昨日は早稲田のキャンパスへ。
桑野塾へ。
武隈喜一さんによる報告「黒いピエロは何を歌ったのか?―亡命の歌手ヴェルチンスキーを聴く」を拝聴する。
内容に関心が凄くあったのもあるのだけれど、春の学期にロシア語を教わったХ先生にお会いできるのではないかという算段もあった。
今期は曜日が変わって春の授業を継続できず、違う先生になってしまったため、お詫びをしたかったのだが、Х先生の連絡先を伺っていなかった。
Х先生は桑野塾で報告されたこともあり、もしかしていらっしゃるのでは?と思ったのだが…。
それはさておき、ヴェルチンスキーである。
オデッサ海岸通り: 長い道を: 年齢がばれてしまうかもしれないが、その曲、私は「花の季節」で習った。 いや、今教科書を広げてみて、何の書き込みもないところをみると、授業ではやらなかったのかもしれない。 でも、私はリコーダーを吹くのが好きだったので、授業でやらなかった曲も、教科書に載っていたのは全部自分なりに...
※ここでボリス・フォーミンと書いているが「フォミーン」が正しいようです。訂正します。
以前昭和女子大学で催されていたユーラシアサロン(ユーラシアブックレットの著者を囲む会)で、歌手・女優でロシア歌謡のオーソリティである山之内重美さんが講師となった回の様子を書いた拙ブログ記事だが、この名曲「長い道を」を歌って世界中に広めたのが、亡命歌手アレクサンドル・ヴェルチンスキー。
武隈喜一さんの新著については、オデッサ・コスモスで「是非読んで」という下手な文を書いたところだが、私が書いたのより、お仲間の大島さんのレビューを読む方がいい。
なかなか読みやすくていい本なのでどうぞどうぞパジャルスタ。
この「長い道を」を歌っていた歌手のアレクサンドル・ヴェルチンスキー、まさかとは思ったが、女優のマリアンナ&アナスタシヤ・ヴェルチンスカヤ姉妹のお父さんだった!うわー…。桑野塾って凄い。
桑野塾の皆さんには(そしておそらく世間的にも)、ヴェルチンスカヤ姉妹では妹のアナスタシヤの方が評価は高いようだが、姉のマリアンナはマルレン・フツィエフ監督の「私は二十歳」のヒロインとして記憶に留められ、もうこの一作だけで必要にして十分だと言える。「私は二十歳」のアーニャのいないソ連映画が考えられるだろうか??
アナスタシヤは早稲田の演劇博物館にサイン入りポスターがあったと思うが、コージンツェフの「ハムレット」でヒロインのオフィーリヤを演じたほか、「アンナ・カレーニナ」「戦争と平和」などの文芸大作、忘れてならないのは佐藤千登勢先生著『DVDで愉しむロシアの映画』で触れられた「両棲人間」のヒロインである!!あと、ニキータ・ミハルコフと結婚していたことがあって、息子のステパンが「第九中隊」のプロデユーサーとかしている。
桑野塾で得た驚愕の史実はこれに留まらず、沼辺信一さんが、「トルーマン・カポーティのルポ『詩神の声聞こゆ』に登場するネルヴィツキーという歌手=ヴェルチンスキーである(Нервитский➡ Вертинскийのアナグラム)」というネタを提供する。(→元記事)
ヴェルチンスキーの歌う曲
「小さなクレオールの子」
「オウムのフローベル」
「私が言わなければならないこと」(1917年10月)
「三人のパジ」(作詞テッフィ)この曲が唯一長調
「最後の手紙」(原詩エセーニンの遺書だが大胆に改変)
「異郷の町々」
そしてもちろん「長い道を」
を聴く。
テッフィの詩の歌以外は短調でノスタルジックな哀愁漂う、いかにもなロマンス。
おまけ:
桑野塾でいただいた、カザフスタンはアルマトィのチョコレート、の包み紙。
チョコは美味しかった。べとっとプルーン入り。これをラミネートしてリボンをつけ、栞を作ります。
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