2011年8月29日月曜日

今年の「ひろしま」

ロシア旅行の間に届いていた手紙の中に、宮城の友人からの先日のお見舞いに対するお礼状。
それに日本文学の先生をしている友人からは映画や書籍を紹介する丁寧な手紙。

彼女が紹介する映画
*教育学者大田堯のドキュメンタリー映画「かすかな光へ」 ポレポレ東中野
*関川秀雄監督「ひろしま」 オーディトリウム渋谷 26日まで上映予定が、延長されモーニングで9月4日までは上映されるようである。
*「はだしのゲンが見たヒロシマ」 オーディトリウム渋谷で上映していたが、26日で上映終了だった模様。

恥ずかしいことに、どれも観に行っていなかった。
映画館の予告編などでそれらの作品が上映されることは知っていたのだが、旅行に行くまでは気忙しくて観る余裕がなく、26日に帰国してからは少々疲れている。
だが、観ねばなるまい。

彼女の感想によれば、
「正直言ってどちらの作品も(『原爆の子』に触発されて撮られた新藤兼人監督「原爆の子」と上記の「ひろしま」を指す)傑作とは決して言えない」
「戦争と子どもと言うテーマだったらタルコフスキーの「僕の村は戦場だった」にはとうてい敵わない」
「核と子どもの問題だったら、コンスタンティン・ロプシャンスキーの「死者からの手紙」には遠く及ばない」
「映画としての文学性・芸術性・さらには社会性についても、ロシア映画に軍配が上がる」
「ただ、「ひろしま」は8万人以上の広島市民が被爆後(敗戦後)8年の段階で(中略)演じては泣き、泣いては演じたといわれる作品(であるので、そに意味で価値が高い)」
「最後の行進場面は印象に残る」
「子どもたちが方言で話していないのが残念」
とのこと。

「死者からの手紙」は、私もすごくいいと感心しました。
ソ連初の人類滅亡を描いた映画だという。
(ソ連は「絶対に発展する」社会のはずだったので、人類が滅亡する未来なんて描いてはならなかったのだ。)
ロラン・ブィコフ演じる老人の優しさに心が震えずにいられない。
この夏アテネ・フランセの特集映画でやっていたので、この状況下で再見し、やはり今再び観るべき作品であったとの認識を改めて持ちました。

「ひろしま」
長い間忘れられていた幻の作品だったそうだが、助監督だった方の尽力で、この夏日本各地での上映が実現したとのこと。

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