『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』(ボリス・シリュルニク著林昌宏訳吉田書店2014年刊)を読む。
著者が書いている、フランスで上映された初のカラー映画だったとソビエト製の映画って、何だったのだろう?
(注:「フランスで上映された初のソ連製カラー映画」ではない。フランス初カラー映画上映がソ連映画だったというのだ。)
著者が書いたあらすじには、「お金がないために結婚できないカップルが同志スターリンに助言を求める」というのだが・・・。
著者は名前から推察されるように、両親がポーランド系ユダヤ人。
両親を始め多くの親戚が収容所で亡くなっている。
周囲のフランス人はボリスという名前からロシアを連想し、ドストエフスキーとフランスの文学者の比較といった課題が与えられると君にはおあつらえだったんじゃないかと言ったり、サッカーの試合でフランスとソ連が対戦する時どちらを応援するのかなどと尋ねたりしたそうだ。
本人はフランス人だと思っていても周囲はユダヤ人、ロシア系の、という視線。
著者の養父的な存在だったエミールという男性(戦後著者をひきとった叔母の同居者)が、実は右翼に近しかったらしいこと、その彼がチェコ出身の若者の面倒をみていたことなど、人間一筋縄ではいかないなと思う。
さて、昨日行われた、ロシアプレミアリーグの首位決戦、ロコモチフ・モスクワ(2位)対ゼニット・サンクト=ペテルブルグの試合の前に、2日のオデッサ及びスラヴャンスクの犠牲者たちへの5分間の黙祷が行われた。
Матч начался почти в полной тишине — фанаты обеих команд перед игрой договорились пятиминутным молчанием почтить память погибших в трагических событиях на Украине.
試合は1-1の引き分け。
首位ゼニットは勝ち点60.
二位のロコが勝ち点59で追う。
ほんとうは残留争いの方が私にとっては深刻だが、ここでは書かない。
ウクライナリーグの方はどうだったのか。
まず、チェルノモーレツの対戦相手のメタリストは公式HPに声明を出し、その文中で哀悼の意を表している。
Фан-поезд вернулся домой из Одессы
Вместе с тем, мы очень сожалеем о произошедшем в Одессе и сочувствуем семьям погибших и раненых.
まあ、我がクラブはオデッサの騒乱には関わっていません、という表明が主な目的ですが。
実際、私が観たところ、メタリストっぽい人はいなかったのだから、「デモをした後、試合時間にはスタジアムに移動し、そのまま列車でハリコフに帰った」というのは事実だろう。
対し、チェルノモーレツは現在のところ何も表明していない。
哀悼の意を表することも、騒乱に関して遺憾の意を表すこともしていない。
チェルノモーレツのファンの方は騒乱に関わったのは明らかだ。
虐殺に手を下した一味にも加わっていたとは思いたくないが(何度も書くが、試合時間になってからはチェルノモーレツのユニを着た人は見えなくなっていた)。
Маряки, скажите, пожалуйста, правду...
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