2017年3月17日金曜日

鈴木瑞穂さん、レジェンドのステージ

今日はアパホテル前スタンディングはなし。劇団銅鑼のお芝居観に行く。

劇団銅鑼のチェーホフ劇「彼の町」、多層の劇中劇。
カリャーギンのボードビルを思い出す。
鈴木瑞穂さんは圧巻!伝説的な舞台を観られた。

アフタートークで。
観たい、手掛けたいチェーホフ短編で挙がっていた「たわむれ」=「いたずら」=「悪ふざけ」私も好き。



未知谷の本は、なぜだか表紙の画像が出ないわ。きれいな絵なのに。

沼野先生訳(ナージャが「なっちゃん」になっていたりして、しっくりしない)<浦雅春先生訳(光文社古典新訳文庫)だけど、それにもまして感動した舞台はずっと前の上智大学の学生演劇、上智露劇だった。
大学内の小さな小さな劇場(ホールじゃなくて、1号館内の小劇場)で、客席の一番後ろから舞台に向かってスロープがこしらえてあって、「たわむれ」の劇中では、そこを何度も橇で実際に滑り降りるのですよ。
「好きだよ、ナージャ!」と言いながら、何度も。
二人共かなりへとへとになりながら。
学生ならではの、一種のばかばかしさの溢れる熱演だった。

「眠い」について、ある中編の合間に書いた出来の悪い短編(チェーホフ談)。
その中編とは「曠野(ステップ)」。
実はこれ、画期的佳作。
トークでは、ここでチェーホフ、嫌で嫌で脱出した故郷タガンログを振り返り、見つめ直し、再出発したという指摘。
中村喜和先生訳(但し抄訳)では未知谷のチェーホフ・コレクションで出ている。



あ、表紙の画像が出ない。いい絵なのに。

松下先生訳だとこれ。


舞台化は難しそうだが。ボンダルチュクが映画化している。ボンダルチュクは自作映画に出たがるが、これはその成功例。

 鈴木瑞穂さんみたいな大御所との共演は若い役者さん達には荷が重くはないかと、観る前には実は心配していた。幸いそれは杞憂だった。
瑞穂さんばかりに焦点が集まりそうだが、他の俳優(劇団の中でも中堅よりも若い人たちが中心だったようだ)も光る演技を見せていた。
「益々チェーホフが好きになった」
さほさんはそうツイートしていて、私もそうなんだけど(結構短編も読んでいるつもりでも知らない話があった!)、それに加えて、今までチェーホフの作品を読んでいなかったりチェーホフ劇を観たことがなかった人たちが口々によかった!と感想を述べているのが、なんとも嬉しい。
なんか生意気な書き方になっているけど
やっぱりチェーホフ大好き。

アントンさんが一人称を「自分が」と言ったりするのに違和感があったり、小柄で童顔の俳優さんより実際のチェーホフに似た感じの人に演じて欲しかったなあという願望とのずれはあったにせよ、チェーホフを自分なりに極めようという意気が役者さんお一人お一人に感じられて(舞台の上の人だけじゃなくてスタッフも含めて)よい舞台でした!

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