマ映画群像劇「近くの他人」をやっていたが、なかなかよかった。

*テーラー~人生の仕立屋

*PITY ある不幸な男


2022年7月23日土曜日

シリアにて、石で語る 『石たちの声がきこえる』

 

シリアに住むアーティスト、ニザール・アリー・バドルさんが海岸で拾い集めた石を組み合わせて表現された「絵」で故郷を戦争で壊され必死で逃れ海を渡り難民となって異郷に辿り着いて自由を得る様子を描く。陸地に着いたときに辿り着けなかった人たちを記憶するために花の種を植える。

この前読み終えた愛しいラフィク・シャミの『ぼくはただ、物語を書きたかったのだ』に溢れる故郷シリアの喪失が、美しい石のアートで目の前に現れる。

日本語訳の下にあるのはアラビア語かと思われるが、訳者の前田君江さんはペルシャ語翻訳者とのことだ。

2022年7月20日水曜日

沖縄戦の絵本 なきむしせいとく

 田島征彦さんはこの本だけではなく、『てっぽうをもったキジムナー』『やんばるの少年』など沖縄・戦争の本を書かれてきていたのですね。


たじまゆきひこ(田島征彦)さんの絵は恐ろしくも美しく、「悲惨な戦争を子どもたちに見せて怖がらせる絵本を創るのではない。平和の大切さを願う心を伝えるために、沖縄戦を絵本にする取り組みを続けているのだ。」との意図は果たされていると思う。

沖縄戦で家族を亡くし体を傷つけられ、物語の終わりでは戦争が終わって10年経ち、1955年。畑をつくってやっと収穫できるようになったところでiアメリカー(アメリカ人)に土地をとりあげられ、軍事基地をつくられてしまう。

「いまはアメリカーに占領されています。/でも、沖縄が日本にもどったら、こんなものは、/すぐになくしてしまうさぁ。」

この一文が何とも悲しく、本土の人間として限りなく申し訳ないと感じる。

録画メモ MINAMATA

MINAMATA

 ジョニー・デップ、「アリゾナ・ドリーム」の頃は可愛かったのよ~と言いながら家族と観る。

正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮

ねこのめ美じゅつかん

2022年7月17日日曜日

現代ロシアの絵本2冊


雲が好きな男の子はやっぱり雲に優しかった。
ふわっと優しい気持ちになる絵本。

大好きな、大好きな、ラフィク・シャミの

 ラフィク・シャミ、お母さんがアラム語話者だと自伝的短編に出てきて、彼自身はある友人との交流を通して学び始めることになっていたけど、実際にはアラム語が母語だったのか。

『ぼくはただ、物語を書きたかった』

モスクワで演劇学を学ぶ夢を持ちロシア語も学んでいたとは知らなかった。これは今まであまり作品に反映していないのでは?


補記:シリアに住むアーティスト、ニザール・アリー・バドルさんの絵本『石たちの声がきこえる』

わが青春のラフィク・シャミ、大好きなシャミ。

刊行されたらすぐに読むつもりだったのに、なかなか読み始められなかったが、やはりもっと早く読むべきだった。

今までシャミの語り口を楽しんできたけれど、そして近年のシリア情勢にシャミの心情は如何にと心痛めていた(つもりだった)が、想像以上に亡命の辛苦が吐露されていて、読み進めるのがとても辛くはあったが、どんどん読み進んだ。

故郷ダマスカスからも、親やきょうだいからも、ずっと引き離されて、帰れない。今更ながらその苦しみを思う。

ドイツにおける、アラブ中東の人々・文化への差別的眼差しを指摘する文章も鋭いながらもユーモアたっぷり。ではあるがそれだけに哀切極まりない。

録画メモ:明日に向かって笑え!

 愛と精霊の家

明日に向かって笑え!

録画メモ 太陽のもとで~真実の北朝鮮

太陽のもとで~真実の北朝鮮

このあと、MINAMATAを同じディスクにダビングしようとしたら、「ストリーム異常」というメッセージが出て録れなかった。

チェルノブイリ 衝撃の真実

夢見た国で~技能十種性が見たニッポン

揺れ衣~闘い続ける余命一年



2022年7月2日土曜日

録画メモ 海辺の彼女たち

 「サンマデモクラシー」

「ちむりぐさ 菜の花の沖縄日記」

この二つは録画しただけで未見。

「海辺の彼女たち」

https://twitter.com/KocmocKocma/status/1388561215325016066

チケットとるの大変だったな。

録画メモ 悪は存在せず/白い牛のバラッド

「悪は存在せず」

傑作。

タイトルどおり悪は存在せず(悪人は登場せず)可愛い猫、犬、狐は登場する。

ユーロスペースでイスラーム映画祭2021→そしてキアロスタミはつづく→フィンランド映画祭、ときてユーロライブでのドイツ映画祭。

https://kirakocma.blogspot.com/2021/11/blog-post_21.html?spref=tw


昨年のドイツ映画祭でやっと観られたのだけれど、予想に違わず全身震撼とさせる力作。そりゃあイラン国内では上映禁止になるだろうなとは思うがそれでも作った野心作だから必見。以前イランの政治囚を担当していたので終始心をずきずきさせながら観た

https://www.wowow.co.jp/detail/175994/-/01



自分のブログで「悪は存在せず」を検索していたら、昔映画祭で観たイラン映画についての記事を改めて読むことになってしみじみしている。平和のための戦争について描いた作品の数々。

