2021年9月19日日曜日

レーニンだらけの空間(ゴルバチョフも多め)にてソッツ・アート堪能

 リニューアルした原宿駅を降りて、何十年かぶりに竹下通りを端から端まで歩いて(コロナ禍なので活気はなかったが、ちらほらとノーマスク、鼻出しマスクの人がいて、やはり恐怖を覚える)、原宿通り、旧渋谷川遊歩道路に沿って歩くと、


ペテルブルクのプーシキン博物館付近にも似た雰囲気で、おや、あそこに見えるのは宇宙飛行士の肖像?

そこではゴルバチョフさんとレーニンさんがお出迎え。
地下へ降りてゆくとそこは!


リニューアルオープンしたBUNKER TOKYOさんだった。

5月に有楽町阪急の「ボリシェヴィキの逆襲」を襲撃↓はしたものの、原宿のお店を訪ねるのは初めて。


「ミス・マルクス」よろしくね

アパレルショップからカルチャーショップにペレストロイカ、とのことでしたが、雰囲気は早稲田奉仕園のギャラリーっぽいかしらん。

ソ連圏・中東欧もののお店と言えど、チェドックさん、パルクさんのようなКаваийの世界とは一味も二味も違う。あと、銀座の赤の広場とも違いますね。スタイリッシュでかっこいい。

ネットショップも充実しているけれども、実店舗に足を運んでほんとうによかったのは、ギャラリーの雰囲気がとてもよいこと。



そして、貴重なソッツアートの作品を実際に目にすることができたことですね。

コカ・コーラ(1983年)
アレクサンドル・コソラポフ
旧ソ連ではコーラと言えばコカ・コーラではなくてペプシだったような気がする。現在はどうなんでしょう?

シルクスクリーン「レーニンとゴルバチョフ」
(Ленин с пятном Горбачева)
レオニード・ソコフ
世界に20枚、日本では唯一ここでしか観られない、という…

ロシアの美術が日本で紹介されるのは、イコンとか、移動展派とレーピン、クラムスコイあたりとか、ロシア・アバンギャルドとか、バレエ・リュス関連とか、じゃなかったらほぼシャガールとカンディンスキーで、70~80年代から現代までの創作者たちを知る機会は極めて稀、それでもカバコフあたりだったら多少言及されることがなきにしもあらずだけど、実作品を目の当たりにする機会が得られてとても嬉しい!
(クラムスコイについては店内に「見知らぬ女」があったりする。)


今まで何度か書いたように、私はソッツ・アートはどちらかというと苦手だった。
BUNKERさんからもほど近い(たぶん歩いて行ける)ワタリウム美術館でВойнаの作品を観てからの感想なのだけど。あの展覧会自体はおもしろかったけれど、Войнаに関しては猥褻系の品のないと感じられる作品が多くてどうも受け付けなかった。
幸いなことに、店内にあった作品はどちらもそういうのではなくて、洗練されて非常にポップな面が強いものだったので、抵抗はなかった。

ウズベクの陶器もカラフルで心惹かれるものがたくさんあった…割には結局買ったのはミーシャグッズだったという自分の勇気の無さが恨めしいわ。イズヴィニーチェ!

ソッツ・アート、ソビエト+ポップアートなのだろうが。
といっても日本においては大衆的というよりかなり高尚な印象を受けてしまう。
文学(ブロツキー、ドヴラートフ等々)や音楽(キノーなどなど)においては、我が道を行くタイプの創作者たちが当初は必ずしも反体制やましてアンチ社会主義の考えを確固として持っていたというのではなく、ただ当局推認路線でない、そこに染まらないでいたら弾圧されるしかなかった、そして亡命や移住を余儀なくされたりとか、要するにそこまで明確に「反体制」の活動家ではなかったようなのに対して、美術部門はそのあたりが先鋭化しているのでしょうか…?
ソッツ・アートやおそらくその流れを汲むラディカルなコンセプチュアル・アートだと、反体制のイメージが必須なのかしらん。(”芸術左翼”については桑野塾でのレポートも懐かしい。
とはいえ、コソラポフもソコフも、アングラというよりとっても洒落たアートとして確立している感があり、実に眼福でありました。
観られるうちに、是非是非肉眼で観ておくとよいです。

なお、ソコフは2018年に亡くなっていて、この作品は2013年制作なのか?晩年といってよいのでしょうか。アメリカに移住していたのですね。
ウィキ先生によると、コソラポフとソコフは美術大学のクラスメイト。
90年代にお土産定番だったマックレーニンのTシャツも元ネタはコソラポフだったのでしょうか。

アパレルについての言及、なくて申し訳ない。

P.S.
2018年ワールドカップのポスターで、黒蜘蛛レフ・ヤシン様も掲示されていた!


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