初めてって言うのは、全曲完全に聴いたのは、という意味でなのだが、人生最初の全曲聴いた受難曲がバッハじゃなくてディーテリッヒ・ブクステフーデであったという。
なかなかマニアック。
しかも、
・実際に礼拝堂で演奏する
・当時の演奏方法を考慮しつつ、現況に即した編成で対応
というのを、音楽大学ではない一般大学での正規の授業の一環として行う演奏会であり、さらに楽章の冒頭に聖書の関連個所の朗読もあるという、得難いものであった。
ドイツ・バロック受難音楽
ブクスフーデ«我らがイエスの御体»全曲演奏会
~慶應義塾大学コレギウム・ムジクム アカデミー声楽アンサンブル演奏会
プログラム・ノートにはびっしりと、作曲家について、当時のドイツの教会、そして受難音楽が演奏されるという社会的運動について、充実した記述がされてていて、知識ほぼゼロの私には大変ありがたかった。
(そのうえ歌詞対訳完備→歌詞については指揮者による訳であり、朗読される聖書は新共同訳なので、かなり乖離していたというのはあったけど。)
2時間たっぷり休憩なし、中には寝息をたてている方もいらっしゃいましたが、昨夜夜更かしをしたのに午前中の映画でもこの演奏会でも全然寝ないでいられたなあ。
いや、実に。
学生、しかも音大生でもない一般学生の授業の一環とは思えない(ソロと一部楽器はプロですが)、濃厚な音と空間を感じさせるものであって、これで1000円也って、とてもとても素晴らしかったと思う。
慶應ってどうしてこんな贅沢なことができているの?
マースレニッツァことカーニバルは先週で終了。
受難節の始まりに、精神的にも効いてくるような、有り難い経験だった。
以下は聖書朗読箇所のメモ
Ⅰ 御足に寄す
ナホム書2:1
ルカ7:37~38
Ⅱ 御膝に寄す
イザヤ66:12
マルコ15:12~20
Ⅲ 御手に寄す
ゼカリヤ13:6
(対訳だと「汝の掌(たなごころ)の真中なる/その御傷ぞ」だが、新共同訳だと「あなたの胸にあるこの傷」となっている)
マタイ8-1~3?
Ⅳ 御脇腹に寄す
雅歌2(13となっていたが誤植と思われる):(10~)13-14
ヨハネ福音書19:34
同 20:25
Ⅴ 御胸に寄す
Ⅰペテロ2:(1)2-3
Ⅵ 御心(心臓)に寄す
雅歌4:9
Ⅶ 御顔に寄す
詩篇31:16
Ⅱコリント
アンコール
讃美歌21の310番=讃美歌第1篇136「血しおしたたる」
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