ポスター展の写真は半分以上まだアップしておらず、映画もまとめて観るもので整理しきらず。
間に東京フィルメックス映画祭の西アジア映画群もあり、もちろん本業も、本業不随のあれこれ、突然の知人の不幸…(まだ受容できていない)といったあれこれで、疾風怒濤の半月だったが、このままこの調子で年を越すことになりそうだ。
ポーランド映画のメモ(後でまとめたいが、読み返す時間が取れるだろうか)
「エロイカ」
アンジェイ・ムンク監督1957年
これが一番おもしろかった。悲劇のヒーローを自演しがちな(←ちょっと残酷な言い方になってしまったが)ポーランド人気質を大胆にコミカルに、でもやっぱりそれゆえの悲劇を手際よく描いている。
「戦争の真の終り」
イエジー・カヴァレロヴィチ監督1957年
一転、残酷で悲惨な作風。戦争の傷跡が頂点に達している。
「地下水道」
アンジェイ・ワイダ監督1957年
言わずと知れたワイダの名作。
「鉄路の男」
アンジェイ・ムンク監督1957年
昔気質な機関士が効率優先の上役と対立して強制退職させられて、という、「ブラス!」あたりの炭鉱ものにも通じるような職人映画。+ミステリー要素。頑固者とは言え、主人公に対する部下たちの態度が冷たいのが世代間の大きな亀裂を感じさせる。
「夏の終わりの日」
タデウシュ・コンヴィツキ監督1958年
戦争の傷跡もの。年下の青年はちょっとミヒャエル・バラック風。
「夜行列車」
イエジー・カヴァレロヴィチ監督1959年
メロドラマ風群像劇。ヒロインの行動が自分勝手すぎ、設定に無理を感じる。ヒロインを追い回す役が有名なあの人だ。
「不運」
アンジェイ・ムンク監督1960年
大戦の時代を扱いながらこの喜劇性!主人公を演じたボグミウ・コビェラの演技力に尽きる!!イーゴリ・イリンスキーみたいな俳優だったのではないか。交通事故で早世したらしい。残念なことだ。
「夜の終わりに」
アンジェイ・ワイダ監督1961年
全然ワイダっぽくなくて、脚本のイエジー・スコリモフスキの世界。
「沈黙の声」
カジミェシュ・クッツ監督1960年
敵対組織の人間を殺すことができず、組織から逃げ回る主人公。組織の論理より自らの倫理を優先させた、といてばカッコいいが、女性には不誠実なドン・ファン。でも別にそれはいいんじゃないかな。ミロスラフ・クローゼ風でした。町全体で移住を呼び掛けているジェルノは、いわゆる「回復領」でドイツ人らを追い出して難民や戦災孤児のポーランド人を住まわせるということをしていた時期の話なのですね。
「列車の中の人々」
カジミェシュ・クッツ監督1961年
大戦中のある田舎駅の一日、を現代(60年代)から回想している形式。ドイツ人警官が飲兵衛でだらしない。こんなのでいいわけない。中心人物の男の子がヴォツェフ・クラタみたいに可愛かったらなあ。
「愛される方法」
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督1963年
こんな題名だが、地味にきつい内容の、戦争の傷跡もの。不幸に押しつぶされる男性と不条理に見舞われながらも静かに生き抜く女性が対照的だ。それにしても愛した相手が落ちぶれるのを直視するのは辛い。
「サラゴサの写本」
ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督1965年
3時間を超える大作歴史コスチュームもの。語りが語りを呼び大混乱していくが、ある時点から一気に解決に向かう。おもしろかった。原作の全訳がもうすぐ刊行されるようなので楽しみ。
「イクシアナ」
ミハウ&ユゼフ・スコリモフスキ監督2011年
無駄にグロいので好きになれない。おもしろいことはおもしろいのだけど。この手の現代ポーランド映画は以前にも観たので、今のポーランド人の好みなのかも。
シャザ・プレイズ・ポランスキー
今回は観なかった作品(以前には観た)
「尼僧ヨアンナ」イエジー・カヴァレロヴィチ監督1961年
「水の中のナイフ」ロマン・ポランスキ監督1962年
「パサジェルカ」アンジェイ・ムンク監督1963年
2008年に観に行った時のポスター
「バリエラ」イエジー・スコリモフスキ監督1966年
シャザ・プレイズ・スタレーヴォチの作品
未見の作品
「影」イエジー・カヴァレロヴィチ監督1956年
「灰とダイヤモンド」アンジェイ・ワイダ監督1958年←たぶん観ていないことはないのだけれど、よく覚えていない。
「さよなら、また明日」ヤヌシュ・モルゲンシュテルン監督1960年
「ビーツ・オブ・フリーダム」ヴォイテク・スウォタ&レシェク・グリインスキ監督2011年
「ポリティカル・ドレス」ユディタ・フィビゲル監督2011年
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