2012年12月31日月曜日

古きものと新しきもの

今年観た最後の映画は、家の外ではオフシアターながらエイゼンシュテインの「全線」になった。
でも、自宅で、つまりDVDでの鑑賞を含めれば、毎年恒例のあれです。

3時間ものなので、今から観始めます。
エリダル・リャザーノフ監督の「運命の皮肉」。

さっき、DVDディスクへの印刷というのを初めてやってみた。
プリンターにそういう機能があるのを知りながら試したことはなかった。
上手く出来た。
バフティヤル・フドイナザーロフ監督の「少年、機関車に乗る」
 ↑
これ、大好きな作品で、生涯ベスト5の一つ。
初めて観た時、「奇蹟だ!奇蹟を観ている!」と感動したものだけれど、二回目に観た時もやっぱり「奇蹟だ!!!」と感慨に浸ったのだった。

2012年12月30日日曜日

2012年ファンタスティック・ゴール集

年賀状終了。ほっとした。

さて。
10-ка лучших голов 2012 в российском футболе



10-каっていうのはдесятка(10個)の事だと思うのだが、「2012年ロシアサッカーベストゴール10」と訳してはみるものの、選ばれているのは12のゴールだ。
ロシアのプレミアリーグのみならず下部リーグのゴールあり(もしかしてロシアカップ?)あり、ユーロ本大会、U21の予選でのゴールあり、ゴールしているのもロシアの選手だけではありません。
やっぱり、いわゆる«バイシクル»が多い。
しかし、かつてのコロジンを思わせるイラーネク、テムニコフやイブラヒモヴィチばりの裏技披露のイヴァシチュクも印象的。

1.セルゲイ・セマク(ゼニット)
2.パーヴェル・ヤコヴレフ(クルィリヤ=ソヴェートフ)
3.アラン・ガタゴフ(トミ)
4.コルネイ・サラタ(ロストフ)
5.ケヴィン・クラニー(ディナモ)
6.ロマン・パヴリュチェンコ(ユーロ2012グループリーグ)
7.エヴゲニー・シチェルバコフ(ソコル・サラトフ)
8.デニス・チェリシェフ(U21世界選手権予選)
9.アラン・ザゴエフ(ツェスカ)
10マルチン・イラーネク(テレク)
11イヴァン・テムニコフ(ルビン)
12マクシム・イヴァシチュク(ザリャ・クラスノズナメンスク)

公平を期すために、ロシアサッカーベストセーヴ10(ないし12)という映像も探しておきたい。

С наступающим Новым годом 2013

年賀状が書き終らなくて泣きそう。
ほんの155枚なんだけど。

母、弟と一緒に父のお墓に行った。
今日は晴れていて助かった。

カリャカの休暇。
Андрей Каряка: "Главное событие года для меня - рождение сына".
いつもは休暇を暖かいところで過ごすのだけれど、今年は息子さんが生まれたので家族ともどもニージニー・ノヴゴロドで過ごすそうです。

С наступающим Новым годом 2013, Каря!

クルィリヤはガジ・ガジエフさんが復帰します。

手早くチェルノモーレツについて。
今日のマリャクはデニス・ヴァシン。
この人もオデッサっ子。
Васин Денис Геннадиевич
ヴァシン、デニス・ゲンナジエヴィチ
39 Нападающий
39 FW
Родился 4 марта 1989 года в Одессе.
1989年3月4日オデッサ生まれ
Рост — 179 см, вес — 71 кг.
179センチ、71キロ
 Воспитанник СДЮШОР «Черноморец». 1-й тренер — В. З. Зубков.
チェルノモーレツ・サッカーアカデミー出身、最初の教師はズブコフ氏
В «Черноморце» с 2005 года.
チェルノモーレツ入りは2005年

2012年12月26日水曜日

箱舟

実家に連絡して、弟にBSプレミアムで放送された「エルミタージュ幻想」を録画してもらい、ブルーレイディスクにダビングしたのを持ってきてもらったのだが…。

日本語吹替えだった!
しかも、映画だけやってくれればよいものを、アナウンサーとか石坂浩二とか出てくるのだ(始まる前に)。
えー、がっかり!

まあ、いいか。
ありがとう。

2012年12月24日月曜日

当日

ぴったりに届いた!
ポーランドからのシーズンズグリーティングの美しいカード!

 
はじめて写真が同封されていたのだけれど、90歳くらいのかくしゃくとした老婦人を想像していたのが実際はずっと若々しい方だった。
すてきな本棚(本がいっぱい)の前に佇む知的な微笑を湛えた方。
母よりお若いかもしれない。
祖母と文通を始めたのはずっと若い、きっと学校に通っていたことだったのだろう。
 
いつも年に一度クリスマスカードのやり取りだけなのだが、去年は3月にお見舞状が届いた。
心配してくださっているとわかって感謝の気持ちでいっぱいになった。
 


職員猫

エルミタージュやイギリスの官邸に鼠捕官として雇われている猫がおわしますことは知られているけれど、IBMのブエノスアイレスの工場の職員猫も実は結構有名だったらしい。
少なくともロシアでは。

Этот кот бродил все время вокруг офисов IBM. Теперь сотрудники сделали ему бейджик

しかし気になるのは首に下げている身分証明?の写真が別猫ではないかという点だ。
(写真は鼻が黒くない。)

