2025年12月21日日曜日

読書メモ:学校では教えてくれないシェイクスピア

 

『学校では教えてくれない~』とのタイトルは”ネットで真実”系のネトウヨ情報を連想してアレなのだが、さすが北村先生、それに都内トップ男子校の生徒さんたち!打てば響く講義内容で濃密な知的空間に羨ましい限り。最大の気づきは「シェイクスピアは学のない(が文才はあって強靭な運の持ち主である)劇作家」ということ。大学に行っていなくて見識は深くなく地理的な間違いがけっこうある等々。こういう講義を受けたいし、こういう本をどんどん読んでいきたい。チェーホフとかで。

2025年12月10日水曜日

読書メモ 『こぐまのララはうたう』

 

『茶色の朝』、いやむしろ『かさをささないシランさん』系統の絵本で、解説を読まないと台湾の白色テロによる人権弾圧をテーマにしたとはわからないだろう、権力者の理不尽な人権侵害が一般化普遍化した形でメルヘンになっている。そして悲しみを湛えたエンディングに今年の死刑映画週間で観た台湾映画『流麻溝十五号』を思い出した。 絵はまあまあ可愛い。しかし・・・やはり子ども向けではないだろう。台湾の状況を子どもにわかりやすく解説できる日本人がどれだけいるだろうか。
モデルは蔡焜霖さんとのこと。毎日新聞夕刊2025年10月22日の紹介記事で知って図書館にリクエストした。

2025年12月8日月曜日

オデッサ海岸通り: 今年のクリスマスに贈る本(2025年補充)


12/6の子どもを守る文化会議のメイン発言者暉峻淑子先生は、96歳とのことだが、大変お元気で「立ってやります」とおっしゃって、ほんとに90分間立ったまま発言を続けていらした。
戦争体験、家庭での子育ての体験を交え、競争ではなく対話で、平和と民主主義と人権を培っていこうとお話しされる姿はとても説得力があった。
先生のご本はたいてい読んでいるのだが、なぜかこの本はまだだったので、会場で購入して、先生のサインをいただいた。
中頃の、サンタクロースこと聖ニコラウスの出身地を訪ねる弾丸ツァーの件から読んでいる。
地中海沿岸の町ミラ(伝道していた場所)と出生地パタラは現在イスラム圏で派手な観光地化はされておらず、辛うじて跡が残っている状態であるとのこと。
対し、フィンランドのサンタ村については、「すっかりアメリカ化された観光地」と厳しい。
今後、大切に読んでいこう。

今年は、1~4月の立川プレイミュージアムでの堀内誠一展で、『くろうまブランキー』の原画に再会できた。
原画展は何度があったけれど、今回は初めての全点展示・テキスト全文展示だったので、絵本の世界にどっぷり浸れることができた。

11月に祖父母の反戦平和活動のことをお話する機会を得たが、そこにフレネ研究会の方が参加されていて、『ブランキー』がフレネ学校の生徒さんの作ったお話だと初めて知ったとおっしゃっていて、祖父の導きだったのかなと思ったり。

ブランキーのポストカードは、今なら銀座のナルニア国(教文館)で入手できるはず。



オデッサ海岸通り: オデッサ海岸通り: 今年のクリスマスに贈る本(2024年補充): 聖なる夜に 著者 : ピーター・コリントン ビーエル出版 発売日 : 2000-11-01 ブクログでレビューを見る» 「こころの友」に掲載されていたクリスマス本。 トレーラーハウス住まいの老女がアコーディオン演奏で日銭を稼ごうとするもとうとう質に入れてやっとの思いで得た小銭をひ...


堀内誠一さんの絵本デビュー作。パウル・クレー風の絵がとっても素敵。
ストーリーも泣かせます。フランスの小学校の児童達の共同制作なのです。

祖父から贈られた本で、これまでに何度も何度も読みました。
おじいさま、ありがとう!

2025年12月5日金曜日

読書メモ:刻印 満蒙開拓団、黒川村の女性たち

 

