2020年11月28日土曜日

男たちが描いてきた女性像~ジェンダーの観点から読む世界文学

 上智大学ヨーロッパ研究所主催講演会「ジェンダーの観点から読む世界文学 男たちが描いてきた女性像」終了。沼野先生がプーシキン・レフ=トルストイ・チェーホフ、そして最後にちょっとだけクンデラと村上春樹を爆走解説。



男性作家から観た女性像・女性観。チャラい男性主人公に対し健気なヒロイン

プーシキン『エヴゲニー・オネーギン』レフ=トルストイ『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』チェーホフ『子犬を連れた貴婦人』『可愛い女』クンデラ『存在の耐えられない軽さ』村上春樹『海辺のカフカ』(村上春樹は一冊も読んでない)

『オネーギン』『子犬を連れた貴婦人』『存在の耐えられない軽さ』ではチャラ男と健気ヒロインが出会ってチャラ男が真剣愛にはまる(チャラ男も作者もそこで変化成長する)。ただ『戦争と平和』ではナターシャの方がむしろチャラいのではないかな

『アンナ・カレーニナ』に関しては、カレーニンはチャラいわけではなく、世間体云々というよりアンナに歩み寄ろうという部分もあったように思えるので、そんなに酷い男だとは思えないのだが。むしろヴロンスキーが、ヴロンスキーがねえ。愛するに値する男だったのか

『アンナ・カレーニナ』は主なものだけでも10本以上映画化されていて、どれも監督名よりもヒロインを演じた女優名で記憶されている、そうである。確かに監督名記憶しているのはアレクサンドル・ザルヒだけ。バレエ映画でいえばマルガリータ・ピリヒナ。これも実質プリセツカヤの映画だが。

沼野先生が何度かおっしゃっていたけれど「古典文学の登場人物は真面目に人生のことを思考している」イメージ持っている人ってそんなに多いの?割と嫌な奴・好きになれない女が出てくる(その方がドラマティックになるから?)と思っていたけど。まず『戦争と平和』のナターシャがあまり好きになれぬ

人生に悩んでいる真面目な人物のイメージは、今回取り上げなかったドストエフスキーの作品にあるんじゃないかしら。(ラスコーリニコフとかいろいろ苦しむ割には自省すべきところをスルーしている感じもあるけれど)ロシア文学に限らないだろうけど女性の存在都合よすぎなのは男性から観た視点だからね

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