2本目のムヒカさん映画
「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」後半の東京外語大での講演で男子学生が「愛のために争うこともある、好きな女性を巡って他の多くの男性と争って彼女を得たいと思うのでは?」みたいな質問をしててああツイッターによくあるような女性を獲得対象にしている人かと感じてたら率直に言って前大統領を前にそういう質問の仕方をしちゃうのもう少し何とかならんのかなと思ったのだがムヒカさんはさすがにあからさまにばかにはしなかったけれど「それは多分に男尊女卑の考えですね」とびしっと述べていたのは当然とはいえやはりマラジェッツ!
ムヒカさんの言葉を正確に再現はできないが「彼女の方があなたを選ぶかどうかの問題、無意識かもしれないけど彼女は自分のためというより人類にとってよりよい選択をする」とまとめていた。君、彼女に選ばれるように自分を高め給えよと祈ってさしあげたよ。
教会には以前から「解放の神学」に憧れていたりラテンアメリカの思想に詳しい人が少なくないが私はさっぱりなのでムヒカさんの思想と行動様式に関して2本の映画を観ただけで理解はとてもできなかったが(自主管理型社会主義を目指す?)パートナーのルシア・トポランスキーさんとは信念を共にする同志なのであるから。
そう言えばルシアさんについてはクストリッツァの「愛と闘争の男」の方がきちんと焦点をあてて撮っていたな。クストリッツァ、以前は「女性の事は理解できない」と告白してて彼の作品での女性の描き方観る限りその自己認識は正しいしさすがだし(女性のことを人間として上手く描けていないのは彼に限らずスラヴ圏男性には珍しくないが、自覚しているだけクストリッツァは偉い)成長もしているものだなと思った。やはり「日本人へ」と「愛と闘争の男」はセットで観るべし。
シネスイッチはコロナ自粛明けに「ぶあいそうな手紙」を観にきて以来だった。あれの主人公もウルグアイ人でどうやらウルグアイ独裁政権から逃れた亡命者らしかった。ウルグアイ、スアレスとか血気盛んなサッカー選手しか知らなかったが、今はムヒカさんが有名らしい。
あ、そうそう「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」でいかにも日本人向けに彼と日本との繋がりを述べていて日本からの移住者によって花の栽培を教わったりしたムヒカさんは当初はよくある「日本は勤勉で技術が凄くて規律が守られていて」等々のイメージ持っていたのだが来日して実際の日本で見るべきものはちゃんと見ている。
銀座の通りを飾る広告が西洋人ばかりで行き過ぎた西洋化した社会だということ、そんな社会で豊かなのか幸せなのか、と日本の現況を喝破していく。洞察力と言語化する力がすごい。「日本にはいくつかの顔がある」高校中退の農業従事のおじさんだが学ぶ力が際限なく恐らく投獄中に身につけた教養が豊か。やはり尊敬に値する。
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