2014年10月13日月曜日

ロシアは暗いのか または神楽坂で遇った人

今日は家族の誕生祝いでご馳走をふるまおう!
というわけで、一日ロシアカフェ«スバボーダ»(主催:ロシア雑貨店マリンカ、ロシア雑貨店パルク←いつもお世話になっています!)に行ってきました!
場所は神楽坂のア・ポワンというフランス料理のレストランです。
私は学生時代飯田橋でアルバイトをしていたので、このあたりはとっても懐かしいです。
神宮からの優勝パレードも神楽坂のこのあたりをねり歩いたものです。
(当時ア・ポワンはなかったと思いますが。というか、その頃そんな高価なお店には全然入らなかったし。)

荻野恭子先生の新著『ロシアの保存食』刊行記念トークもあるので、久しぶりに先生にもお会いしてきました。



ロシアのお料理の良さ、ロシア人のもてなしのよさについてのエピソードもさることながら、そうだよなあと思ったのは、サモワールは勿論「自分で沸く」というロシア語から作られたロシア発祥の湯沸かし兼ティーポットなのだけど、今のロシアではお茶を入れるのに使われている場面は殆どない(シベリア鉄道車内とかレストランとかに限られる)、今やインテリアとなっているが、イランでは今でも普通にお茶を入れるのにサモワールが使われているというお話。確かイランでも「サモワール」っていうんでしたよね。(で、イラン人もお茶の時間をとても大切にする、喧嘩していてもお茶の時間には一緒にいただく。)

ロシア料理店ではなく、フランス料理のレストランでのロシアカフェでしたが、メニューはいたってロシア的でした。
写真とともに紹介します。

1.ビーツのサラダСалат из свёклы サワークリーム和え 色が美しいピンクです。

2.シチーЩи キャベツの発酵漬けと牛肉のスープ 最も伝統ロシアっぽいスープですね。


3.クレビャーカКулебяка サーモン、カッテージチーズ、ほうれん草入りロールパン
 
拡大して見ましょう。

 
4.紅茶Чай и моложеное с вареньем ブルーベリージャム添えアイスクリーム


 


これまでロシア料理を食べに行くというと、あまりのボリュームにおなかがくちくなり(ベンジャミン・バニー氏状態)苦しくなるところですが、ザクースカやいわゆるメインディッシュの肉料理なしのこのくらいのメニューでちょうどよい満腹感が味わえました。
具だくさんスープとこれまた具だくさんのロールパンで充分な量です。

(ただ、このお店、なぜかお料理を持ってくる際にお盆を使わず、両手に持って運んでくるので、一度に二つずつきりで行ったり来たり。お料理が行き渡るまでに膨大な時間がかかっていました。あまり能率的でないように思うし、某友人だったら「お皿の縁に指が触れていて気になる、替えてきて!」とかクレームをつけそうな危うさがありました。)
これは荻野先生のお持ちになったハーブ。
容れ物は元クラスメートのリューダさんがプレゼントしたものではなかったか。
13日追記:
リューダさんのプレゼントはこれではなく、新著『ロシアの保存食』扉頁の写真に写っているマトリョーシカの調味料入れセットですね。
私も最初にソ連に行った時にモスクワのベリョースカ(インツーリストホテルの1階にあったもの?)でお土産に買いました。

お食事の後、TVロシア語講座などでもお馴染みの民族音楽アンサンブル«ガルモーシカ»のマキシム・クリコフさん(東洋文庫の講座でお会いしたことがある、小説で賞をとったこともある、極めて多才で日本通の凄いアーティストにして学者!)とイリーナ・コルネワさん。
このミニライブはなかなか選曲がよく、いかにもいつもこういうコンサートで演奏されるいわゆる“ロシア民謡”ばかりではなくて、明るい曲調で軽いノリの、ロシアでとてもポピュラーなものが多く、これはロシアの歌謡と言うと短調で暗いムードというのをおそらく意識して避けたからなのだと思います。

「私のバグパイプ」 牛を集めるときにやはりバグパイプを使うとのこと
「トゥー・ステップ」 1920~30年代の社交ダンスの曲。現在ではダンスを離れてよく知られている人気曲。(日本人でも聞いたことがあると思う。)
「月は輝く」
「おお、カリーナの花が咲く」 好きな男性にまだ思いを伝えられない娘の切ない気持を歌っている
「カマーリンスカヤ」
ロシアと日本の曲のメドレー「カチューシャ」「恋の季節」「カリンカ」「?(たぶん日本の歌謡曲)」「ポーリュシカ・ポーレ」「泪そうそう(たぶん。私はよく知らないので)」「一週間(チュリャ)」「泳げたいやきくん」「上を向いて歩こう」「モスクワ郊外の夕べ」

ライブ終了後、できたての『ロシアの保存食』を入手し、『パンとお菓子』『スープ』(持参してきた)とともに荻野先生にサインもいただきました!(並んだ。先生はもはやすらすらとサインをこなしていらした。)

また、荻野先生から、誕生日の家族にプレゼントをいただきました。
どうもありがとうございます!

そして、ちょうどお店を出たところ、ちょうどお祭りの行列が通るところでした。
先頭には火消の○組みたいな装束の人たち。
でも時代劇に出てくるような人(近世以前)はおそらくそこのところだけで、そのあとにはこのとおり明治以降近代日本の文化人に扮した人たちが続きます。(人力車もあり。)

まず目についたのが、温かそうな毛皮の帽子とマントの二葉亭四迷。
おやおや、架空の人物もいますね(坊っちゃん等)。
高浜虚子は随分お爺さんだな。
神楽坂所縁の夏目漱石先生もいらっしゃる。
(猫はいないなあ。)


あら、さほさん、ほら!
『女三人のシベリア鉄道』のヒロインの一人、与謝野晶子もいますよ。
見物していてなかなか楽しかった。
それぞれ似ている具合はどれほどなのかちょっと微妙でしたが、あんまり大袈裟じゃなくて楽しんでいる感じで。

荻野先生は相変わらず笑顔が素敵でした!

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