2016年4月17日日曜日

ロシアな吹奏楽

ルネこだいらでヒネモス・ウィンド・オーケストラ第8回定期演奏会「これぞロシアな吹奏楽」という
コンサートが行われると知ったのは、図書館に置いてあった、すてきなフライヤーを見てのこと。

シューホフ・ラジオタワーを下から見上げた、ロシアアヴァンギャルドのポスターっぽいすてきなフライヤーだ。
 
 


(チケットも同デザインだった。)


しかも無料!
始まる前のロビーコンサート(女性奏者によるカルテット)もあった。

 ←これはパンフレット
キリル文字も併記されている。(キリル文字・日本語・英語の表記)
8-Я РЕГУЛЯРНАЯ КОНЦЕРТは、ちょっと不思議ではあるが。

①セミョーン・チェルネツキー 親衛迫撃砲兵行進曲 1945年頃
チェルネツキーはロシア帝国砲兵旅団軍楽隊隊長だったけれど、ソ連でも軍楽隊育成の立役者だとのこと。
軍楽隊の行進曲特集は友人からいただいたCDがあって、よく聴いているが、●●連隊行進曲とかタイトルだけで心揺すぶられるような、実際聴くと文字通り胸が熱くなるのがロシアの行進曲。
このチェルネツキーの行進曲には流行歌「カチューシャ」のメロディーが折り込まれている。

②ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ステージオーケストラのための組曲より
Ⅰ 行進曲(映画音楽「コルジーンキナの出来事」より)
Ⅱ 抒情的なワルツ
Ⅲ 第一ダンス(映画音楽「馬あぶ」より)
Ⅳ 第二ダンス
Ⅴ 第二ワルツ(ミハイル・カラトーゾフ監督映画音楽「第一軍用列車」より。5分30秒あたりから)
Ⅵ フィナーレ
第二ワルツがとても有名なこれです。
オーケストラ・ダスヴィダーニャが詳細な解説をものしていらっしゃいます(オーケストラ・ダスビダーニャは「劇伴オーケストラのための~」と訳している)ので、今回のパンフレットの解説と共に、読み直してみた。
これまで「ジャズ組曲」として紹介されてきたが、それは本来の「ジャズ組曲第2番」(1938年作曲)が消失したことによる混乱から起こった誤解であると。
1938年と言えば粛清の最盛期、作曲家が息を潜めて一日一日を生きていた頃ですね。

③アルフレッド・リード
ロシアのクリスマス音楽
この曲だけロシア・ソ連の音楽家ではなく、リードはアメリカの作曲家。
正教会のコラールの旋律を用いている。鐘とコントラバスから始まる。

④ニコライ・リムスキー=コルサコフ
クラリネットと吹奏楽のための協奏曲 変ホ長調

⑤レインゴリト・グリエール
吹奏楽のための行進曲 作品76

⑥ニコライ・ミャスコフスキー
交響曲第19番 変ホ長調 作品46
これはちょっと最初のあたり音がよく出ていないのではと思いましたね。
ロシアの楽団はやたらガンガン迫力で押してくるのが多いけれど、このオーケストラは割と上品でおとなしい感じ。
だけど、この曲は上品さをかなぐり捨ててもがんがんやって欲しかった。

休憩後のプログラムが、リムスキー=コルサコフ→グリエール→ミャスコフスキーと年代順になっていて、歴史が追えるようで楽しかった。

アンコールは
ヨハン・シュトラウス二世
「パヴロフスクの森で」作品336
ジョン・=フィリップ・スーザ
「行進曲 雷神」

 
ロシアゆかりのヨハン・シュトラウスはいい選曲だったのでは。
「スラヴ娘の別れ」があったら泣けたと思う。




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