2026年5月26日火曜日

ナチス映画人気の秘密『終章ナチ・ハンター』

 

内容が内容だけになかなか大変かなと思いきや意外とすらすら読み進めることができた。ホロコーストに関わった人たちをどこまで断罪するのか。共同正犯か幇助犯か、時効と恩赦との攻防。司法官僚が仕組んだ時効の壁に別の切り口で挑んだ「工場理論」。しかしそれでも遅すぎた。結局”大者を逃して小者を罰する”になってしまった昨今(年代的に生存しているのは下っ端の者たちなので)。それでも”大者を逃したからと言って小者も逃していい訳ではない”とタイピストまで罪に問う。これまで観てきた「ナチス映画」の数々の復習でもあった。(これら人気の秘密にも迫る。)
ドイツの過去の克服は、いろいろあるにしても、やっぱり日本よりはかなりましである、という結論は変わらないのだが、上記のコメントにも書いたように、高齢でホロコーストに直接関わったとも言い難い元職員まで訴追し有罪にするのかという問題に加えて、首相を平手打ち…まではぎりぎり許されるにしても、誘拐してまで移送しようという某ナチ・ハンターには首を傾げる(おまけに過剰にイスラエル擁護)。ドイツ人の贖罪意識がシオニストにしか適用されていないのが痛い。 この本は刑事訴追に至るための追及の話で補償や謝罪はまた別問題ということで、リヒャルト・ヴァイツゼッカー元大統領の「荒野の40年」演説も出てこなかった。

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