更に下のディヴィジョン、二部リーグでの再スタートとなった、と。
ロシア全国リーグ(旧称ロシア一部リーグ)、昨シーズンは西はポーランドとリトアニアの狭間の飛び地カリーニングラード(バルチカ)から東はいつものハバロフスク(エスカー=エネルギヤ)とウラジオストク(ルチ=エネルギヤ)に加えサハリン島のクラブ(サハリン)まであって、カリーニングラードとサハリンのユジノサハリンスクとの時差は8時間、全18チームというものでした。
(ロシアのタイムゾーンは10ある。サマラはモスクワと一緒の時間帯だったのが、この間の変更で1時間の時差があることに戻った。)
ФНЛ2014-2015シーズンは5月31日に最終節(34節)で終了し、クルィリヤ=ソヴェートフ・サマラとアンジ・マハチカラがそれぞれ1位・2位となってプレミアリーグへの復帰を決めた。
クルィリヤは、振り返ってみれば春に再開して以来、確実に勝ち点を重ねて、33節で昇格を決め、最終節で優勝を勝ち取るという、一見堅実な道のりだったような印象を受けるが、あまり点を取らないチームであって、はらはらさせつつ守り抜き、1-0とか1点差で勝つというパターンが多かったので、応援している身としてはいつも心はきりきりと苦しかった。
安心して見ていられたのは昇格を決めた後の最終節の試合だけ。
実際、クルィリヤはリーグの最小失点、アウェイでの最多勝ち点のクラブで、対照的に2位のアンジはリーグ最多得点、ホームでの最多勝ち点で、得点王を擁していた。
3月22日、24節に当時首位だったアンジとの対戦(そのときクルィリヤは4位だった)を1-0で勝ち、その後の試合は皆下位クラブとのものとなってたから、カードとしては恵まれていて”やらかさなければ大丈夫のはず”だったものの、毎試合ほぼ1点しか取らない人たちですからちっとも心穏やかにはならない。下位クラブ相手と言っても、西へ東へと大移動が待っているのも心配だった。
しかしクルィリヤの面々は驕ることなく淡々と勝っていってくれた。33節もいつものスコアで勝ち、アンジ・トミ・トスノが揃って引き分けたことで無事に自動昇格、プレミア復帰が決定。優勝するかどうかはもうどうでもよかった。昇格・復帰が嬉しかった。
3位のFKトスノと4位のトミ・トムスクは入替戦に敗れ、プレミア昇格はならなかった。
2013-2014シーズンにクルィリヤ=ソヴェートフとともに入替戦で敗れてプレミアから降格してきたヴォルガ・ニージニー=ノヴゴロドは13位とふるわず、一緒にプレミア復帰とはならなかった。
また、今季の東端サハリン・ユジノサハリンスクは15位で、二部リーグ降格となってしまった。
というわけで、11日から始まる2015-2016シーズンのФНЛで最も東に位置するクラブは2年前までと同様ウラジオストクということになる。西の端は相変わらずバルチカ・カリーニングラード。ルチはどういうわけかプレミアに昇格してしまったことがあったが、バルチカはずっと昇格せず降格せずで長い間ФНЛに居続けている。ヨーヨークラブではないんだよ。ФНЛの老舗。今回ちょっと危なかったけど。
順位(前節順位)クラブ名 試合数・勝・分・負・得点・失点・得失点差・勝点
1クルィリヤ=ソヴェートフ・サマラ 34 22 7 5 53 19 34 73
2アンジ・マハチカラ 34 22 5 7 60 22 38 71
3FKトスノ 34 20 5 9 50 36 14 65
4トミ・トムスク 34 18 10 6 57 34 23 64
5ガゾヴィク・オレンブルグ 34 15 13 6 52 31 21 58
6シンニク・ヤロスラーヴリ 34 12 17 5 44 33 11 53
7ヴォルガリ・アストラハン 34 13 13 8 48 39 9 52
8FKチュメニ 34 11 9 14 41 38 3 42
9エニセイ・クラスノヤルスク 34 11 9 14 39 42 -3 42
10ルチ=エネルギヤ・ウラジオストク 34 11 9 14 40 46 -6 42
11シビリ・ノヴォシビルスク 34 11 9 14 35 46 -11 42
12ソコル・サラトフ 34 10 11 13 38 41 -3 41
13ヴォルガ・ニージニー=ノヴゴロド 34 12 4 18 44 57 -13 40
14バルチカ・カリーニングラード 34 8 13 13 25 37 -12 37
15エスカー=エネルギヤ・ハバロフスク 34 8 13 13 32 46 -14 37
16サハリン・ユジノサハリンスク 34 9 8 17 28 50 -22 35
17ヒミク・ジェルジンスク 34 7 6 21 35 59 -24 27
18ディナモ・サンクト=ペテルブルグ 34 2 7 25 18 63 -45 13
※16位以下が二部リーグに降格。
プレミアリーグからは15位のトルペド・モスクワと16位のアルセナール・トゥーラがФНЛに降格…のはずだったが、上述のとおりトルペドは資金面の問題でФНЛでのプレイができないということになり、更に下の二部リーグに落とされることになった。
二部リーグからは各地区優勝のクラブが昇格してくるが、トルペドの代わりに西地区2位のゼニット-2が昇格することになった。
3チーム降格して5チーム昇格、で20クラブになるはず。
①中央地区(30節16クラブ)優勝:ファケル・ヴォロネジ
②西地区(30節16クラブ)優勝:スパルターク-2・モスクワ
同2位:2 ゼニット-2・サンクト=ペテルブルグ
③東地区(24節9クラブ)優勝:バイカル・イルクーツク
④ウラル・パヴォルジエ(ヴォルガ中下流域)地区(25節11クラブ)優勝:カマーズ・ナベレジヌィエ=チェルヌィ
⑤南地区(18クラブグループA22節、グループB10節)優勝:トルペド・アルマヴィル…なのだが、こちらのトルペドもまだФНЛにおける財政上の問題をクリアしておらず、6日に結論が出るとのことだが。
というわけで、11日に始まるのにまだ何クラブが確定していないという事態なのだ。
ФНЛは19ないし20のクラブで2015-2016シーズンを送る。
7/11、第一節のカードは
11:00 ルチ=エネルギヤ・ウラジオストク対エスカー=エネルギヤ・ハバロフスク
14:00 FKトスノ対ファケル・ヴォロネジ
14:00 トミ・トムスク対スパルターク-2・モスクワ
15:00 エニセイ・クラスノヤルスク対ヴォルガ・ニージニー=ノヴゴロド
16:00 アルセナール・トゥーラ対バイカル・イルクーツク
16:00 FKチュメニ対ソコル・サラトフ
17:00 ガゾヴィク・オレンブルグ対カマーズ・ ナベレジヌィエ=チェルヌィ
18:30 シンニク・ヤロスラーヴリ対バルチカ・カリーニングラード
19:00 ヴォルガリ・アストラハン対シビリ・ノヴォシビルスク
もしトルペド・アルマヴィルがФНЛでプレイできることになったら、ゼニット-2・サンクト=ペテルブルグとの対戦となる。
トルペドはロシアの自動車業の状況とあわせてどこも厳しい。
確か二部のトルペド・ウラジーミルも苦境に陥っている。
補遺(2015/07/10)
結局トルペド・アルマヴィルはФНЛ参入を認められ、第一節はゼニット-2と対戦。
7/12
12:00 トルペド・アルマヴィル対ゼニット-2・サンクト=ペテルブルグ
しかも監督はヴァレリー・カルピンさん!
どういう縁があったのだろう?
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