2013年6月25日火曜日

今年はラトヴィア

一か月近くにわたったEUフィルムデーズも明日で終わりだが、明日夜上映のイタリア映画「やがて来る者へ」は公開時に観ているので、私が観に行くのは今日でおしまい。

去年までの数年が京橋のフィルムセンターだったのに、今年は九段下のイタリア文化会館。
フィルムセンターになる前は、日仏会館・イタリア文化会館・スウェーデン大使館内ホール・ドイツ文化会館などを会場にしていたことがあったが、イタリア文化会館は大使館関連文化会館でも最も充実したホールなのではないか?
(プラネタリウムみたいなカナダ大使館内ホールもなかなか立派。)
ただ九段下の駅から坂を登ってちょっと歩くので、仕事帰りに行くのが辛い。
今年は英語字幕のみだったりすると、つい億劫になってパスした回もあった。

今回のEUフィルムデーズは会場のせいかどうかはわからないが、あまりイヴェントもゲストもなく、地味になった。
会場においてあるチラシも少なかった(というより、元から置いてあるらしきイタリア映画とオペラと留学案内のほかにあったのはアイルランド詩人の朗読の夕べだけだったような。)
EUの経済的苦境に関係して、文化行事の継続に苦戦しているということなのだろうか?

常連出品国の中でイギリスやギリシャがないというのも残念なことだった。
それとバルト諸国は他の国と比較してちょっとレベルが低いというのがいつもの偽わざる感想だったのだが、今回もリトアニアとエストニアに関しては引き続き感じたことだ。
エストニア、アニメは確かにいいんだけどそれしかないのか?!他にないからかき集めたという印象。
リトアニアはまず日本語字幕くらいつけてくださいよ(途中ひどく眠くなる)。
他にもブルガリア・ルーマニア・スロヴァキアが日本語字幕なしだったが、日本で上映する、しかも「EUと日本の市民交流の促進を目的」としているわけだから、日本語字幕をつけた作品を出品すべきだと思う。
(でも、実は真剣に交流促進を願っているわけではないのではないか?とここ数年感じる。積極的な広報はしていないし。)

ラトヴィアのスポ根映画(バスケットボール)はなかなかよかった。いや、今年のEUフィルムデーズの中で一番良かった。数年前の「バトル・オブ・リガ」の監督だそうだが、あれより格段によかった(いや、あれもコメディーと割り切ればそれなりに好意的な見方もできるらしいが、コメディーになりきれていないし、たぶん監督はまじめに愛国調に撮ったのだと思う)。
で、無理やり「オデッサ・スタジオ」に載せた(サッカー殆ど関係ないけど)ところ、思いがけずアクセスが伸びていますね。「アララトスタジアムでアザディを叫ぶ」が一段落したところで。

最初に観たポーランドのドキュメンタリー映画は結構えぐかった。
特に焼身抗議の方。そんな抗議を決行したのに、式典が滞りなく行われてしまっていたということに驚愕してしまう。周囲の反応のなさに。それを淡々と語る目撃者たちに。
アイルランドもドキュメンタリー2本だった。「ニュー・ボーイ」悪ガキ達が可愛かった。

チェコは今更なぜ古い映画を持ってきたのだろうか?
チェコ映画祭で観ていたかもしれないけれど印象には残っていない作品だった(いや、観ていなかったのかも)。
いずれにしろ、解説抜きではなかなか伝わりにくい難解な作品だったのではないだろうか?
タイトルの「新しい毎朝をありがとう」って、讃美歌の歌詞だったんですね。

クロアチアは久々のボスニア内戦ものだったが、これまでに力作が多いだけに「…で?」という感じの落ちで、ただ戦闘だけをやっていたって感じ。工夫が欲しい。人物描写も曖昧だし、訴えるものが弱い、というよりない。

というわけで、今年の佳作はラトヴィア。
フランスとオランダはまあ普通。

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