オデッサ海岸通り: 川の向こう、隣の人たち

https://kirakocma.blogspot.com/2014/08/blog-post_57.html?spref=tw


白い牛のバラッド、いい映画だと思ったけど、これはもうイランでは上映されないでしょってあからさまで、国内で見せる気最初からなかったのでは?イランじゃなくても成り立つ話だった。

https://twitter.com/KocmocKocma/status/1507954344645128196







2022年6月14日火曜日

録画メモ 聖なる犯罪者/ペトルーニャに祝福を

 「聖なる犯罪者」

ポーランド映画祭2020で観た。

聖職者教育、よくわからぬが、犯罪歴あるとアウトなんですかね。

イエスの弟子には危なっかしい人もいたし、モーゼは殺人を犯しているし、それこそ宗教で救って更生に繋げた方がよい気もするが。神父は無理でも教会関係の補助職ならどうなのだろう。”健康な人に医者は要らない”とイエス様はおっしゃっていたではないか。

ずっと前にチェコ映画祭で観た「ホレム・パーデム」の中に出てくる、警官を目指していたのにフーリガン行為によってその道を絶たれスタジアム入りさえ禁じられて、夢破れて壊れた生活にはまっていく若者を思い出してしまった。

いずれにせよ、主人公を演じた若手俳優の熱演に支えられている。アルトゥール・スモリヤニノフ君タイプだと思う。



「ペトル―ニャに祝福を」

岩波ホールで鑑賞。「ビフォア・ザ・レイン」のザミラ役の女優が助演か。とても懐かしい。

若い女性が閉塞的な社会の中でもがきながら生きていく話だが、昨日EUフィルムデーズで観たクロアチアの「アレクシ」よりは階層がずっと下で人生上手くいかなさも輪をかけている。だから応援もしたくなる。とはいえ「そこまでやるか???」という面はあるが。

2022年5月20日金曜日

ナショナルな欲望のゆくえ: ソ連後のロシア文学を読み解く

 

ロシアのポストモダンをはじめソ連時代~2010年代の文学史概観。
大急ぎでなんとか読み切った。
 例えば、とにかく読後感の悪かった『図書館大戦争』
→https://booklog.jp/edit/1/4309206921
作者のエリザーロフは、インタビューによるとかなりのソ連推しなのだが、
「負の面を含めたソ連の遺産を多く引き継いだロシアとは異なり、独立とナショナリズム運動によって非ソ連化が急速に進んだウクライナで成長したことで、彼の記憶の中の理想的なソ連像はさらに強化されたのかもしれない。」
「ロシアを敵視するヨーロッパに対する不満を述べ、ウクライナに対しても”好きなだけ自身のヨーロッパ性を口にすればいい”と批判的だ。」
今現在、エリザーロフの立場は・・・。



2022年5月17日火曜日

『インフル病みのペトロフ家』公開記念・無料オンラインレクチャー <ロシア・ウクライナ・ベラルーシ映画の知られざる世界 ―今こそ知りたい現状と今後―>

 アーカイブ視聴してのメモ書き

ロシア・ウクライナ・ベラルーシ映画の関係


ウクライナ気候がいい→オデッサに映画スタジオ キラ・ムラートヴァ

ベラルーシ ほぼロシア語映画


ロシア映画の多様な世界

・セレヴレンニコフ ウクライナ人母

・多民族性

・神聖なる一族24人の娘たち マリ・エル共和国 マリ語

・マヤ タジク人労働者の映画

・キットボーイ チュクチの映画

・鳥のミルク モルドヴァ・ロシア映画 沿ドニエストル ロシア語

・Give Me Liberty ロシア人監督 アメリカのロシア人移民 介護施設のドライバー

サハウッド(サハ=ヤクート映画) 国内の賞をとっている。

寒いので映画館好き

資金豊富

フォークロアが豊か 口承文化

ソ連解体後、各共和国の公用語で作られる

・私の殺し屋 2016年

・カラス 2020年 


ウクライナ映画オールタイムベスト100

2013年以降のウクライナ事情を反映

2014.5 オレフ・センツォフ監督がロシアに拘束→人質交換で解放

2022.2.26 ロシアの映画芸術編集長アントン・ドーリンが反戦の意を表明 ズヴャギンツェフ等参加

3.16ドーリンラトヴィアに亡命

3.18ロズニツァ、ウクライナ映画アカデミーから除名

3.22 ソクーロフ インタビュー動画 誰もこんなことをする権利はない


1.火の馬 忘れられた祖先の影 パラジャーノフ ドヴジェンコの弟子

カルパチア山脈グツール人 ウクライナ語

2.大地 冒頭にひまわり

3.カメラを持った男 キエフ・スタジオ ロシア人?

