ビルケナウ強制収容所にいたポーランド人女性の収容所体験談。ヴァイオリニストとして音楽コマンド(労働隊)隊員として”死の収容所”を生き延びた。ユダヤ人ではなくポーランド人の体験として貴重な証言ではあるが、なかなかに差別意識が滲み出た(対ユダヤ人やソ連・ロシアの人達)言葉が多くて考えさせられる。その分ドイツ人に対しては”同情はしないが”と言いつつ憎悪はそれほどないように見受けられる。自分たちのことはアーリア人意識でいるし。先行する音楽隊員証言として映画化もされたファニア・フェヌロン=ゴールドシュタインに対しては露骨な嫌悪感を見せている。ソ連への反感が強いのはルブフ(現ウクライナのリヴォフ(リヴィウ)出身で故郷を奪われた意識をずっと持ち続けていることが大きいだろうが、身につけているレイシズム(といってはさすがに言い過ぎかもしれないが西側が偉くてポーランドもその仲間的な感覚が明らかにあってアジア人の自分からしたらかなり嫌な感じ)当時の平均的ポーランド人よりちょっとだけましなくらいかなという気がしてくる。
0 件のコメント:
コメントを投稿