2021年5月29日土曜日

上司のお勧め書籍

文庫化前の単行本(2013年刊)を上司に薦められて読んでいた。
冤罪・誤判を裁判所はなかなか認めようとしないが、このように誠実に刑事裁判に向き合う裁判官が絶滅してはいなかったことは一縷の希望。(ただこの方も定年を待たずに退官され、公証人⇒ロースクール教授⇒弁護士登録なのである。)

『ホームズ、ロシアを駆ける』読了

楽しく読み終わった。

颯爽と登場するロシア側の最重要人物が先日AXNミステリーで放映していた「シャーロック・ホームズ ロシア外伝」でワトソンさん代わりに相棒になるドクターと同じ苗字のカルツェフさんなのであった。
連続ドラマ「シャーロック・ホームズ ロシア外伝」はP.ニキーチンによるホームズのパロディーを踏まえているということなのか。
TVシリーズ観た後から読むと、脈々とニキーチン、オルロヴェツの流れは絶えずしてって感じだな。あんまり推理しない。
それにしてもホームズのロシアでのライバル君はキャラが登場編とそれ以降で激変しているわ。

シャーロック・ホームズ ロシア外伝」もおもしろかったな。再放送希望

2021年5月15日土曜日

オデッサ・スタジオ: You'll never walk alone

オデッサ・スタジオ: You'll never walk alone:  Позавчера я купила немецкий документальный фильм «Ты никогда не будешь одинок» в онлайн-театре Йокогамского кинофестиваля футбольных фильм...
オデッサ・スタジオに書いた、ヨコハマ・フットボール映画祭オンラインシアターで視聴した”You'll never walk alone”の感想です

ここではこの歌のことが要領よく書かれていたので参考にしました。
歌詞の露訳

Когда ты идешь сквозь шторм
Держи голову высоко поднятой
И не бойся темноты.
В конце, за штормом – золотое небо
И прекрасная серебряная песня жаворонка.

Иди сквозь ветер,
Иди сквозь дождь,
Даже если твои мечты разбиты и развеяны.

Иди вперед, иди вперед
C надеждой в своем сердце
И ты никогда не будешь идти один,
Ты никогда не будешь идти один.

Иди вперед, иди вперед
C надеждой в своем сердце
И ты никогда не будешь идти один,
Ты никогда не будешь идти один.

2021年5月9日日曜日

軍事パレードを初めて見た

 初めて5月9日の軍事パレード中継を(ライブではないが)通して観た。

やっぱりこういう儀式に出てくるのはスラヴの美形の軍人さんばかりである。




カーネーションが無名戦士の墓に捧げられているが、ロシアでは退役軍人や戦死者に捧げるものだということを知った。
今年は5月9日が偶々アメリカ発祥の母の日(5月の第2日曜)と重なった。(ロシアの母の日はこの日ではなく、11月の最終日曜である。)
「母の日にはカーネーション」と思って女性にカーネーションを贈ると、上記の理由でかなり機嫌を悪くされるとの情報を得た。気を付けましょう。たぶん、11月の母の日には、カーネーションではなくてバラでも贈ると良いと思う。

ご丁寧に、軍事車両リスト航空機リストも「用意しました」とある。


コルニレンコ、惜別のゴール

 ФНЛは42節中41節が昨日終わり、順位も固まりつつある。

翼くんは二つ前の節で昇格、ロシアプレミアリーグへの復帰を決め、水曜にはロシアカップで延期されていた試合が行われて優勝を決めた。

昨日の試合は、2011年以来MFとして活躍していた”レジェンド”(月並みながらやはりそう呼ばれているんだな)元ベラルーシ代表セルゲイ・コルニレンコの引退試合だった。

クラスノダール-2との試合は前半で既に3-0と大勢が決まっていたけれど、その後も得点を重ね、82分にコルニレンコがエフレモフに替わってピッチに立った時には5-0。

その2分後にコルニレンコは最後のゴールを決めた。6-0

オウンゴールが2点もあるのは何だかな、だけど…

セルゲエフはФНЛでの最多得点記録を塗り替え済だけど、この試合でもゴールして更に記録を更新した。

昨日はオレンブルクの2位も決まったようだ。

入替戦となる3位のニージニー=ノヴゴロドも確定。

入替戦もう一枠の4位はアラニヤ・ウラジカフカス(74)/バルチカ・カリーニングラード(73)/トルペド・モスクワ(72)で争われている。

最終節は

トルペド・モスクワ(6位)対シンニク・ヤロスローヴリ(22位・降格決定)

バルチカ・カリーニングラード(5位)対クルィリヤ=ソヴェートフ・サマラ(1位・昇格決定)

トミ・トムスク(18位・降格枠だが決定ではない)対ニージニー=ノヴゴロド(4位)

現順位の上の方が勝つと仮定するとバルチカが苦しいが、翼くんは優勝が決定しているとは言え、有終の美で飾りたいだろうし、連勝記録も伸ばしたいし、負けたくはないだろうが、12日にロシアカップ決勝もあって疲れはしているし、バルチカに花を持たせてやろうなんて考えていないよね?勝ってね!