4.ザ・トライブ

5.レオニード・オシカ 石の十字架1968未

ドヴジェンコの系統

6.ムラートヴァ 無気力症シンドローム 1989未

7.ロマン・バラヤン 夢と現実の飛翔 1989未

アゼルバイジャン生まれのウクライナ人

8.ユーリイ・イリエンコ 黒い徴のある白鳥 1971未

火の馬のカメラマン

グツール人 火の馬に似ている場面 筏下り

9.長い見送り

10イヴァン・ミコライチューク バビロン20 1979未

火の馬の主演俳優

11アトランティス 5/25~リフレクションとともに公開

12ボリス・イフチェンコ 失われた手紙 1972年未 ゴーゴリ原作

13ムラートヴァ 短い出会い 1967年未 長編第1作

14ドンバス

15ミハイル・カウフマン 春

16レオニード・ブィコフ 戦場に行くのは老人のみ 1973年未

17ヴィクトル・イヴァノフ 二兎を追って 1973年未 コメディー

18ダヴィド・チェルカッスキー ヴルンゲル船長の冒険 1976-79年未 アニメーション

19ズヴェニゴラー

20アントニオ・ルクィチ わが思考は静か 2019年未

21ユーリイ・イリエンコ 渇いた者たちの井戸 1965年未

22ロズニツァ わが喜び 2010年未 長編劇映画第1作 ロードムービー

23ユーリイ・グリツィナ varta1 リヴィウ、ウクライナ

varta1はスマホの通話アプリ ドキュメンタリー 2015年未

24ヴォロディーミル・デニセンコ 良心 1968年未 雪解け期

25ニコライ・シピコフスキー パン 1929年未 赤軍帰還兵 検閲で当時公開されなかった

26未来への迷宮 厳しい青年 ローム

27武器庫

28ヴェルトフ 熱狂:ドンバス交響曲 1931年 第1次5か年計画 農業→工業 炭田

29戦火の大地

30イヴァン・カヴァレリゼ プロメテウス 1935年未

タラス・シェフチェンコの作品をモチーフ

31ニコライ・シピコフスキー 身勝手な人間 1929年未

革命→国内線

32フェリックス・ソボレフ 私と他の人たち 1971年未

ドキュメンタリー。心理実験を基にした科学ドキュメンタリー映画

33ユーリイ・イリエンコ イワン・クパーラの前夜 1968年未

ゴーゴリ原作

34イリーナ・ツィリク 地球はオレンジのように青い 2020年

ネット上で観られる。アジアン~のウクライナ特集

シングルマザーと4人の子ども。ドンバス激戦地。長女が映画学校に進学 ドキュメンタリー

35ロズニツァ マイダン 2014年未

36ユーリイ・イリエンコ ヘーチマン・マゼッパの祈り 2001年未

コサック頭領主人公

37ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ 暗闇 2014年未

ドキュメンタリー アトランティスの監督 盲目の母と知的障害の息子

38ロマン・ボンダルチューク 火山 2018年未 低予算コメディー

39ヴォロディーミル・ダフノ エネイダ 1991年未

アニメーション ホメロスのイーリヤスのパロディー作品のアニメ化

40セルヒー・ブコフスキー きみの名前の綴りを書いて 2006年未

ウクライナのホロコーストのドキュメンタリー

スピルバーグのお金

41レオニード・ルコフ 愛している 1936年未

マリウポリ生まれ

42ピョートル・トドロフスキー 戦場のロマンス 1983年

43アブラム・ナロディツキー、ニコライ・ラシェーエフ ブムバラシュ 1971年未

国内戦を舞台にしたミュージカル映画

44オスタプ・コスチューク 生きている火 2016年未

ドキュメンタリー カルパチア山脈 現代

45マルレン・フツィエフ、フェリックス・ミロネール ザレチナヤ通りの春 1956年未

ソ連の雪解け映画の走り フツィエフ監督第1作

46イーゴリ・ミナエフ 1階 2001年未

フランスに移住

47イヴァン・カヴァレリゼ コリーイの乱 1933年未

ポーランド=リトアニアに立ち上がったコサック反乱

48ゲオルギー・スタボヴォイ 2日間 1927年未

正しい人間を描いた作品

49ヴォロディーミル・シェフチェンコ チョルノービリ:困難な数週間の記録 1986年未

チェルノブイリのドキュメンタリー

50ダヴィド・チェルカッスキー 宝島 1986-88年未

51ムラートヴァ 感傷的な警官 1992年未

畑に捨て子、警官が育てる。フランスとの共同制作

52ステパン・コヴァリ 路面電車9番がゆく 2002年未

短編アニメーション

53レオニード・オシカ 海水浴をする女 1965年未

短編 台詞なし

54ナタリヤ・アンドレイチェンコ シャマラ 1994年未

国内混乱 シャマラは人名 メロドラマ ドイツとの合作

55イヴァン・ミコライチューク こんなに遅く、こんなに暖かい秋 1981年未

56ロマン・ボンダルチューク ウクライナのシェフたち 2015年未

ドキュメンタリー 二人の男性が自警団活動

57フェリックス・ソボレフ 地平線への7歩 1968年未

科学実験映画

58ゲオルギー・タシン 逮捕令状 1926年未

59マルク・ドンスコイ 犠牲を払って 19557年未

60ナリマン・アリエフ 故郷へ 2019年未

クリミアを舞台、クリミア=タタール語が出てくる 亡くなった長男を故郷クリミアの亡母の隣に葬るためのロードムービー

61アレクセイ・ミシューリン、ニコライ・リトゥス ガソリンスタンドの女王 1962年未

コメディー 自家用車を持つ人が増えてきたころ

62ロマン・バラヤン 口づけ 1983年未

63ムラートヴァ 3つの話 1997年未

オムニバス

64アンドレイ・ザグダンスキー 夢判断 1990年未

フロイトの心理学に基づいて20世紀を振り返る

65ヴャチェスラフ・クリストフォヴィチ 死の友人1997年未

フランスと合作 犯罪映画

