2015年9月20日日曜日

中国と、文化を作る

川本喜八郎人形ギャラリーの関連講座「芝居の中の三国志」、人形劇を日中合作で作り上げる苦労と醍醐味を伺いました!TV放映の三国志と同様川本喜八郎制作の人形ですが、劇場上演用の大きなもの。ものを握れる手という中国仕様とのことでした。(日本の棒使い人形の手は、ものを持つときマジックテープ止めにしているのが多い。)

video
若き孔明さん(遣い手は伊藤行也さん)
人形を動かすのはほぼ専任(孔明さんを遣うのはその人にほぼ決まっている)とのこと。

関羽:和田覚さん 
劉備:かくたけしさん(漢字がわかりませんでした。すみません。)
 

張飛:かさいちさとさん(漢字がわかりませんでした。すみません。)
指部分がてぐすで引っ張って動く。武器も持てるし、剣を鞘から出す→入れるという動作もできる。

劉備の妻(左) TV版ではないので”すうりん”ではない。”ニン姫”とおっしゃっていたような。京劇のメイクみたいだ…。
孔明先生(右) 三顧の礼の場面の人形なので若い。ちなみに公演での孔明先生の声は森本レオさんではなく橋爪功さん。
 
そもそもこの講座、演題は「人形の声と遣い手と」、講師は小森美巳さん(「おかあさんといっしょ」誕生時番組制作担当、元NHKプロデューサー)ということで、往復はがきで申し込み、当選の知らせを待っていたところ・・・
留守番電話に渋谷区役所の担当の方からメッセージが入っていた!
ありゃ、落選して次回よろしくってことなの?と思ったら、夜再びお電話いただき、無事当選を知らされた、という経緯があります。
(お盆あたりにあった停電で人形保管庫の状態を案ずるメッセージを書いていたので、それに対しての丁寧なご回答だった。)
 
会場に着いて、受付を済ませると、電話をくださった担当者の方がまたも丁寧にご挨拶してくださった。
 
NHKの話としては、初の幼児向けTV番組「おかあさんといっしょ」を始めるにあたって1年間の準備期間に小児科医・児童心理学者(具体的なお名前は略すが高名な方々である!)の話を聞いたりして熱心に研鑽を積まれていたこと、それであのようなしっかりした番組ができ、後々の幼児向け番組に受け継がれていったことを知ったのでした。
今や政権のしもべとなったかのように批判を浴びているNHK,父がこの状況を観てそれでも「腐ってもNHKだ」と言うのかどうかはわからないけれど、小森さんのお話からも「さすがはNHK,番組作りの基礎からしっかりやっていたのだ」(←この時代は)ということができましょう。
 
チェコ留学前の多忙の川本先生も打ち合わせで大いに煩わせた、なんてお話も。
 
 
読んでいる。自作品を見せた時のチェコのアニメーターたちの意見が「なぜ人形が西洋的な顔立ちなのか、物まねはいけない」というものだったというのがまず印象深い。川本先生はそれから東洋的な作品を多く作られた。
チェコの公園がきれいだという記述の中に、「日本人がこういう公徳心を持つのは何時のことか」云々とある。「街はゴミ箱の如く、人は猿の如く」だったという、1960年代の日本人の公共心ってどうだったのよ?と苦笑しつつ想像。
(まだまだ続く)
(読みかけ、書きかけながら紹介しておきます。)

留学からの帰国後の川本先生、1972-1980年日仏会館で岡本忠成さんとやっていたという「パペット・アニメーショウ」シリーズから映像として残っている(「徹子の部屋」で放映された)「人も磨きて後にこそ」(これは川本先生の追悼会の時に観た覚えあり)、「おやすみなさい」を見せていただきました。(淀川さんもかんでいる。)これ、ウレタンでつくった人形で、アトリエはウレタンくずがまとわりついて大変だったそうな。
小森さんが言及された「仲良きことは美しきかな」(嫁姑もの)「燃えよドラゴン」(若い女性が化粧した後ゲバ棒持ってゲバゲバ…とおっしゃっていた。どんなものなんだ?!)など映像残っているのでしょうかね??

さて、三国志のお話です。
といってもですね。
TV放映された「人形劇・三国志」のことではなかったです。
不勉強な私は、その場で初めて知ったのだが、小森さんは元NHKプロデューサーという認識だったのだが、演劇集団円そして劇団影法師として演劇活動をばっちり行っている方なのだった。
なので、お話しくださるのは、劇団影法師の公演している「三国志」でした。

私は演題が「人形の声と遣い手と」とあったので、TV放映されたあの「三国志」の皆さんの頭の中で孔明先生は森本レオさん、曹操は岡本信人さん、という風にイメージされている、でも人形劇は声と人形の遣い手とが両輪であってね、というお話をされるのかと思っていたのですが、違っていました。
TV放映後に川本先生の作られた人形で(制作は川本先生ですが、別の人形です。TV用と劇場用では大きさが違います)、劇場公演をする、しかも中国の劇団と合作する、その過程のお話でした。
まさに秘話っていうもので、大変面白い話でした。

日中の違い
日本
けこみが低い、遣い手はアヒル歩き、黒子を使う(浄瑠璃などの伝統)

中国
けこみが高い、立って遣う、手指をてぐすで動かし物を掴む、刀を抜くなどの動作

この他にも、中国の劇団は京劇のイメージで動かすので、「ここは心理劇でありドラマを見せる場面だから動きを抑えてくれ」と伝えるのに腐心したというお話、黒子を使うことに抵抗があったというお話(チェコやロシアなんかではあんまり抵抗感ないのではないか?ああいう黒いの被っているかどうかは別として)、日本語と中国語では語順が違うので人形を動かすタイミングが違ってくるというお話、そういういろいろなお互いの違いや摩擦はありながら、優秀な通訳が懸け橋となって話し合いを重ね(各地方の劇団で繰り返す)、一緒に人形劇作品を作り上げたということに、非常に感銘を受けました。

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