2016年9月11日日曜日

作家とサッカー17 ウラジーミル・ソローキン『23000』その1

私が嫌いなロシア文学者ウラジーミル・ソローキンのそれでも何とか通読した氷三部作最終巻『23000』より

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 同じ色の布地を頭にかぶったり首に巻いたりした肉機械の群れが同じ言葉を大声で叫んでいた。この肉機械たちはこれからある特別の場所へ行くのだった。そこでは二十名ほどの肉機械が草原で弾む球を脚で転がしたり飛ばしたりする様を、数万の肉機械が緊張の面持ちで追う。この球の動き次第で肉機械たちは歓声を上げたり、泣いたり、殴り合ったりする。


三部作の最終巻で妙に現代的になって流行りの固有名詞が氾濫する。日本のコギャルの描写など苦笑する。
あれっていう終わり方。というか、途中から方針変えたみたい。
狂信的なカルトの行く末ということで、仲間内以外には何してもいい、手段としか見ないという態度に、全く共感できず(まあアンチテーゼだろうけど)。
やっぱりソローキンだなあ(今までの作品よりエログロは抑え気味だったけど)、バラバノフみたいだなあ、という感想で、それでもこれまでの路線とは「心」とか言い出した点で違ってきているので、今後ソローキンは晩年のバラバノフみたいになるのかもしれない。

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