66アルトゥル・ヴォイテツキー 退屈のために 1967年未

ゴーリキー原作

67ミハイル・ベリコフ 崩壊 1990年未

メロドラマの名手の代表作

68カレン・ゲヴォルキャン 海の果てを走るまだらの犬 1990年未

アルメニア人。キエフスタジオ。ウクライナはあまり関係ない。アイトマートフ原作。オホーツクが舞台。アザラシを捌くシーン等生々しい。

69イホル・ストレムビツキー 旅人 2005年未

10分くらいのドキュメンタリー、モノクロ

70アンドリー・ドンチク 酸素不足 1991年未

エドフシナ(ロシア語)軍隊内のいじめを描いた。

71ムラートヴァ、アレクサンドル・ムラートフ われらの清きパン 1964年未

最初の夫との共同制作 ムラートヴァらしさは希薄

72スタニスラフ・ビテュツキー さようなら、シネフィルたち 2014年未

ドキュメンタリー 若いシネフィルたちのうち女性がベルグラードに進学 ウクライナにいても仕方ないし

73アナトリー・スィルィフ セルゲイ・パラジャーノフ 訪問 1994年未

パラジャーノフのドキュメンタリー

74ゲオルギー・タシン 夜の御者 1927年未

75オレシ・サーニン ママーイ 1997年未

伝説上のコサック?

76イェウヘン・シヴォクィニ 道に雪は降り積もる… 1967年未

アニメーション 年号は違う?

77ロマン・バラヤン 猟人日記”狼” 一匹おおかみ

78アリーナ・ゴルロワ 目立った兆候はなし 2017年未

ウクライナ元女性兵士のPTSD

79ナディア・パルファン ヒート・シンガーズ 労働組合合唱隊 2019年

配信している。アジアドキュメンタリー~ 暖房会社の労働組合の合唱隊

80ムラートヴァ 調律師 2004年

81アナトリー・カラシ、ヴィクトル・シュクリン 7月の雷雨 1989-91年未

ドンバスの労働者を撮ったドキュメンタリー

施設が老朽化等の問題あってストライキ実行

82アフテム・セイタブラエフ ソルジャーズ:ヒーロー・ネバー・ダイ(原題:サイボーグ)2017年

アマゾン・プライム ドンバス舞台 空港をロシア系住民から守る 感情を押し殺して職務を全うする兵士たち=サイボーグ

83オレフ・センツォフ ゲーマー 2011年未

ゲームで生計を立てる人たち

過激な発言でロシアに拘束された監督

ロシア語作品の排除主張しながらこれはロシア語

84ヴォロディーミル・・ダフノー コサックのように… 1967-95年未

3人のコサック

85ワジム・イルコフ パパはママのお兄さん 2017年未

国外向けに英語のポスター。ドキュメンタリー。シングルマザー

兄弟(ゲイ)に娘を預ける。

86アルカージイ・ネピタリュク 同行者 2017年未

低予算コメディー

87アレクサンドル・イグナトゥシャ たんぽぽが咲いた 1992年未

地方を舞台にした青春映画

88レオニード・パヴロフスキー いてくれるおかげで 2004年未

オデッサ映画スタジオ。オデッサ愛に満ちた。

89セルヒー・ブコフスキー V.シリヴェステロフ 2019年未

ドキュメンタリー

90ロラン・セルギエンコ 愛の告白 1966年未

ドキュメンタリー

91カウフマン 前代未聞の運動 1931年未

第1次5か年計画

92ムラートヴァ アメリカへの手紙 1999年未

短編

93グリゴーリイ・グリチュル=チェリコヴェル 泣き笑い 1928年未

イディッシュ語 アレイヒム 屋根の上のバイオリン弾き(牛乳屋テヴィエ)同じ原作

94ウラジーミル・サヴェリエフ 追放者 1991年未

1941年舞台ユダヤ人の逃亡生活 ドイツとの合作

95ウラジーミルデニセンコ 夢 1964年未

タラス・シェフチェンコ作品をもとに

96バビロン13 武器よりも強く 2017年未

監督グループ 2014年以降ビデオクリップ発表 ロシア支配に抗する マイダン革命について

97ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ ブラック・レベル 2017年未

長編劇映画第1作 普通の中年男性の日常生活 台詞がない ボルダリング趣味なのにできない

98ロズニツァ やさしい女 2017年未

ドストエフスキー原作 現代に移して カンヌで受賞

99 フェリックス・ソボレフ 生物圏!認識の時 1974年未

科学実験ドキュメンタリー

100航空都市

ドヴジェンコのトーキー


すべては燃えている 2014年 オレクサンドル・テクンスキー他

ユーロマイダンのドキュメンタリー

デモ隊が暴徒化する様子 女性は冷静だが

→オールタイムベスト100には入っていない。除外?

アジアン~で配信


ムラートヴァ モルドヴァ生まれ ロシア人の父 ルーマニア人の母

母が外国映画検閲委員で職場によく連れて行っていた

編集 台詞と映像の両面で繰り返し

遺作 永遠回帰



知られざるベラルーシ映画

ワレンチン・ヴィノグラードフ 東の回廊 1966年未

映像が斬新 ドイツ表現主義

ユダヤ人を放水して溺れさせる

反戦映画

昨日ロシアの映画館でかかっていた

ヴィクトル・トゥーロフ 私は幼年時代に生まれた 1966年未

Я родом из детства

雪解けの時期 映像が美しい

炎628

スタフ王の野蛮な狩り

ダリヤ・ジューク クリスタル 2018年

ガラス製品 ベラルーシ特産物 アメリカに行きたがっている


ロズニツァ ベラルーシ生まれ、ベラルーシでも1本とっている



ウクライナ侵攻を受けて3か国の現状と今後

ロシア

この時期に戦争映画の新作公開

ベルリン上空の両翼

最初のオスカー

ソクーロフの教え子 カンテミール・バラーゴフ 戦争と女の顔

経済制裁で国外作品枯渇(ハリウッド映画上映できず)、レパートリー不足→旧作上映、人気ユーチューバーの番組流す

映画館は夏までに半減?


