映画「ローザ・ルクセンブルク」は、「ハンナ・アーレント」好評につき、モーニングショーで上映中だ。
今まで観ていなかった。
以前友人から「ローザが腕組んで牢獄を歩き回っている映画だっていう(伝聞)」という情報を得ていたので、身構えてしまっていた。
ドイツの社会主義者の面々がぞろぞろ出てくるけれど、名前と顔を一致させるのがなかなか大変なのだった。
それにプラス奥さんの名前も。
ローザが最初に手紙で呼びかけているゾーニャ(ゾニチカ、ゾンカ、ゾーネチカ)はリープクネヒトの、政治の話には関わらないというルイーゼがカウツキーの奥さん。
クララ・ツェトキンとは親友で家族ぐるみの付き合いをしていた・・・のが、突然息子と深い仲になっていてびっくりだが、そこで喧嘩別れしないクララ・ツェトキンは偉いぞ。
ツェトキンの息子たちはマクシムとコスチャ(字幕では「コスチア」だったが、コンスタンチンの略称のコースチャであろう)という、ロシア風の名前。
ツェトキン自身がロシア系か、ロシアに親しみを感じているからかと思ったら、最初の夫がロシア人だったのですね。
(サッカー選手のコンスタンチン・ラウシュによれば「コースチャと呼ばれるのは家庭内とソ連圏からの移住者たちからだけ。ドイツ人には言いにくいらしく、コッカーというのが自分のニックネーム」とのことだった。)
どんどんネタバレさせると、ローザの何度目かの逮捕勾留の際、コースチャは直前に召集されており、愛猫(出演猫好演)を同志に託して行くが、その後ほぼ同時期にその両方の死を知ることになる。
お国のためなんていう美辞麗句によって戦争協力に染まってゆく世相も相まって、いわゆるヨブ記のような事態に自殺さえ考えたともらすローザに、若干今の自分を重ね合わせてしまったりする。
こんなとき、いかに判断を誤らせず正気でいられるのか、一生考えていないといけない。
あれは第二インターナショナルの会議なのだろうか、国際会議で何カ国語かでスローガンが掲げられている中、ロシア語では
«война войне»
と書かれていた。
主格と与格。
「戦争は戦争に」?
いや、この場合与格要求の動詞が章省略されていると考えた方がよいのだろうか。
「戦争が戦争を促す」とか。
古くはバーナード・ショーが(«Посмеете ли вы объявить войну войне?»)、第二インターの後には1924年にマヤコフスキーが(«Миру — мир, война — войне»)このフレーズを使っているとのことだ。
パートナー?のレオとはポーランド語+ドイツ語で会話していたみたいだが、
当時ポーランドの官憲はロシア語を話していたようだ。
たぶんポーランド語ではない。
まあ、そんなわけで(というほど説明していないが)、予想していたより見どころの多い作品だった。
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