2014年10月23日木曜日

私もなんか言う クレドシアターの「外套」

世に聞こえたプーク人形劇場が創立者の川尻泰司さん生誕100年の今年招聘したプルガリアのクレドシアター、実は久しぶりの外国の劇団の招聘だったそうだ。
(直近は2008年のニコリーナ・ゲオルギエヴァ(ブルガリア)の「動物たちのカーニバル」。これも古典であり名作の舞台作品だ。手影絵。)

数ヶ月前の桑野塾で、プークの方からチラシをいただき、すぐに「これは観たい!」と思った、ちょっと変わった風のゴーゴリ作『外套』の人形劇には、ロラン・ブィコフの名演技が目に焼き付いているソ連映画の名作あり、70年代から取りかかりながらまだまだ完成していない(アカーキーさん、外套を買いましたっけ?)ノルシュテインの長編アニメーション等、これ以上はないのでは?という凝りようの選考作品がありながら、しかもロシアではなくてブルガリア、いったいどういうことに?と心惹かれたわけである。
観たところ、純粋な人形劇ではなく、出遣いのようだ・・・。

クレドシアター主宰のニーナ・デミトローヴァさんは、さほさんみたいな、そしてヨランド・モローのような堂々としたアーティストで、何をやっても凄い!の一言だった。
共演のステリャン・ラデフさんはなんと1991年生まれ!ココラと同い年?!
なのに、デミトローヴァさんによく食らいついていたし、踊れていましたねえ。

『外套』って、”小さな人々”の悲喜劇として、痛々しくて暗い面を描かざるをえないと思っていたのだけれど、クレドの舞台は終始笑いが絶えなかった。
最初から最後まで楽しめた。

さきほどツイッターに記したが(帰りの電車内で打った)、

パワフルで笑いが絶えないクレドシアターの「外套」、素晴らしかった!原作からはだいぶ逸脱しているが、ロシア人も決して文句は言うまい。
ウ゛ォルガの船曳きと黒い瞳のアップテンポのリズムに載せ、流暢ではない日本語で「陪審員の皆様!」と語りかけ。
道化二人の演技、踊り、パフォーマンス、そして人形も、全て想像を絶するものだった。ブルガリア人形劇界万歳!こんな外套、観たことないわ。ハラショー。

序盤はそれなりに楽しみつつも「はてさて、いつアカーキーさんは出てくるんだろう?外套の話はどこから?」と思いながら観ていたのだが、アカーキーさんはちゃんと誕生の場面から現れるのだ。
アカーキーさんは、そして仕立て屋のイヴァーノヴィチさんは人形だ。

「陪審員の皆様」
「お前もなんか言えよ」
等々つたないお二人の日本語の台詞が、実に味わいを醸し出していた。

3公演全て満席だったそうだ。
残念なことにもう一方の公演アンデルセン原作「お父さんのすることはいつもよし」は観に行けないが、24日から26日、まだ若干のお席の余裕があるとのこと。
都合の付く方は是非是非。

左の上下の写真が「外套」、右が「お父さんのすることはいつもよし」
中央はポスター

創立85周年・川尻泰司生誕100年を記念?
パネル写真が数多くかかっていたが、こちらは懐かしい!「うさぎの学校」

川尻泰司さんの人形にプー吉とチビ(犬)、たぶん「十二の月のたきび」のマルーシャ等
NHKのパペットエンターテイメント(←人形劇って言わないんだよ)「シャーロックホームズ」のポスターがあった。そうか、スタジオ・ノーヴァ作品なのだ。



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