2012年12月23日日曜日

クリスマスにМ‐М

今日はクリスマス礼拝だったから最初から長時間であることは予想できた。
受洗者は4名(なぜか男性ばかり)、それに友人夫妻のお子さんが幼児洗礼だ。
3歳のТくんは前に出た途端に盛大に嫌がって会衆の笑いを誘った。
その後聖餐式、そして献金、祈禱…。
ああ、お昼を食べる時間はない。
と、礼拝中にそんな心配をしてしまう。
礼拝が終わった途端に駅へダッシュ、早稲田に向かう。

コンツェルトのロシア語劇は久しぶりだ。
今回はクリスマスながら「巨匠とマルガリータ」。
(本来なら復活祭の時に観たい。)
ユーゴザーパドのお芝居が印象的だ。
中でもやはりレウーシンさんが。
だから、日本の学生にあれに匹敵するものができるのだろうか、と危ぶんでいた。

それは杞憂だった。
細かいことを言うと、やっぱりちょっとお子様っぽさが残っていたなというのはある。
が、総じて立派なものだった。
特にマルガリータがよい。
愛の苦しみが滲み出ている演技だった。
(相方の巨匠やヨシュアなど男優たちが今一つ精彩を欠いていたが。)
とっても盛況だった。
(上智のロシア語劇もよかったのに、あちらは寂しかった。)

(マルガリータが魔女になって飛ぶシーンやヘッラの衣装など原作に忠実にするとかなり露出が多くなってしまう(ソ連時代はその点でも物議を醸したらしい)のをどうするのかと思ったら、そこは結構健全路線だった。
上演時間の関係上、どたばたシーンは大幅にカットせざるを得ないので、ベゲモートが路面電車に無賃乗車をする場面なんかも観たかったのだけれど、なかった!

お芝居がはねて、プレゼントやパーティーのものを買いに新宿に出ると人でごった返していてげんなりした。すごく疲れていたけれど、人混みをかき分け、なんとか買い物を終了して、帰宅する。

このあいだ買った(カハに免じて)ツィナンダーリとともに夕食をいただく。

今日私たちの町に

イグナチオ教会は今日(22日)の昼にもクリスマス礼拝があったようで、プレゼピオには既にイエス様がいらっしゃった!

 
 
 
こちらは12月7日撮影。飼い葉桶はまだ空です。
 
 
上智大学のプレゼピオ(正門をはいってずっと奥のホールのロビーに設えてあります)の方は、飼い葉桶はまだ空の状態でした。
(24日にならないとイエス様はいらっしゃいません、と説明書きにあります。)

 
ついでだから、豆知識を。
イエスが生まれたとされる場所は「馬小屋」と言われることが多いのですが、上の写真には馬は見当たりませんね。
プレゼピオに登場する動物は羊、牛を定番として、イグナチオ教会のものに見られるように東方の博士が連れている駱駝もいますが、馬は滅多にいないのです。驢馬はいるかも。
駱駝がいます→
 
当時のパレスティナの地では、特にヨセフとマリヤの夫妻が泊めてもらったような裕福ではない農家には馬はいなかった可能性が高いのです。
馬を飼うのはかなりの贅沢というか。
「馬小屋」というより、「家畜小屋」と言った方が正確なのですね。

2012年12月22日土曜日

簡単なリスト

明日たぶん今年観た映画のトップ10を書かされるので、思い出しておこう。

ざっと挙げてみる。

プリズナー・オブ・ パワー 囚われの惑星
エロイカ
サラゴサの写本
不運
愛される方法
111人の少女
ソハの地下水道
サッカーに裏切られた天才、エレーノ
ポリクーシカ
ガーグラの冬の夜
キリマンジャロの雪
エターナル 奇蹟の出会い
ル・アーブルの靴みがき
ブリューゲルの動く絵
テヘラン、25時+オフサイド・ガールズ
ふたりのエスコバル
モンテビデオ―夢のワールドカップ
記念日
このあたりがよかった。
中でも「エターナル」と「ル・アーブル」と「キリマンジャロ」と「ガーグラ」と「テヘラン」の5本にしておこうか。

だめな方のリストは
第九軍団のワシ(ワースト確定)
新藤監督の遺作、「手紙」※も、ベタすぎて私は受け付けなかった。
※「手紙」ではなくて「一枚のハガキ」でした。失礼しました!

2012年12月21日金曜日

クリスマスの番組

オデッサ・コスモスに、24日にチェブラーシカ(但し、2010年に日本人監督が作ったものの日本語吹替版)がBSプレミアムで放映されることを書きました。

加えてもう一つクリスマス番組を紹介しましょう。

TOKYO FMの15:10~15:20「よ・み・き・か・せ」という番組で、24日に『くろうまブランキー』
クリスマスの晩のお話ですからね。

先日ここでも「クリスマスに贈る本」で取り上げた本です。

うまく録音できるかなあ。

2012年12月20日木曜日

ゲーナさん

昨日、職場の上司らと世間話をしていて(選挙のことでしたが)、「ロシアに共産党ってあるの?」と聞かれてちょっとびっくりしました。

「ずっと野党第一党ですけど。相変わらずジュガーノフさんが党首をやっていますよ、創立以来ずーっと約20年間」
と答えたのですが、上司らは俄かには信じられないといった反応でした。
ほんとですったら!
同僚たちに至ってはジュガーノフさんのことを知らないようだったのです。
まあしかたないでしょうか。
「わにのゲーナって愛称のゲンナジー・ジュガーノフさんよ!」

でも私が知っているのはそれまでで、具体的にどんな綱領を持っていてどんな政策を打ち出しているのかはわかりません。
上司は「プーチンに弾圧されてなくなっているかと思った」みたいなことを口走っていましたが、ロシアの共産党は現政権に本気で真っ向から反対するような立場はとっていないのではないでしょうか。

