2020年6月30日火曜日

青木センセイ大活躍イルクーツクまでのシベリアの旅~『鉄路の果てに』

著者の父のシベリア抑留体験を辿る旅ながら、同伴者(スプートニク)青木センセイの存在が素敵でカワイイ。

黒パン、私はご馳走!
https://okazakira.wordpress.com/2009/06/28/%e6%9c%9d%e9%a3%9f/

著者 : 清水潔
マガジンハウス
発売日 : 2020-05-21
シベリア鉄道の旅としてはイルクーツク止まりなのだけれど、宮脇俊三『シベリア鉄道ものがたり』森まゆみ『女三人のシベリア鉄道』に続いてよいシベリア鉄道ものだった。

単なるシベリア鉄道旅行記でもないしシベリア抑留ものでもない。著者清水さんの父・祖父の体験を辿る道筋。全てが明かされるわけではなくわからないことがわかる。

日本が占領していた地域へのソ連軍の侵攻、軍関係者がいち早く情報を得てさっさと逃げてしまい、残されたのは民間人と「張子の虎」の青少年義勇兵たちだったという話は教会の方から伺った。
ソ連兵に酷い目に遭わされた、だからソ連(ロシア)を忌み嫌うと言いながら東アジア文化フェスタにロシアが参加するのを承知で特別出演された宝田明さん。
ロシア語教室初級の時ご家族がタシケント辺りに抑留されていた、そこに行ってみるためにという方がいたことを思い出す。
抑留を体験された清水さんのお父様には「平成23年」になっての賞状発布(内閣総理大臣菅直人なのであった)、それまで日本政府は何をしていたのだろうか。抑留されていた方達は謝罪も補償もされていない。治安維持法犠牲者である私の祖父母がそうであるように。


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