2026年5月23日土曜日

『不屈のひと 物語「女工哀史」』を読了

 前半の関東大震災~亀戸事件の虐殺部分が読んでいくのが辛かったが、その後も彼女は底辺で抗い続ける生涯だった。

前半、関東大震災と続く朝鮮人虐殺・亀戸事件に至る部分を読み進めるのが辛かった。川合義虎、平沢計七らの名前が登場するや最期を知るから辛い。鈴木文治のような教養と知識を持つ人さえ”不逞鮮人”の噂に惑わされていたとの記述に暗然とする。 彼女は、エンゲルスのつれあいメアリー・バーンズのような存在。ただ、この「不屈のひと」は『女工哀史』著者の細井和喜蔵の没後なおドラマチックな不屈の闘いを続ける。内縁だったからと『女工哀史』の印税の受取りを打ち切られ、自力で人生を切り開く。労働運動、社会保障運動に生涯邁進する。
祖父の遺稿集の編者のひとりである渋谷定輔も登場する。細井和喜蔵亡き後の交流は不明だが、彼はとしをが『女工哀史』共作者であると認めていたのではないか。 『女工哀史』印税の受取り先が細井和喜蔵遺志会から国民救援会に移り、解放運動無名戦士の墓を建立したりなどして解放運動に役立てた…ことを彼女は和喜蔵没後30年記念行事の知らせがあるまで知らなかったという。不条理。救援会・いしずえ会で例年追悼行事に参加してきた身として複雑。 小林エリカ『彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!』にもあったなと思い出す。再読しよう。

『女工哀史』編集関係者が内縁の妻に不義理をしていたという事実が、救援会・いしずえ会に関わり、毎年青山の解放運動無名戦士の墓の墓前での追悼行事に参加してきた我が身に何とも言えぬ感情のしこりを残す。
”内縁”だったからという以外にも何かあったのは?
(いしずえ会で祖母と一緒に仲良くしていた中にはやはり内縁関係だったという女性もいて、そのことを陰口っぽく指摘する人もいたように祖母から聞いて、こういう「解放運動」をしている人の中でもなんか家父長制から抜けられない人がいるもんだなと聞いていて思ったものだった。)
彼女が、新しいつれあいを得たこと、それまでの生活からすると似つかわしくなような消費行動でもしたことなどが、彼らが望むような「未亡人」像と違っていたからなのだろうか?家父長制をぶっとばせ!である・・・



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