ちなみに、ロシアには自民党というのもあって、こちらも党首はずっと同じ人。
ジリノフスキーさんですよ。
一時期ちょっと有名だった。
この人は根っからネタ的な人物だと思います。

2012年12月19日水曜日

禁輸を解く

友人のお見舞いにと、仕事の後急いで病院に行ったのだが、彼の容態はますますよくない方に向かっていて、この前のところにはいなかった。
ナースステーションで「ここにはもういらっしゃいません」と言われて、そうか、と思った。

集中治療室なので、家族しか面会できないという。
(ずっと前だが、同じ病院で彼が一種の医療事故で意識不明の重篤な事態になって集中治療室に入った時には、友人二人とお見舞いに行ってなぜか病室に入ることができたのだが。一緒に行った友人たちは一人は看護師、もう一人は獣医で、彼のベッドの傍らの機器類の示す数値を見て眉を顰めた。その後、奇蹟的といっていいのかもしれないが、意識を戻し、退院もしたのけれど。)
家族と、その家族に許可を得た人の、合わせて二人しか面会は許可されない。
いずれにしろ今日は会えないとわかったので、しかし無理を言って集中治療室の病棟まで行って、クリスマスカードを預けてきた。
後は祈るよりほかはない。

帰り道、かなり茫然としていた。
気を取り直そうと、クリスマス用のワインを買うことにして、デパ地下に行ってみた。
ブルガリアとかルーマニアとか、と考えたが、ツィナンダーリを見た途端、つい手が伸びてしまった。
サーカシヴィリのオセチア・アブハジア侵攻作戦以来、かの地のワインは個人的に«禁輸»していたのだけれど、まあ政権も変わってカハが閣僚に就任したらしいから、カハに免じて、とかなんとか言い訳して、買ってしまったよ。

ジーマがミラ・ジョヴォヴィチと共演

オデッサ・スタジオ、そろそろ新しい記事を書かないとね。
来年、アムネスティ・フィルム・フェスティバルで「線路と娼婦とサッカーボール」の上映もあるので、まだ書いていなかったこの映画についても取り上げておきたい。
でもパンフレットはどこに行ってしまったんだろう?

さて、このオデッサ・スタジオに、”дмитрий былинин из выкрутасов”での検索で来られた方があった。
え?あの映画(邦題「エターナル 奇蹟の出会い」)にはケルジはカメオ出演しているけれど、大きいジーマことドミトリー・ブルィキンも出ていましたっけ??

と一瞬思った。
違う、ドミトリー・ブィリニンだった。
サッカーチームの少年のうち、チチャという役をやった子役俳優がこういう名前なのだった。

(どんな役だったかはぱっと思い出せない。たぶん上の写真のうちの誰か。)

大きいジーマДмитрий Булыкинの方は相変わらずオランダでプレーを続けています。

2012年12月18日火曜日

2013年のグラナトキン・メモリアル

CISカップにイランが出ないのでちょっとがっかり(でもあくまでお客様なので呼ばれなくてもしかたない)したのですが、もしかしたらと思ってそれに先立ってペテルブルグで行われるグラナトキン・メモリアルの開催要領を調べてみたら、こちらにはイランが出場する!とわかりました。

С 5 по 13 января 2013 года в Санкт-Петербурге пройдет XXV Международный юношеский турнир по футболу памяти первого вице-президента ФИФА В. А. Гранаткина.

Группу «А» составили сборные Чехии, Украины, Азербайджана и Литвы. В группе «В» на предварительном этапе выступят команды России, Греции, Словении и Латвии, в группе «С» –
Турции, Финляндии, Ирана и Казахстана. И, наконец, в группе «D» сыграют сборные Италии, Бельгии, Беларуси и Санкт-Петербурга.

1月5日から13日まで一日4試合、最終日の順位決定戦は8試合、毎日試合があります。

グループA:チェコ、ウクライナ、アゼルバイジャン、リトアニア
グループB :ロシア、ギリシャ、スロヴェニア、ラトヴィア
グループC:トルコ、フィンランド、イラン、カザフスタン
グループD:イタリア、ベルギー、ベラルーシ、サンクト=ペテルブルグ

フペリョート、イラーン!

Международный юношеский турнир по футболу памяти первого вице-президента ФИФА Валентина Гранаткина

2012年12月16日日曜日

CIS杯2013

冬休みの話題その2.
次回のCISカップの概要が出ていました。

Предлагаем вашему вниманию расписание матчей международного турнира молодежных сборных команд "Кубок Содружества", который состоится в Санкт-Петербурге с 18 по 27 января 2013 года.

