2017年4月24日月曜日

ラビリンスで思い出す

AXNミステリーでチェコとスロヴァキアのミステリー「ラビリンス」が7回の連続で放映していて、ポーランドのミステリーの方も観ていたけれど、こっちの方がいい感じに思えた。

といっても、うわあ、残酷、もうやめて~というドラマなんだな。
ほぼ最初の方から、以前読んだ『プラハの深い夜』を想起させるストーリーだったが、最後までやはりそうだった。
(「ラビリンス」は現代のブルノが舞台で、『プラハの~』は第二次大戦中ドイツ占領下~解放にある一種の歴史性・政治性はない。ただ、スロヴァキアとの関係性については微妙かも。吹替えではなく、原語+字幕でも、タマラの話す言葉が周囲にはすぐスロヴァキア訛りとわかるらしい、それが聞き分けられる人は殆どいないんだろうけど、聴いてみたい気はする。)

あの暗澹たる後味の悪さ、アレクサンドラ・マリーニナのアナスタシアシリーズにも通じるけれど、コホウト作品(まあ、一つしか読んでいないけど)の気持ち悪さは、この時代の東ヨーロッパの混乱の世相も反映しているのかもしれないと思っていた。
一方で、シュヴァンクマイエルやイジー・バルタに通じる、”センスあるけど悪趣味!”なあの感覚がチェコ独特である気もする。

「ラビリンス」には、それが色濃くあった。

連続ドラマ「ラビリンス」を観ていると、昔読んだこの小説を思い出さずにはいられなかった。猟奇的で、気色悪く、かなり無駄に関係者が命を落とし、後味が悪い。
この作品の場合、それに加えて、最後の一行が最高にぞっとさせる。

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