二日連続イメージフォーラムに通う。
時代は60年代、舞台は中欧、主人公は二人の女性。
といっても、所謂「女の子映画」はヒティーロヴァーの「ひなぎく」(下の写真右のチラシ)の方だ。
写真左のプログラムパヴリコフスキの「イーダ」は狭義には「女の子映画」ではない。
ガーリーじゃないんだ。
どちらも観るのは2回目。
「ひなぎく」はずっと前に今は亡きバウスシアターで観た。
残酷なまでに若々しいキッチュなガーリーな映画。
観客は見事に女の子ばっかり。駅までの道すがら、踏みにじられたサラダ云々の議論沸騰。それをかもられたおじさまたちとするなら哀れみは感じない。無論ヒティロウ゛ァーはそんな浅薄なクリエーターではない。
「イーダ」は去年のポーランド映画祭で観た。
プログラムでは久山先生が丁寧にこの映画のポーランドの時代背景を解説されている。
先の大戦中(戦争直後も)行ったユダヤ人に対しての犯罪に手を染めたのはナチス・ドイツばかりではない。
ユダヤ人を追い出してその財産をいただいてしまうというのはチェコスロヴァキアのアカデミー受賞作「大通りの家」にも現れるし、隠れた名作と言ってよいだろう「僕の大事なコレクション」はウクライナの人々の反発を呼んだ。
今になって明らかになりつつあるが、ポーランド人はドイツ人に占領され命令されてしぶしぶではなく、主体的にユダヤ人迫害を行ったのだ。
決して暴き立てるような雰囲気ではないが、正統なポーランド派の作風を保ち、かっちりとそして充分に静謐でクラシカルな魅力を湛えつつ、テーマにおいてはようやく今になって取り上げられるようになった、そういう作品だ。
昨夜の「ひなぎく」は、8月1日の映画の日、そして最終上映日だったこともあり、立ち見の出る盛況ぶりだった。
そして、いつもは年配者の多いイメージフォーラムが、ヒロイン二人のような若くてやや攻撃的な魅力を持った女の子たちだった。
そして、今日。「イーダ」初日初回。
9時過ぎに会場に着くと、もう列をなしている!
しかも、いつもみたいに建物の北側の日陰にではなくて、反対側の日向の方に列が伸びているではないか。
まあああああああ、イメージフォーラムさんどういうこと?
この炎天下倒れる人続出するのでは?
と心配になりつつ待っていたが、この列の殆どは「イーダ」待ちではなくもう一本の作品の観客だった。
「イーダ」をご覧になる方と呼ばれて行ってみると(通常よりかなり早く開場していただけた)、館内は涼しい!そして余裕でビールプレゼントがつく先着25名にはいることができた!(それが上の写真左の缶)
最終的には「イーダ」も補助席を出す満員御礼となった。
地味な映画だけどね。
あの「木漏れ日の家で」のモノクロフィルムの美しさは絶品だが、この作品もひけをとらない。
さすが、さすがはポーランドいまだ滅びず。
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