CISカップКубок Содружестваは、各国リーグの優勝クラブ+α(近隣友好国とかロシアユース)の対抗戦でしたが、前回の2012年から旧ソ連構成国のユース代表の対抗戦になりました。
今年は12カ国のユース代表で争われます。

Группа А. Белоруссия, Латвия, Эстония, Таджикистан
ベラルーシ、ラトヴィア、エストニア、タジキスタン
Группа В. Киргизия, Казахстан, Россия, Узбекистан
キルギス、カザフスタン、ロシア、ウズベキスタン
Группа С. Украина, Литва, Молдавия, Туркменистан
ウクライナ、リトアニア、モルドヴァ、トルクメニスタン

さあ、ぱっと見て、旧ソ連邦構成15カ国のうち参加していないのはどこか、おわかりでしょうか?
まずは、ロシアと仲が悪い(選挙後、融和派(カハ含む)が勝利したので今後変化があるでしょうが)グルジアですね。
それから、ある意味今一番観たいユースかもしれないアルメニアもいないんですね。
アゼルバイジャンもか。
ということはカフカース揃って不参加なんですね。

ウズベクは今回初参加。
それじゃあ、前回はどうしていたんだっけ、と思ったら、そうそうイランのU19が呼ばれていたんだった。
今回はイラン、いません。それは残念だけど。

2012年12月15日土曜日

冬休みの話題その1

ロシア・ウクライナとも冬季のリーグ中断期間に入ってしまいました。
11月入った頃から忙しくてあんまり試合を観ることができませんでした。
中断前最後の節となる先週も、殆ど観られず。
結果的にはあんまり好ましいゲームがなかったから仕方なかったと諦められるのですが。
あ、だけど、チェルノモーレツは案外いい結果を出していて、ヨーロッパリーグを狙える5位という近年稀にみる好成績です。
しかし、クルィリヤやヴォルガは厳しい。
ディナモは最近は持ち直したけれど出足が悪かった。

さて、冬休み1週間目の移籍情報。
何と言ってもアルメニア代表のユーラ・モフシシャンがFKクラスノダールからスパルタークに移籍したこと。
それと秘密のアントン君ことセクレトがクバンに戻ってきたこと。
ま、そのくらいしかまだ目立った動きはないです。

アラニヤ・ウラジカフカス
加入
レナン・ブレッサン(ベラルーシ) バテ・ボリソフ(ベラルーシ)→
オグネン・ヴラニエシ(ボスニア) FKクラスノダール→

加入の可能性あり
カモ・オガネシャン(アルメニア) ピュニク・エレヴァン(アルメニア)→

ゼニット・サンクト=ペテルブルグ
加入の可能性あり
ニコラス・オタメンディ(アルゼンチン) ポルト(ポルトガル)→
デニス・グルシャコフ ロコモチフ・モスクワ→

FKクラスノダール
移籍
ユーラ・モフシシャン(アルメニア) →スパルターク・モスクワ
オグネン・ヴラニエシ (ボスニア) →アラニヤ・ウラジカフカス

クバン・クラスノダール
加入
アントン・セクレト  ヴォルガリ・アストラハン→
ツェスカ戦でいきなり得点した子。
ヴォルガリ=ガスプロム、じゃなかったっけ?
今年の夏からヴォルガリに戻ったんだ。

ロコモチフ・モスクワ
加入の可能性あり
クリスチアン・ベニテス(エクアドル) アメリカ(メキシコ)→
アレクサンドル・フレブ(ベラルーシ) バテ・ボリソフ(ベラルーシ)→
ええー!なぜまたフレブを?
フレブはバテでいいと思う。
(クルィリヤでは今一つだったし。)

モルドヴィヤ・サランスク
移籍
アレクサンドル・シムチェヴィチ(セルビア) 契約終了

ロストフ・ロストフ=ナ=ドヌ
移籍
アンリ・ハグバ 契約終了

スパルターク・モスクワ
加入
マジド・ウォリス(ガーナ) ヘケン(スウェーデン)→
ユーラ・モフシシャン(アルメニア) FKクラスノダール→
補遺:モフシシャン移籍を伝えるスパルタクHPの記事
МОВСИСЯН СТАЛ СПАРТАКОВЦЕМ

加入の可能性あり
ウラジミール・ダリダ(チェコ) ヴィクトリヤ(チェコ)→

ジグザグ道をまっしぐらに、金色の雲を昇っていった

お二人とも、闘うヒロインであった。
彼女らの訃報を同時に目にするとは。
とても残念なことです。

ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
あなたはソクーロフの「アレクサンドラ」の中で、日本国憲法に敬意を示してくれましたね。
チェチェンもロシアも日本国憲法も、危機に晒されている中で、あなたは去ってしまった。

三浦みどりさん。
あなたはロシアの恥部にも果敢に切り込んでいっていた。
アフガニスタン、チェチェン、ポリトコフスカヤ。
ロシア政府にとって触れたくない問題にも物おじせずに取り組んでいた。
アレクシェーヴィチの 『アフガン帰還兵の証言』『ボタン穴から見た戦争』『戦争は女の顔をしていない』、プリスターフキン『コーカサスの金色の雲』、ポリトコフスカヤ『チェチェン やめられない戦争』…素晴らしいお仕事をなさったけれど、まだまだし残したことも多かったのではないだろうか?
何でこんなに早く?

2012年12月11日火曜日

モスクワフィルの夕べ

スラーヴァが再婚するみたいだ。
 
今度の奥さんも芸能人なのか?
今度こそは末永くお幸せに。
 
モスクワ・フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行った。
指揮はユーリ・シーモノフ、ソリストはニキータ・ボリソグレブスキー。
協奏曲を弾き終えた際、二人で抱き合い、やったぜと親指を立てていましたね。
シーモノフさんの指揮は観ていて楽しかった。
 
 

2012年12月9日日曜日

思いがけなく

アドヴェントの2本目のろうそくに灯がともる。
礼拝の後、友達のお見舞いに行った。
もっと頻繁に行くべきなのだが、1カ月ぶりになってしまった。
ともかく、前回と同じように面会手続きをして病室に向かった。
カーテンが閉まっていた。
昼間なのに。
(これまでは平日の夜に会いに行っていた。だいたいちょうど食事時間に当たっていた。)
声をかけてカーテンを開けると・・・。
いなかった。
いや、ベッドごとなかった。
しかし、彼の私物は置いてあって、クリスマスのカードやアドヴェントカレンダー(窓は開いていない)が飾ってあった。
どうしたのだろう?
移動するなら車椅子のはすなんだけど。