ヨーロッパの解放

1941年 モスクワ攻防戦 80年目の真実 2020年

タルコフスキー生誕90周年回顧

文化人アパート1階の映画館イリュジオン

「タルコフスキー。ストーカーのゾーンで」

・アレクサンドル・ゼリゴヴィチ 標的 2010年未

・アレクサンドル・ロゴシキン 第三惑星 1991年未

・アレクサンドル・カイダノフスキー 等有利の妻 1988年未

・アリ・ハムラエーフ 護衛者 1979年未

・アレクサンドル・ソクーロフ 日陽はしづかに発酵し…

・ウラジーミル・ポタポフ 調停者 1990年未

・アンドレイ・エルマシ 永遠の終わり 1987年未

・ドミトリー・スヴェタザーロフ 畜生ども 1989年未

・コンスタンチン・ロプシャンスキー 死者からの手紙

・アレクセイ・バラバーノフ 私も幸せが欲しい 2012年

・ウラジーミル・ホチネンコ ハチの群れ 1990年未

ナジム・トゥリャホジャエフ 草原 1987年未+やさしく雨ぞ降りしきる 1984年


グレプ・パンフィーロフ イワン・デニーソヴィチ 2021年

創作の自由の余地はある?

最近は完全に政権寄り ミハルコフ作品の脚本


ウクライナ

リヴィウの映画館は通常営業

キエフ 避難先の地下鉄で映画上映

5/19~火の馬 再公開予定 キエフ・オデッサ・ドニエプロペトロフスク・リヴィウ・スーミ

公開時の1965年、知識人一斉逮捕、この映画がソ連政権への抵抗のシンボル


ベラルーシ

経済制裁によりラインマップ不足。映画作家の育成も進まず。




質疑応答


・相互の映画界の人達の行き来

チェルノブイリ1986 プロデューサーはウクライナ人 ズヴャギンツェフのプロデュースもしている


・検閲

チェチェンへようこそ クナシリ は公開禁止

公開されない、早めに打ち切りの作品多い ドヴラートフは4日で打ち切り

第二次プーチン政権以降はソ連時代の公開規模ランク分けと似た状況か 中心部では上映できない


・ロシア人の描いたチェチェン人映画あるか

ロシアン・ブラザー 90年代ペテルブルク舞台 市場をチェチェン人マフィアが牛耳る→ロシアが成敗する

・チェチェンへの旅(ソクーロフ)は公開された


・監督、俳優の現況が気になる

・国外で活躍しようとしていた彼らの将来はどうなる


ロシア映画は面白くなってきたところ


国際的な舞台に立ちたいという人は国外に出るしかない?

映画祭に出られればよいが


セレヴレンニコフ

3月にロシアに出てドイツに。刑事事件は取り消されてパスポート復活。最新作「チャイコフスキーの妻」カンヌ コンペから外すようウクライナが言っている。

演劇演出した「ヌレエフ」はモスクワ上演中止

フランスのアヴィニオン演劇祭には参加 チェーホフの国葬

次回作リモノフについての映画 イーダの監督?脚本参加

ロシアで半分、残りをヨーロッパで撮る


演劇は大変そう。軒並み出国している。

体制側の人間だけが作れる事態


ソクーロフは残っている。1時間半くらいのインタビュー。ため息ばかり

ズヴャギンツェフ コロナで重体になっていた。声も戻っていない。


アジアンドキュメンタリー

バルト諸国ドキュメンタリー イースタンヨーロピアンフィルム 

・反戦に関して

2022年5月15日日曜日

オデッサ・コスモス: 映画の学校 幸福/ボリシェヴィキ国におけるウェスト氏の異常な冒険/精神の声

オデッサ・コスモス: 映画の学校 幸福/ボリシェヴィキ国におけるウェスト氏の異常な冒険/精神の声:  アテネ・フランセシネマテーク 映画の授業2022 5/24(火)~6/4(土) 御茶ノ水・アテネ・フランセ文化センター レフ・クレショフ監督「ボリシェヴィキ国におけるウェスト氏の異常な冒険」1924年 《Необычайные приключения мистера Веста...

2022年5月5日木曜日

隣人が敵国人になる日: 第一次世界大戦と東中欧の諸民族 (レクチャー第一次世界大戦を考える)

 

必読の書であった。

読了。持ち歩きによいサイズでわかりやすかった。(といっても一度読んだだけできちんと頭の中が整理されるほど頭がいいわけじゃないけど。)今は是非手元に置いておきたい本。第一次世界大戦時のガリツィアをポーランド・ウクライナ・ユダヤ人それぞれの側から解説。2013年刊行なのでもっと早く読むべきだった。これを読んでから映画「ヴォウィン」に臨むべきだった。

中心は第一次世界大戦前後の話だが、一応第二次世界大戦直後まで触れられている。

2022年4月21日木曜日

親愛なる同志たちへ

 ヒロインは父とも娘とも相いれないスターリン主義者で「きつい女」とか言われるけど上司でもKGBでも男性に協力させることができちゃう不思議(娘の父親かと思ったよ)。ミハルコフだったらここは男におもねるような女性に造作したと思う。

1962年ノヴォチェルカッスクの労働争議というか暴動?の史実にどこまで忠実なのかわからないが労働者はレーニンの肖像を掲げて市庁舎まで行進し「共産主義の原則を逸脱した現況を正して欲しい」故に「中央に直訴」みたいな主張だったかと思わせる描写

コンチャロフスキーの「親愛なる同志たちへ」

軍ではなくて秘密の狙撃手が労働者たちに向けて発砲したというのもドラマゆえなのだろうか。


コンチャロフスキー監督、ミハルコフも酷いが、彼も所謂”女をとっかえひっかえ”の人で、5回結婚しているのね。



Дорогие товарищи!


