2020年9月19日土曜日

RBG永眠

ギンズバーグというと、今でも小説家のナタリヤ・ギンズブルグの方を想起してしまうが、今日は”RBG”でお馴染み、アメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの訃報に接した。

85歳。

彼女については昨年「RBG 最強の85歳」というドキュメンタリー映画と「ビリーブ 未来への大逆転」というドラマ映画が相次いで日本で公開されたのだが、「RBG」の方を4月4日にヒューマントラスト有楽町で「僕たちは希望という名の列車に乗った」と一緒に観たが(混雑具合は「RBG」>「僕たち」だった)、「ビリーブ」の方は見逃していた。

「RBG」よりは「僕たちは希望という名の列車に乗った」の方が印象深かったので、特に感想のメモを残していない。RBGという人物は、とても努力家の秀才で、パートナーに恵まれたアメリカのエリート法曹の女性で、とても手の届く世界の人に思えなかった。


その後、見逃していた「ビリーブ」については、今年の夏休み中にWOWOWのオンライン配信で「RBG」とセットでやっているのを知り、ようやく観ることができた。(両方観た。)

ドキュメンタリーの「RBG 最強の85才」では努力に努力を重ねる無敵で最強の女性法曹、しかも最高の夫と共に生きて、恵まれた人生送っている特別な天才って感じでとても親しみが沸く人には思えなかったが、「ビリーブ 未来への大逆転」では挫折と失敗を繰り返して進んでいくのがよかった。

インタビューでは過去の挫折についてはそんなに語りたくはなかったのかもしれなくて、とにかくばりばり時代を切り開いてきました、という感じになっていたのに対して、「ビリーブ」だと時代柄法曹も女性差別がふんだんにあってロースクールで学ぶのにも教職から嘲笑され嫌味を言われる(同様の言説は日本の司法界でも当然あって、それはそれはそっくりなのに苦笑せざるをえなかった)。法律事務所への就職は尽く断られる。というわけで、当初は法廷に立って弁論する道が開かれず、大学に残るしかなかった。

そうか、この人も決して人生上手くいっていたわけじゃないんだ、ということは、ドラマ映画の方で知った。

彼女の主張で賛成しかねるものも幾つかはある。女性の残業規制は女性差別だから撤廃を、というのは方向が逆(過労死する自由か?男女とも規制すべきでしょ)。その辺り、やはり彼女もアメリカの社会・法体制下での時代の子なのだと思う。AOCことアレクサンドリア・オカシオ・コルテスに感じるのとは全く違う。

しかし、マイヤ・プリセツカヤのときも思ったけれど、ずっとずっとお元気で活躍されるという気がしていた。



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