面会室やダイニングルームを覗いてみるがいないようなので、ナースステーションに行って尋ねた。
案内されたのはナースステーションに隣接したケアルームだった。
容態を悪化させて、そちらに移動していたのだった。
でも、目を覚ましてはいたので面会してよいとのことで、部屋に入った。
もしかしたら、彼は一瞬私のことがわからなかったかもしれない。
すぐ看護師さんがやってきて血圧などを計測して行った。
それから話をしようとしたけれど、彼の言葉はよくわからなかった。
何度も聞き返した。
そのあとお姉さんがやって来て、やっと右に体を動かしたいと言いたかったことがわかった。
しばらくお姉さんを交えてお話した。

この前お見舞いに来た頃はかなり順調に回復に向かっていたのに、最近体に埋め込んでいた器具が不具合を起こしたようで、それを取り出すべく緊急手術を受けたということだ。
その術後の経過もあまりよくなくて、金曜日にひきつけや意識混濁という深刻な事態になってこちらの部屋に移ったのだということだった。
「驚いたでしょう?」とお姉さんに言われ、確かに予想はしていなかったので、ちょっとおろおろしてしまった。
しかし、昨日よりはだいぶ持ち直しているとのこと。
きっとよくなるだろう。
今週また来られたらと思う。
またお話しましょう。

期日前投票

同じ市内に住んでいる母から「うちにはまだ投票権の紙が届かないのに、もう期日前投票している人がたくさんいた、どうしてうちには来ないんだろう?」と言われて、気になっていたが、届いたのは金曜日だった。
おお、やっと着いたか、という感じ。
これで期日前投票ができるぞ、と。

期日前投票は、選挙の公示の日から受付をしていたようなのだが、入場券が届かないと投票所には行きにくい。
(身分を証明するものを持って行けば投票はできるらしい。)
何でこんなに遅かったのか?と疑問には思い、何か事情があるのかと役所のホームページを見て確認した。
するとそこでわかったこと。
期日前投票ができるようになるのは選挙ごとに日にちが決まっていて(告示の日の翌日からなのだ)、
*都知事選:11月30日~
*衆議院選:12月5日~
*最高裁判所裁判官国民審査:12月9日~

そう、最高裁裁判官の国民審査はなぜか今日からだったのだ!
投票所入場券がもっと前に着いていて、勇んで投票所に行っても、大事な最高裁裁判官の国民審査の期日前投票が始まっていなくて、せっかく行ったのに二度足を踏むことになったかもしれない。
(そういう場合、国民審査だけ後日行くことになるのだろうか??)

この国民審査、最高裁判所のHP(名前のところをクリックする)、選挙公報(うちにはまだ届いていないようだが)の裁判官自身が書いたプロフィールがあるくらいで、判断材料が得にくいが、せっかくの国民の権利なので、しっかり行使したい。
「不信任の人に×印、無印なら信任」という現行制度には大いに問題がある(司法にあるまじき不公正さだ)けれど、つまりです、
*信任なら何も書かない
*問題あると思った裁判官にはシンプルに×をつける
*よくわからない、判断を保留したい場合には、用紙を受け取らないか係員に返却する
(×以外の印(△とか○とか)何らかの言葉を書くと、無効票になってしまう)
ということになる。
(一部の人に保留を表したい場合の方法はあるのだろうか?)

裁判官の人となりについての情報はこちらが参考になりましょうか。
裁判でどのような判断をしてきたかについての情報はこちらで。

今回の国民審査にかかる裁判官たちだが、1票の格差に関しては意外と寛大な人が多いようだ。
5倍でも違憲じゃないんだって。
私なら2倍以上になっていたらすごく頭にくるけれど。

2012年版 クリスマスに贈る本


くろうまブランキー (こどものとも傑作集 (17))
著者: 伊東 三郎
ISBN: 4834001237
物語はフランスのフレネ学校の児童達の共同製作で、エスペランティストだったフレネの先生を通じてこの話を知った伊東三郎が再話したもの。
実に泣かせるストーリーだ。これを小学生たちが考えだすとは
岩波新書の『エスペラントの父ザメンホフ』等エスペランティストとして知られる伊東は子どもの問題にも非常に関心を寄せていました(『児童問題』で、「子どもは保護される客体であるのみならず、権利の主体なのだ」と、執筆当時としては画期的なことを述べている)が、彼が生涯で関わった絵本は実はこの一冊のみ。それだけに渾身の一冊と言えます。
後に著名な画家・デザイナーとなる堀内誠一の絵本デビュー作でもあります。
『ぐるんぱ』などの絵も素敵だが、パウル・クレーのようなこの絵本はまた格別。
原画展で目の当たりにしたとき、ただただ去りがたい思いに駆られたのでした。









少年たち (チェーホフ・コレクション)
著者: アントン・チェーホフ
訳者:児島宏子
絵:エカテリーナ タバーフ
ISBN: 4896421787
未知谷のチェーホフ・コレクションはどれも宝物になる。絵を描いたタバーフは世界的アニメーター、ノルシュテインンの愛娘。
ヨールカ(樅の木)に飾り付けしている絵のカードが欲しいなあ。