2022年4月8日金曜日

録画メモ:ぶあいそうな手紙/ドライビングMissデイジー

 「ぶあいそうな手紙」

ウルグアイからの亡命者を主人公にしたブラジル映画。2020年、シネスイッチ銀座で観た。

ウルグアイっていうとスアレスとかのサッカー選手のイメージしかなかったので、ブラジルからみてウルグアイ人は内省的という印象があるというのが意外だった。隣人のハビエル(アルゼンチンからの亡命者)とのやり取りがいい。

ブラジル(ポルトアレグレという南部でウルグアイやアルゼンチンとの国境に近い町)、ウルグアイ、アルゼンチンのかつての軍政・独裁制を下敷きにしたこういう作品を観ると、「ラテンアメリカ~光と影の詩」を再見したくなる。



「ドライビングMissデイジー」

録画したけれど映画はまだ観ていない。

ずっとずっと前に劇団東演のアトリエでの3人劇を観て、じんわり感動した。

2022年3月21日月曜日

録画メモ:ハチとパルマの物語

*ハチとパルマの物語

映画館では2011年 6月21日に観に行ったらしい。その時の感想

  ⇓

ハチとパルマの物語、がらがらであった。とはいえ、犬、少年、得体の知れないじいさん、空港地上職のおばちゃん、上官の女性、副操縦士等ソ連市民の皆さま微笑ましく素敵。それだけでよかった。

つまり、秋田犬なんちゃらの紹介と観光に終始している日本での場面は不自然で全く要らない感じ。モスクワシーンとの落差がありすぎる。

ただ、秋田犬保存会とかザギトワとかの場面も秋田の人々が資金を出して制作に関わっているから何とか入れ込まざるを得なかったんだろうけど、タイトルにハチの名を入れるのは看板に偽りあり、関連性薄くとってつけたようになってしまったのが残念。

パルマの部分は面白いのにねえ。

録画していた「ハチとパルマの物語」家族と観る。家族も”日本の部分は蛇足、パルマだけでいい”と全く同じ意見。ロシアの脇役チョイ役に至るまで芸達者な人たちで楽しめた後に興ざめな日本のシーン、残念。そこで資金稼いだんだろうけど。

*アナザー・ワールド 異次元の怪物(未見)

*オーバースピード 時空を超えた目撃者(未見)

2022年3月13日日曜日

録画メモ:マイ・インターン/ボブという名の猫/岩合光昭の世界ネコ歩き

マイ・インターン

 最初に観た時、ロバート・デ・ニーロがこんなおじいちゃんになってたの?と驚いたが、イケ爺の役がもはやぴったりになって感がある。久しぶりにNHK BSプレミアムでやっていたので録画。

ボブという名の猫

 BSプレミアムのスーパー猫の日特集

岩合光昭の世界ネコ歩き

 BSプレミアムのスーパー猫の日特集

2022年2月13日日曜日

『ロシアのチョコレート包み紙』

 

HP,ブログなどで精力的に収集、解説をしているところがあるが、やはり書物になって手元におけるのは大変ありがたい。
両端を尖らせる「独特のラッピング」を「ナソート」ということ、包み紙のデザイナーのお名前、チョコレート博物館や包装博物館があること、などなど新しい知識を得ることができたが、全体的に予想より網羅的ではなかったこと、包み紙の一つ一つに説明がついていないこと等図録としてはかなり期待外れだった。
この手のものだとマッチラベルのコレクションの方が充実していたように思える。






2022年2月7日月曜日

録画メモ:アーニャはきっと来る/ヒトラーに盗られたうさぎ

「アーニャはきっと来る」

イギリス・ベルギー合作の英語の映画だが、フランス側からピレネー山脈の向こう側スペインにユダヤ人の子ども達を逃がす救出作戦の話、らしい。トーマス・クレッチマンさんがまたまたドイツ将校だけどいい人役なの?

「彼らは生きていた」

「ヒトラーに盗られたうさぎ」

いずれも未見

録画メモ:SNS 少女たちの10日間

「 SNS 少女たちの10日間」

チェコでやった実験ドキュメンタリー映画。”12歳”と偽って女優たちがSNS上で呼びかけると案の定男たちが騙されて群がって来て何をするのだろうか…というものなので、一回観るともう二度と観たくなくなるわけだが一応録画した。観ないかも。ろくなのが出てこない(当然)。