遺族会の現会長ご夫妻、先日の高校生平和のつどい証言の分科会の前後にお顔を合わせた。人当たりの良い感じのよい方たちで、つどいの前後にも講演予定があるとのことであまりお話する時間はなかったが、引き継いで語っていかなければならないことを的確に掴んでお話しされる方だった。 前会長、やはり現会長とは同姓ながら親戚関係はないとのことで、ずっと公表には強硬に反対してきて、この本を読んで、一人「悪役」を背負ってしまった形に、もはや可哀そうにさえ思えてしまうが、事実を隠そうとしてきたのは絶対彼ばかりではないのだよなあ。
かつ、前会長の行為は一応は「接待させられた女性達を誹謗中傷から守るにはこうしないといけない」と信じていたからというのがあるわけで、彼女たちの尊厳を踏み躙った最大の加害者たちは、まずは「接待させよう」と発想した人たちだし、後に彼女たちの行為をあろうことか誹謗中傷した人たちではある。でも、ご本人たちが顔を出し本名を名乗って証言しているのに、なお隠蔽しようとしたのは、彼女たちのことを考えてというよりも、やはり自らの罪を認めようとしない、卑怯な態度だろう。日本の縮図だ。
非常に立派な態度の遺族会現会長だが、長年自民党員で、町議会議員で、議長も務める。ここまでは保守派の人に時に見かけるタイプとして違和感はない。著者はさらに2024年の自民党総裁選で彼が石破氏ではなく高市氏に投票したと聞いて「え?高市さん?」となったと記述しているあたりはなかなか興味深い。高市氏が侵略を認めない発言も「直接は聞いたことがない」から、ご自分は日本人の加害行為を認めるのに全く抵抗はないが、歴史歪曲主義者のことをよく知らないままに支持してしまう、ということか、と。

2025年11月30日日曜日

読書メモ:ジートコヴァーの最後の女神たち

なんという読後感!最初から最後まで「女神」への現世の仕打ちが恐ろしい。(が、それ自体はまあありふれている。)
変節する体制順応者の姿(他責思考、被害者意識を拗ねらせる)に既視感。具体的に言うと、シェピチコの『処刑の丘』の裏切者だな。
しかし、一番興味深かったのはチェコはモラヴィア、そしてスロヴァキアの人名愛称(それも苗字の)。村人同士はギヴンネームではなく苗字で呼ぶのか。

2025年11月19日水曜日

深夜2時過ぎまでかけて読了。『デモクラシーのいろは』

 


ストーリーは(無理な展開がないわけではないが)おもしろい。敗戦直後の日本で、民主主義が根付くのがいかに困難か、同調圧力になびきがちな様子はほんとうにそこまで?!と勘繰りながら読み進めると、強かな反撃があったり。そして根深い女性蔑視が一見リベラルな男性にも潜むことが暴かれ、現代に直結して苦笑してしまう。
なんだか井上ひさしの戯曲みたいで、舞台を観ているような感覚になる。そう、舞台化(映画ではなく)されたら是非観たい。

2025年11月16日日曜日

あの絵にあの曲『名曲が語る名画』

 

名曲に結び付いた絵でまず想起するのは「展覧会の絵」でムソルグスキーに追悼されたヴィクトル・ハルトマンの絵画で、この本にも勿論掲載されている。絵を知っていて曲を知らないものもあれば逆もある。意外性のある組み合わせだったのが「禿山の一夜」に項で紹介されたのが洗礼者ヨハネを描く、ロシアとは全く別世界の西洋絵画的なボッティチェリらの作品。まあ、しかしこういう企画だと、聞きながら読めるような(自分でいちいち検索するのではなくて)附属の音源が欲しくなる。無精なので。それと、「画家マティス」はあの人だと思っていた。

7 モーツァルト:オペラ『魔笛』&マルク・シャガール『魔笛』
13 ショパン『革命のエチュード』&マルチン・ザレスキ『ワルシャワ武器庫の略奪』、ユリウシュ・コサック『オストロウェンカの戦い』、オラーヌ・ヴェルネ『ポーランドのプロメテウス』
27 スメタナ『我が祖国』&ムハ『故郷のスラヴ人~トゥラン人の鞭とゴート族の剣の間で』『グリュンワルトの戦闘の後~北スラヴ人の団結』
39 シェーンベルク『3つのピアノ小品』&ワシリー・カンディンスキー『印象Ⅲ(コンサート)』
40 ラフマニノフ『死の島』&アルノルト・ベックリン『死の島Ⅰ』『死の島Ⅱ』
41 スクリャービン『プロメテー火の詩』&ルーベンス『縛られたプロメテウス』、ジョルダーノ『縛られたプロメテウス』、フューガー『火を盗んだプロメテウス』、ブロッホ『ヘラクレスによって解放されるプロメテウス』
42 ストラヴィンスキー『火の鳥』&マルク・シャガール『火の鳥』舞台装置
48 プロコフィエフ『ロメオとジュリエット』&ブラウン『ロミオとジュリエット』、ライト『ロミオとジュリエット』、クリムト『ロミオとジュリエットの死』
49 マルク・シャガール『14の楽曲』&チャイコフスキー『白鳥の湖』、ストラヴィンスキー『火の鳥』

そういえば、「世界の美術館めぐり日本編」は東京の美術館ばかりだな。