"Танец с саблями"
8月1日映画の日、新宿ピカデリーで「T-34 最強ディレクターズカット版」(長い?この間「鬼戦車T-34」観たのでタイミング的には良い)にするかル・シネマで「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」(一昨年のEUフィルムデーズにて「キオスク」というタイトルで観てもう一回観るつもり)にするか迷ったけど、近場で新宿武蔵野館に。
ツイッターでこの映画が話題になったのはまず、公式HPに「モスクワとニューヨークで作曲を学んだ」とあることだったが、 ウィキ先生とかにはない記述で(他でもそれらしき記載見当たらず)???ってなった。
↑プログラム(モスクワとニューヨークで) フライヤー(モスクワで)↓
予告トレーラーのナレーションにある「20世紀の交響曲に新たな局面を開いた」とかいうのも何だか怪しいと思えた。ハチャトゥリャンの交響曲、そこまで言ってよいのか?交響曲か?
まあ、その辺およそ門外漢だし解釈の余地はあるのかもしれないけど。
とか思いながらも、結局はアルメニア好きだし!と武蔵野館に。
期待以上には面白く出来ていたけどそれは主に芸術と政治と人間関係、を巡るあれこれで「剣の舞」は割とあっという間に出来て振り付けもされてるので創造の苦悩に関してはあっさりだった。
「LETO」や「ドヴラートフ」が2時間くらいなのに対して、この作品は90分くらいだからもう少し長くて作曲する際の苦しみ(芸術的な面で)を丁寧に描いて欲しかった気もする(わずか8時間で書き上げた世紀の名曲という触れ込みだが、映画中だとものの3,4分か?)が、主要な周辺人物(宿敵プシュコフ、追っかけ的なファンのバレリーナのサーシャ、サーシャを慕うサックス奏者アルカジー、押しかけ弟子のゲオルギー)はだいたいフィクションながら人間関係の絡みは面白かった。ややベタな造りではあるけれど。
特に地味な扱いながら振付のニーナ・アニシモヴァ(インナ・ステパノヴァ⇒山之内重美さん風)がカッコよかった。
ハチャトゥリャンの押しかけ弟子のゲオルギーはゴーゴリ「検察官」のオーシプみたいで好き。
字幕で「包み焼き」になってたのはピロシキのままでいいのではないか。
ハチャトゥリャンがミャフコフスキー門下の同窓生にあたる官僚といざこざ起こした時にミコヤンに収めてもらったとサーシャに告白する場面も、字幕では政府高官だか幹部だかになっていて固有名詞出さなかった。
(ネタバレ的だが、ハチャさんはこのミコヤンの尽力あって事なきを得、それがなければそうはいかないこの世の悲しさよ。アニシモヴァも政治的理由で逮捕歴があり、いろいろ思うところあっての行動をとらざるを得ないのだね。)
で、この嫌な官僚プシュコフ演じるアレクサンドル・クズネツォフという俳優はアメリカでテレビ出演とかしている人であるとのことで、”Лето”(LETO)の懐疑論者役の同名の若い俳優とは勿論別人。
前者は父称がコンスタノヴィチ59歳、後者はアレクサンドロヴィチ27歳クリミア出身。
(懐疑論者のクズネツォフさんには注目されたし。)
なお、アララト・アルメニア人虐殺に関して交響曲第2番と絡めて思わせぶりに描かれているが、この辺の扱いが難しいのかなあ…。
監督はウズベク人のユスプ・ラジコフ。
ウズベキスタン映画祭2002で「演説者」「女の楽園」というちょっと面白いフェミ系映画を観たことがある。やはりアルメニア人或いはアルメニア系の監督が作る作品と比較してしまうと踏み込みが浅い気がしてしまう。
ショスタコーヴィチとオイストラフとのスリーショットは冒頭にやってきてあっという間に終わってしまう!楽しみはもう少し後にとっておきたかったにゃあ。
オイストラフのキャラがいかにもいかにも。
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