トミはФНЛに留まろうと精一杯頑張るよね。

トルペド、一時はなかなかいい線いっていて、ストレートでの昇格いけるかと思ったんだけどな。まだ昇格の(かなり久しぶりのプレミアリーグ復帰の)望みはある。



2021年5月2日日曜日

コーカサスの金色の雲:再録

 NHK-FMシアター シリーズ ロシア・ユーラシアの現代文学を録音したMD⇒CD作業、最終回はアナトリー・プリスターフキン『コーカサスの金色の雲』

原作は三浦みどりさんによって邦訳されていて、放映当時はご存命だったはずだが、ドラマの前の解説は彼女ではなかったのは残念だな。イスカンデルはなぜか沼野充義先生の解説だったのに(訳は浦先生なのに)。

映画化された「金色の雲は宿った」も不朽の名作で、実は私が生涯で最もぼろぼろに泣いた映画なのだ(キーラ・ムラートワの「灰色の石の中で」との二本立てであった)。




沼野充義先生が指摘されていたのだけれど、映画の方では原作にあった主人公コーリカの双子の片割れサーシカが殺される場面では残虐さはかなり薄めて別れは抒情的に描かれているが、その代わりラストが原作以上に容赦ない。恐らく当時の状況だとこっちの方だったんだろうというもの。

ラジオドラマはサーシカの死の場面は映画ほど薄めてはいなかったけれど原作そのまんなの残虐描写はさすがにしていなかった。ラストはオープンで。

チェチェンとロシア、作者のプリフターフキンは憎しみの連鎖を止めなければならないという立場を崩さない。そういう考えを一番具現していたサーシカは、でもあっけなく命を落としてしまうのだが…。
そして、90年代の数々のテロ事件、とりわけ2004年のベスラン学校占拠事件で多くの子ども達の命が奪われて、「やはり憎しみを止めるのは無理なのだろうか」と弱気とれる発言もしたことを覚えている。度重なる惨劇がそうさせたのか。でも、絶望しないでほしい、と思った。
今やもう、プリフターフキンも、訳者の三浦みどりさんも、この世にない。

しかし、今でも読み返さなければいけない本である。

今日は5月2日、2014年にオデッサで惨劇「オデッサジェノサイド」があった日。
憎しみの連鎖は断ち切らないといけない。

ファジーリ・イスカンデールの大きな家の大いなる一日:再録

 FMシアター「大きな家の大いなる一日」大好きなファジリ・イスカンデルをMDからCDに録音。最初に沼野充義先生の解説…がちょっと長めに入っていた。この話は短編連作である『チェゲムのサンドロおじさん』の最後の1編であり、去年9月にもロシア語講座応用編の安岡治子先生の「ロシア文学からの贈り物」で習ったから記憶に新しい。

(FMシアターではカーマだった少女(語り手である作家の母にあたる)の名が安岡先生の講座ではカマーになっていることに気付いた。)

最初の教師:再録

 「クジラの消えた日」の次はNHK-FMシアターで放送されたチンギス・アイトマートフ「最初の教師」をMDからCDに

著者 : 赤沼弘
第三文明社
発売日 :

原作本はまだ読んでいない。コンチャロフスキーの映画は観たことある。
この時期のコンチャロフスキーは辺境における女性の地位向上みたいな題材の作品を作っていて、兄弟のミハルコフよりはフェミニストに親和的かなって感じがしなくもなかった。
とは言え、実生活上は起用した女優さんを「とっかえひっかえ」(某氏談)で、ミハルコフとやってることはあまり変わらなかったみたいだ。

何にせよ、最初の教師が誰であったか、日本以上にロシアは重要視されているんじゃないか。芸術界の「~に師事し」というのは勿論だけれど、サッカー選手のWikiでも最初のトレーナーについて言及されているのって割と目につく。

語り手の元教え子で学者になった女性が「先生」を見かけて列車の中でとった行動、それに対する周囲の人の反応、大祖国戦争に傷ついた痛みと悲しさと優しさとが胸にひしひしずきずきする。




録画メモ:「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
「SKIN」