2015年11月23日月曜日

パナヒにしてやられる


東京フィルメックス映画祭ジャファル・パナヒの「タクシー」はいかにもなドキュドラマだけど、パナヒの術中に快くはまった。キアロスタミの「十話」みたいかと思ったらさにあらず。でもこれじゃ上映許可でないよな。挑戦的な(挑発的ともいう)パナヒさん。

相変わらず映画を作ることをイランの政権から禁じられているパナヒさん、前作は「これは映画ではない」という人を喰った(まさに挑戦的な)作品を作ったが、これもその延長線上にあり、しかもあざとさ(いい意味で)も上を行く。

イランのタクシーは相乗りするので(しかも、公共機関では禁止されているはずの男女の相乗りもありで、マルシュルートカ化している)、最初タクシーに乗っているのは見知らぬ男女、いきなり死刑論議を始める!
でもその後のおじさんがなかなかコミカルなキャラ。

(ここでトルコのジェイラン監督への言及。憧憬も当然あるだろう。)

あと口達者な姪御ちゃん、「白い風船」や「運動靴と赤い金魚」等々に出てくるおしゃまなイランの女の子の系譜だが、まあかなり強力な、ねびゆかんさまさぞやという…、いや可愛いんですよ、とっても。

こういう作品を緩く見逃すようになってこそ、なのだよ、ロウハニさん。

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