2016年7月7日木曜日

メッと父親に脱税で禁固21ヶ月の判決

という、スプートニクの日本語サイトのニュースのタイトルに思わず笑わせてもらった。
裁判官が「メッ」(悪いことをしちゃだめよ!と叱ったみたい。しゃれだったのか?
(その後も「メッ」を直したと思ったら「マッシ」になっていた→マッシと父親に脱税で禁固21ヶ月の判決)が、メッシの判決に関しての報道を読むといろいろ疑問もわいてくる。

まず不自然なのが「実刑判決なのに執行猶予」という書き方。
実刑というのは執行猶予がつかないことなのに。

スペインの刑事裁判では、日本のように判決言い渡しの場で執行猶予を付けるか否かも申し渡す、とは限らないようで、「2年以内の場合は収監されることはなく、そのまま執行が猶予されることになるのが通例」(←常にではない?)=実質執行猶予と解されるようだ。

しかし、
なお、判決は21ヶ月の実刑が下されたが、スペインでは24ヶ月以内の実刑判決の場合は執行猶予となることが多い。そのため今回も実刑は避けられるとスペインメディアは予想しているようだ。
という記述だと、判決自体には執行猶予がついていたなかった(ゆえに実刑と解された)、けれど実質収監されないだろう的な予想。

それと、禁錮なのか懲役なのか、訳が分かれている。
スペインの刑法が、自由刑を懲役と禁錮を区別しているのかわからないけれど。

適当な訳ではなくて、正確な解説が欲しいところ。

ちょっと調べたところ、スペインは独裁体制が終わって「普通の民主主義国家」になったのが遅く、1975年 フランコ独裁終焉
1978年 新憲法制定 死刑廃止
1995年 刑法全面改正
という経過を辿り、「現代的」な刑法典(再社会化に重点を置いたいわゆる”改革志向”の新しい刑法典)になっているようだ。

・死刑・無期刑廃止
・刑罰は①自由刑②代替手段③罰金の3種
・短期(6か月未満)自由刑廃止
・1年以下、例外的に2年以下の自由刑は執行猶予可←このあたりがメッシの判決に該当しそう
・2年以下の自由刑は週末拘禁などに代替可能←同上
といった特徴がある由

日本の(に限らないかもしれないが)報道をみていると、「2年以下の刑だったら通常執行猶予がつく」という印象を受けるが、上記の説明だとメッシの判決にある21月だと必ずしも執行猶予というわけじゃないみたい、週末拘禁かもしれないじゃないか(彼の場合週末に試合があるだろうから無理そうだけど)。
てなわけで、ニュース見ただけじゃよくわからないね、というお話でした。





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