「燃ゆる女の肖像」

「パピチャ 未来へのランウェイ」



2022年2月5日土曜日

録画メモ:「83歳のやさしいスパイ」「ジュゼップ 戦場の画家」「エセルとアーネスト」

 録画していた「83歳のやさしいスパイ」家族と一緒に楽しんで観た。

私は去年シネスイッチ銀座で観て以来二回目。

セルヒオさんの優しさにじーんとする...が女性の部屋でもどんどん入っちゃうんだよね。

詩の朗読がまた心を打つ。


「ジュゼップ 戦場の画家」

これは公開時見逃してしまった作品。冒頭はなんとワルシャビャンカが流れる。

「エセルとアーネスト ふたりの物語」

岩波ホールでみたアニメーション。

2022年1月31日月曜日

さらにマロナ オデッサ海岸通り: 録画メモ:ホフマニアダ/ロング・ウェイ・ノース

NHKでなぜか放映された「ロング・ウェイ・ノース」と「マロナの幻想的な物語り」
但し、日本語吹替え版だった。
+宮崎駿の「紅の豚」←ジブリ系では一番好きかも。「さくらんぼの実る頃」は林田遼佑先生のフランス語講座の「今月の歌」コーナーで習った。5月だったと思う。テキストも録音したテープももう残っていないが。

オデッサ海岸通り: 録画メモ:ホフマニアダ/ロング・ウェイ・ノース: 1.ロング・ウェイ・ノース 2.ホフマニアダ ホフマンの物語 3.音楽の都サンクト・ペテルブルク 1.幸福路のチー 2.アブリルと奇妙な世界 3.アオサギとツル 4.キツネとウサギ 5.霧の中のハリネズミ

2022年1月30日日曜日

ヒースさんのブログより~北国の灯: 1972年1月30日/ la 30an de januaro, 1972 / 30 January,...

 また、英国軍からの謝罪は行われていません。

 英国軍で罪に問われた人は誰もいません。

これがまた、重い言葉。
追及の手を緩めてはいけない。

北国の灯: 1972年1月30日/ la 30an de januaro, 1972 / 30 January,...:   血の日曜日  今から50年前の1月30日、今日と同じ日曜日、北アイルランドで大きな流血事件がおきました。  北アイルランドのデリー(Derry)で公民権運動のデモ行進を行っていた市民を英国軍が何の警告もなしに襲撃しました。この暴挙で14名が殺されたのです。  この事件について...

ここに残した私のコメント(ノーザン・アイルランド・フィルム・フェスティバル2008を観ての感想:発砲した軍隊関係者が結局誰も処罰されなかったこと、作戦を指揮した将校たちが後に女王によって叙勲されていることが何ともやりきれない思いに陥らせます。)、私も忘れかけていたのだが、新調査委員会の報告を経てなお、未だ軍関係者の謝罪も処罰もないままだという。

2022年1月22日土曜日

彼女のソーラク・ピエールヴィ:同志少女よ、敵を撃て

 

ノーベル文学賞作品を下敷きにして書かれた小説というと昨年初頭に読んだ『あの本は読まれているか』が記憶に新しい。
https://kirakocma.blogspot.com/2021/03/blog-post.html

この本も、タイトルからしてノーベル文学賞受賞者(作家というよりジャーナリストだが)スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』が即座に想起されるであろう。かの本は日本でコミカライズされ、NHK「100分de名著」で取り上げられ、多少知られるようになったまさに名著ではある。
”この本”『同志少女よ、敵を撃て』は無論アレクシェーヴィチやアントニー・ビーヴァー等の著作を読み込んだ上でのフィクションだが、この本もやがて映画化やコミカライズされて、もっと多くの人に届くようになるのだろうか(それを願う)。
※アルトゥール・スモリヤニノフくんはもうこういう戦争映画には出演しないかしら

Twitterのフォロワーさんが指摘していたことだし、一読して鈍い人でも気づくだろうが、ソ連の女性狙撃兵のシスターフッド全面に押し出したミリタリーものと言いつつ、実際にはもっともっと硬派のフェミニズムが見えてきて嬉しい(『あの本~』でも感じたこと)。”この本”の作者は男性、でよいのだろうか?にしては随分踏み込んで書かれていて感心する。
主人公セラフィマは、個人的な怨恨はともかく”女性を守る”ために戦闘する。逡巡しながら一貫している。

補遺1

『同志少女よ、敵を撃て』で言えば、オリガらの戦後~現在が『あの本は読まれているか』の女性達に通じていくのかもしれぬ


2022年1月18日火曜日

録画メモ:エセルとアーネスト/ジュゼップ戦場の画家

 「エセルとアーネストふたりの物語」

岩波ホールで観た。アニメーションの上映は割と珍しいか?「死者の書」を思い出す。

「ジュゼップ 戦場の画家」

こちらは一般公開時に見逃がした。

2022年1月15日土曜日

林田遼佑先生のフランス語講座 オデッサ海岸通り: 懐かしい響き

ようやく見つけた林田遼佑先生のラジオ講座、これが舞台の袖から始まるフランス語。


「今月の歌」で、4月が「私のノルマンティ」、5月が「さくらんぼの実る頃」(勿論ジブリよりずっと前である)だったと思うが、最後の9月の歌がスキットの内容とも重なる歌詞で(というか歌詞に合せてスキットを書いていらした)旅先から会えなかった恋人を想う歌だった。テキストも放送を録音したカセットテープもたぶんとっていない。今のマンションに越してからみていないから引越しの時に処分してしまったのだろうか。一生の不覚。

オデッサ海岸通り: 懐かしい響き: 片づけが年末にはできず、年が改まってからになっています。 それもあんまり捗っていないけど。 片づけていた中で発掘されたものの中に『ふらんす2008年4月号』がありました。 ここでは、 黒田龍之助先生が林田遼右先生と“子弟”対談 されています。 楽しい。 林田先生の講...