ロシア民話 動物たちの冬ごもり (ロシア民話)
著者: アレクセイ・トルストイ他
訳者:河葉田たか子
絵:フィリップ キイー
ISBN: 4888889279
動物に関するロシア民話を集めてあります。
ペテルブルクで訳者の留学仲間だったというフィリップ・キイーさんの絵はちょっと地味ながら上品でいい(表紙の画像が出ないのは残念です)。

ロシアのクリスマス物語
著者: イワン・セルゲーエヴィチ シメリョフ 他
訳者:田辺佐保子
ISBN: 4905821762
シメリョフ、テフィ、ブーニン、ゾシチェンコ、ナボコフ、チョールヌイ、ドストエフスキイ、ソログープ、グリーン、クプリーン、チェーホフ、ワグネル、レスコフ、と錚々たる顔ぶれのクリスマス物語集。
アレクサンドル・ベヌアの絵の表紙がおしゃれ。
CD
付きも販売されているけれど、表紙のデザインはCDなしの方が好き。

僕の永遠の友だち
著者: アレクサンドル ヴァイツェホフスキー
訳者:樫本真奈美
ISBN: 4875655657
天に召された友人に思いを馳せつつ・・・。
この友人とは、リューダさんのことです。

てぶくろウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズロシアの絵本)
著者: エウゲーニー・M・ラチョフ
訳者:うちだりさこ
ISBN: 4834000508
これは定番中の定番かなあ。

てぶくろ [ウクライナ民話/ラチョーフ・シリーズ (1)]

著者: エヴゲーニイ・ラチョーフ
訳者:田中潔
ISBN: 4944237723
上の『てぶくろ』の同画家によるリメイク。
リメイクというと大抵はオリジナルより評判が悪いものだが、これは稀有な例外で、あっさりして上品な味わいのある素敵な絵本に仕上がっていて、これもまたよし、との評価を受けています。

ちいさなろば (どものとも傑作集)
著者: ルース・エインワース
訳者:石井桃子
絵:酒井 信義
ISBN: 4834018938
サンタさんをお手伝いするろばのお話。
『くろうまブランキー』に似ているかも。

クリスマスの子犬 (文研ブックランド)
著者: R.G. イントレイター
訳者:若林千鶴
ISBN: 4580816021
これぞクリスマス精神!
絵が少々残念。
 
『青矢号のぼうけん』
ジャンニ・ロダーリ作杉浦明平訳岩波書店
現在入手できるのは改訳されて少年文庫に収められた『青矢号 おもちゃの夜行列車』
でも、挿絵はリウニティ社版から採ったというM.E.アゴスティネルリのものがいいと思うので、1965年刊行の「岩波ものがたりの本1」として出されたこの旧版が好き。
チェコのアニメーションによくあるような、おもちゃたちが自らの意思を持って子どもたちにプレゼントされようとするストーリー。
ロダーリは『チポリーノの冒険』等貧困や不正に対して果敢に闘う冒険ものが得意な児童文学者。本職はイタリア共産党発行の子ども新聞の編集者でした。
なのでソヴィエトで支持されたのだろうけれど、親が貧しいためにプレゼントを貰えない子どもたちのためになろうという、おもちゃたちの言動が泣かせます。

なお、この絵本のストーリーが展開するのは、クリスマスから約2週間後のエピファニー(16日)です。
(イタリアではクリスマス・イヴではなく、エピファニーの日にプレゼントを貰うのです。)

『クリスマスのこねこ 傑作ねこの絵本』
クレア・ターレイ・ニューベリー文・絵光吉夏弥訳大日本図書1988年刊
カチャーノフの大傑作アニメーション「てぶくろ」のねこバージョンみたいで、こういう話には私はめろめろです。
シャムもいいけど、白黒ねこも可愛いぞ!

似たようなタイトルで
『こねこのクリスマス』
エフナー・チューダー・ホールムス著ターシャ・チューダー絵いのちのことば社フォレストブックス2006年刊
クリスマスは皆幸せになることになっている。

『クリスマスの足音』
もうひとつの研究所著・絵青幻社201110月刊
パラパラ漫画にちりちりと鈴がついています。
 
『クリスマスってなあに』
ディック・ブルーナ著・絵ふなざきやすこ訳講談社1982
『うさこちゃん』のブルーナによるクリスマス物語。
横長の判で、いわゆるブルーナ・カラーから外れた茶色・深緑・グレーなど彩度の低い色遣いが目立ちます。
しかし、シンプルな造形はそのままで、優しく静かにキリスト降誕の福音を伝えます。
 
『クリスマスのちいさなおくりもの』
アリスン・アトリー作上條由美子訳山内ふじ江絵201010月刊(こどものとも609号としては200612月刊)
お母さんが病気でお父さんがふさぎこみ、クリスマスの準備をしていない家。
その家のねずみがねこのおかみさんに「何とかしよう」と呼びかけて、サンタクロースを迎える準備をします。
ねことねずみのクリスマスの話はビアトリクス・ポターの『グロースターの仕立て屋』を思い起こさせます。
このねこのおかみさんはなかなか有能ですが、言われるまでは暖炉の前でのびて寝ていたんですね。
手柄はねずみに譲り、控え目なところもいいです。
目覚めたお父さん、しっかりしてくださいよ。

 
ここまでは2010年・2011年に載せていたものです。
ここから2012年版。
 

『ハリーのクリスマス』
メアリー・チャルマーズ作・絵おびかゆうこ訳福音館書店2012年10月刊
ハリーも、おかあさんも、サンタさんを信じていたんですね。

『イライジャの天使 ハヌカとクリスマスの物語』
 
 

