今年のお薦め、といっても新刊ではない(2018年刊)なので、店頭ではなかなか手にするのはむずかしいかもしれないのだが。
より一途な友情に溢れた世界で、ひと頃のイラン映画の子ども~青年のようで、胸震える。
で、一冊しかないその本を、買おうと思ったのだが、同じく原画展を観ていたご年配の女性が傍らに来て手に取りたそうにしていたので、なんとなく譲ってしまった。彼女は甲府から上京、必ず寄ることにしているナルニア国に来る前に、腰の痛みを労わろうと4階のカフェで一休みしてからようやく9階まで辿り着いたのだと、店員さんに話しかけていた。そして、この本を含めそのあたりの絵本をごっそりレジに持って行って、お買い上げになった。店員さんは「大丈夫ですか?」と気遣っていた。
彼女が立ち去った後に、あの本はあれで最後だったのですかと聞いたら、やはりそうだった。残念ではあるが、遠くからやってきた彼女が手に入れられてよかったのだと思う。
Amazon等ではまだ手に入るようであるし。
ノルシュテインやオリシヴァングとはまた違った風合いのファジェエヴァの絵もすばらしい。