2022年1月13日木曜日

録画メモ:なぜ君は総理大臣になれないのか/はりぼて

 「なぜ君は総理大臣になれないのか」

2020年の東京国際映画祭で観た。それまで彼のことは知らなかった。同じ選挙区のワニ動画の人よりはよほどましだけど、ちょっと手放しでは賛同して応援するのは危ないなと思わせる人だった。立憲民主党ってほんとに選挙区勝ち抜きの人じゃないと(比例代表復活だと)党内での発言力がないのか、おかしな党だな。等々。しかしやはりワニ動画の輩よりはこの人を当選させるべき。

「ETV特集 義男さんと憲法」

「はりぼて」

日本映画専門チャンネルで放映していたのを録画して、家族と一緒に観ているが、いちいち呆れるわ~。冒頭の「国民年金少なくて老後心配だから議員報酬月10万上げて!」ってそれは「これじゃ暮らせないぞ!」と国に年金支給額上げるように言うべきだろうが、富山市の議員さんたちよ。

2022年1月12日水曜日

岩波ホールの思い出

 岩波ホール閉館の知らせを受け、勿論とても残念なのだけど、最近の空席具合を見ると…、ミニシアターの中でも観客の年齢層は特別に高いから新型コロナ感染を恐れて常連さんたちが見に来るのを控えちゃったんだろうなあ、そして新しい観客層を開拓しようにも、今どき珍しい自由席制でオンラインチケットなしだし、何もかも老朽化しているから、何だか納得してしまっている。

最初に岩波ホールにやって来たのは1979年だったようだ。

「木靴の樹」

親友(というか、同性の友人でとても憧れていたので彼女と言ってもいいようなきがする)が、どうも私のことを”岩波ホール作品が好きそう”と思ったらしくて一緒に観に行こうと誘ってくれた。デートよろしく二人で観に行った。眠ったりはしなかったが、堪能するには二人共幼過ぎたと思う。結末が理不尽でやるせなくて二人で呆然とした…。

次に訪れたのが1989年の「三人姉妹」で10年も空白期間が生じている。この時以降ほぼ一人で観に行っているが、この作品もええ~!チェーホフがなぜこうなる???だった。

以下、私が岩波で観た作品(初上映岩波だが別の場所で観た作品、一般公開の場が岩波だがそれ以前に映画祭等で観て岩波では観なかった作品は含まない。)

1979

木靴の樹


1989

三人姉妹


1990

サラーム・ボンベイ ! 


1991

コルチャック先生


1994

苺とチョコレート


1995

ムアンとリット

青空がぼくの家

私は20歳

田園詩

青い山

若き作曲家の旅


1997

ヴィルコの娘たち


2000

パン・タデウシュ物語


2001

今日から始まる 


2002

この素晴らしき世界 

落穂拾い


2004

わが故郷の歌 


2005

亀も空を飛ぶ 

ベアテの贈りもの


2006

家の鍵 

死者の書


2007

サラエボの花 


2008

懺悔 

 待ちに待って四半世紀。遂に観られた!そしたらメラブ・ニニーゼのデビュー作だったのね。初々しいメラブ。

シロタ家の20世紀


2009

カティンの森 

ポー川のひかり

嗚呼 満蒙開拓団

シリアの花嫁 


2010 ほんの数年前観たような気がするが…

セラフィーヌの庭 

パリ20区,僕たちのクラス 

コロンブス 永遠の海

ノン、あるいは支配の空しい栄光

抵抗 死刑囚の手記より

海の沈黙 デジタルリマスター版


2011

やがて来たる者へ

遙かなるふるさと 旅順・大連

木洩れ日の家で 

サラエボ,希望の街角


2012

最初の人間

菖蒲

イラン式料理本

ジョルダーニ家の人々  

キリマンジャロの雪 

オレンジと太陽

世界の夜明けから夕暮れまで[全5篇]

汽車はふたたび故郷へ 

 このあたりももう10年経つとは。


2013

少女は自転車にのって

ハンナ・アーレント


2014

幸せのありか

ローマの教室で〜我らの佳き日々〜

大いなる沈黙へ—グランド・シャルトルーズ修道院

他人の手紙

ワレサ 連帯の男

家族の灯り


2015

放浪の画家ピロスマニ

光のノスタルジア

真珠のボタン 

パプーシャの黒い瞳 


2016

皆さま、ごきげんよう

みかんの丘

とうもろこしの島

緑はよみがえる


2017

女の一生

残像

娘よ






2018

葡萄畑に帰ろう

少年スサ

ダンサー

微笑んで

他人の家

デデの愛

私のお祖母さん

スヴァネティの塩

ケトとコテ

大いなる緑の谷

少女デドゥナ

メイダン 世界のへそ

ヒブラ村

告白

陽の当たる町

ブラインド・デート

あぶない母さん

放浪の画家 ピロスマニ

映像

西暦2015年

モアナ 南海の歓喜

懺悔

希望の樹

祈り

ゲッベルスと私

マルクス・エンゲルス




馬を放つ

花咲くころ




2019

リンドグレーン

田園の守り人たち

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

12か月の未来図

こどもしょくどう

ナポリの隣人

エセルとアーネスト-ふたりの物語

少女は夜明けに夢をみる




2020

シリアにて




2021

ブータン 山の教室

ペトルーニャに祝福を

大地と白い雲

 


夢のアンデス


2022

ユダヤ人の私

 最近行った(今年の映画初め)


これからグルジア映画特集!
フリーパス購入済み


リニューアルオープン、無理なんだろうか?
再上映して欲しい作品が山盛りなのだが。