2012年12月8日土曜日

外苑前・駒込・池袋

最初に外苑前の「ときの忘れもの」へ。
ジョナス・メカスの写真展である。
せりか書房から刊行された『ジョナス・メカス ノート、対話、映画』を記念して、3日間だけ開かれる。
今日はその最終日だ。
ギャラリーはとても小さいけれど駅から近くていい場所だ。
出されたお茶がなみなみとしていてとっても熱かった。
(上司は「嫌いな人には熱いお茶を湯呑にいっぱい入れて出す」そうだが、そんな感じだった。)

メカスの映画は正直言ってちょっと退屈だが、映像は美しい。
みやこうせいさんの写真を観ても思うのだが、こういう芸術家の撮る写真というのは上手いというのではなくて、どおおおっと感動させる。魂の入り方が違う。
それに加えて、言うことがカッコいい(みやさんもんだが)。
メカスはなかなかの名文家だ、というのとは違う。けれど、故国リトアニアで、戦争と占領とで傷ついたことを語る言葉には力がある(決して声高な調子ではないが)。



そして、駒込へ。
初めての東洋文庫だ。
「もっと北の国から 北方アジア探検史」
受付では政治家マトリョーシカ(じゃないのも混じっているが)とチェブラーシカがお迎え。
ここで図録を買っておきましょう。
ハンディーなA5サイズ、500円。

オリエントホールはこの地域(北方アジア)を題材にした文学作品の展示が主でありました。
『初恋』や『スペードの女王』までありましたが。





 

 
階段を昇ると、モリソン書庫。

ぎっしり!古書の洪水のよう。

ここはロマノフ絡みの本の展示がされていました。
(フラッシュでなければ撮影可です。)
 

ディスカバリールームにはデジタルブックがあります。
『プチャーチン来航図』
右の方に引っ張り、画面を動かします。


『魯西亜国漂舶聞書』
 
 
 
 
 
 
 
 
←めくっているところ
 

ペテルブルクの図だと言うが、何だか全然違うようなのが気になる。



高所恐怖症の人が苦手そうなクレバスエフェクトがある(意味は不明)回顧の道にもアムールのずが3つほど展示されています。

あと、『東方見聞録』コレクション(居酒屋ではない)一堂に会する壁が最後を彩ります。

これがロシア語版(Книга Марко поло)

付録で知恵の小径。東洋の言葉での名言プレートの数々です。

アルメニア語
 

ウズベク語


中国の絵文字

グルジア語



 

 さて、東洋文庫を出たところで、思いがけず元クラスメートに会えた。
7年ぶりくらいだろうか。
彼女がロシアに留学する前に先生とお食事会をした。それ以来だ。
(先生のご著書がここのミュージアムショップで販売されているのをチェックしたところだった。)
ロシアから帰ってこられてから、順調にいっているのだろうか。
До встречи, всего хорошего!

もうこの時点で日が暮れて寒かったが、帰路にあるので池袋に向かう。
池袋のジュンク堂でSFミュージアムへ。(7階です。)
高野史緒さんが選んだ本は、ああそうかという(さほど驚きはない(彼女自身入門的なものを中心に選んだという))セレクトだったけれど、驚いたのは…カードの字は高野さんのもの??
こーんな字を書くとは思わなかった・・・。

ポーランド疾走週間

年末のこの忙しい時期に!と舌打ちしながら、ポーランドポスター展とポーランド映画祭2012に通う日々がようやく終了しました。

ポスター展の写真は半分以上まだアップしておらず、映画もまとめて観るもので整理しきらず。
間に東京フィルメックス映画祭の西アジア映画群もあり、もちろん本業も、本業不随のあれこれ、突然の知人の不幸…(まだ受容できていない)といったあれこれで、疾風怒濤の半月だったが、このままこの調子で年を越すことになりそうだ。

ポーランド映画のメモ(後でまとめたいが、読み返す時間が取れるだろうか)

「エロイカ」
アンジェイ・ムンク監督1957年
これが一番おもしろかった。悲劇のヒーローを自演しがちな(←ちょっと残酷な言い方になってしまったが)ポーランド人気質を大胆にコミカルに、でもやっぱりそれゆえの悲劇を手際よく描いている。

「戦争の真の終り」
イエジー・カヴァレロヴィチ監督1957年
一転、残酷で悲惨な作風。戦争の傷跡が頂点に達している。

「地下水道」
アンジェイ・ワイダ監督1957年
言わずと知れたワイダの名作。

「鉄路の男」
アンジェイ・ムンク監督1957年
昔気質な機関士が効率優先の上役と対立して強制退職させられて、という、「ブラス!」あたりの炭鉱ものにも通じるような職人映画。+ミステリー要素。頑固者とは言え、主人公に対する部下たちの態度が冷たいのが世代間の大きな亀裂を感じさせる。

「夏の終わりの日」
タデウシュ・コンヴィツキ監督1958年
戦争の傷跡もの。年下の青年はちょっとミヒャエル・バラック風。

「夜行列車」
イエジー・カヴァレロヴィチ監督1959年
メロドラマ風群像劇。ヒロインの行動が自分勝手すぎ、設定に無理を感じる。ヒロインを追い回す役が有名なあの人だ。

「不運」
アンジェイ・ムンク監督1960年
大戦の時代を扱いながらこの喜劇性!主人公を演じたボグミウ・コビェラの演技力に尽きる!!イーゴリ・イリンスキーみたいな俳優だったのではないか。交通事故で早世したらしい。残念なことだ。

「夜の終わりに」
アンジェイ・ワイダ監督1961年
全然ワイダっぽくなくて、脚本のイエジー・スコリモフスキの世界。

「沈黙の声」
カジミェシュ・クッツ監督1960年
敵対組織の人間を殺すことができず、組織から逃げ回る主人公。組織の論理より自らの倫理を優先させた、といてばカッコいいが、女性には不誠実なドン・ファン。でも別にそれはいいんじゃないかな。ミロスラフ・クローゼ風でした。町全体で移住を呼び掛けているジェルノは、いわゆる「回復領」でドイツ人らを追い出して難民や戦災孤児のポーランド人を住まわせるということをしていた時期の話なのですね。

「列車の中の人々」
カジミェシュ・クッツ監督1961年
大戦中のある田舎駅の一日、を現代(60年代)から回想している形式。ドイツ人警官が飲兵衛でだらしない。こんなのでいいわけない。中心人物の男の子がヴォツェフ・クラタみたいに可愛かったらなあ。

「愛される方法」
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督1963年
こんな題名だが、地味にきつい内容の、戦争の傷跡もの。不幸に押しつぶされる男性と不条理に見舞われながらも静かに生き抜く女性が対照的だ。それにしても愛した相手が落ちぶれるのを直視するのは辛い。

「サラゴサの写本」
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督1965年
3時間を超える大作歴史コスチュームもの。語りが語りを呼び大混乱していくが、ある時点から一気に解決に向かう。おもしろかった。原作の全訳がもうすぐ刊行されるようなので楽しみ。

「イクシアナ」
ミハウ&ユゼフ・スコリモフスキ監督2011年
無駄にグロいので好きになれない。おもしろいことはおもしろいのだけど。この手の現代ポーランド映画は以前にも観たので、今のポーランド人の好みなのかも。

シャザ・プレイズ・ポランスキー

今回は観なかった作品(以前には観た)
「尼僧ヨアンナ」イエジー・カヴァレロヴィチ監督1961年
「水の中のナイフ」ロマン・ポランスキ監督1962年
「パサジェルカ」アンジェイ・ムンク監督1963年
2008年に観に行った時のポスター

「バリエラ」イエジー・スコリモフスキ監督1966年
シャザ・プレイズ・スタレーヴォチの作品

未見の作品
「影」イエジー・カヴァレロヴィチ監督1956年
「灰とダイヤモンド」アンジェイ・ワイダ監督1958年←たぶん観ていないことはないのだけれど、よく覚えていない。
「さよなら、また明日」ヤヌシュ・モルゲンシュテルン監督1960年
「ビーツ・オブ・フリーダム」ヴォイテク・スウォタ&レシェク・グリインスキ監督2011年
「ポリティカル・ドレス」ユディタ・フィビゲル監督2011年






2012年12月6日木曜日

カラマーゾフのクリスマス風景

作家の高野史緒さん、ロシア東欧文学者の沼野充義先生、東京外語大総長の亀山先生のお三人による公開対談を聞きに、ロシア大使館に出掛けました。

ロシア大使館は何回か行ったことがあるけれど、この時期に行くのは初めて。
ここもクリスマスモードです。

 
大使館敷地内から眺めた東京タワー
 
 
講堂階段のステンドグラスと1階のクリスマスツリー
(ヨールカではなくて、普通のクリスマスツリーです。英語でMerry Christmasって書いてあった。) 

ホールの壁画前のツリー(大きいです)
 
お三人のお姿は撮りませんでしたが、対談の後、高野さんの『カラマーゾフの妹』と亀山先生訳の『カラマーゾフの兄弟』は販売されていて、お二人はサインも引き受けていました。
 
沼野先生が進行役。
亀山先生のお声はちょっと聴きとりづらくてよくわからない点もありましたが、楽しそうに妄想に走り(いたくリーザに入れ込んでいる?)、沼野先生がおそらくちょっと焦っていただろうけれど、高野さんの受賞作品について犯人が誰かとか登場人物のキャラ立ちについてとかがんがんネタバレしていました。
 
私はあまりネタバレしないようにしますので、あれですが、高野さんが「カラマーゾフの続編を、(亀山先生のご著書に触発されたとはいえ)自分が書くからにはこうでなきゃ」として、挿入した一見荒唐無稽なSF(ファンタスチカ)の要素として、コスミズム(宇宙精神)とかキバリチチ・メモとかいう言葉が飛び交いましたが、そういうのに関心を持ったらぜひ『ロシア宇宙開発史』をお手にとってみて!(私もこのブログでメモを残していますが、書きかけのままだった…。)
 



対談の後、なんとティーパーティー
 
アルコールこそありませんでしたが、ピロシキ(手前)、ザクースカ、たくさんの果物、この写真には写っていませんが、コーヒー紅茶各種ジュースとチョコレートがたっぷり。かなりたらふく状態。(このお料理はあっという間になくなりました。)
これはコンスタンチン・ヴィノグラードフさん(美青年、外務省付きだけど本業は演劇畑の人ではなかったか)の発案だったとのこと。
いや、このお三人の対談という企画自体、ヴィノグラードフさんから出たものだということだ。
ヴォノグラードフさん、冒頭のスピーチも担当されました。
「作家や学者は夢と光、人生の根拠を与え、示すもの」
「しかるに、大学が会社化・公社化しているようだが、日本はそれでいいのだろうか」
と憂える人でもありました。
 

 

ロシア国旗とイルミネーション
美しい光景だった