アゼルバイジャン映画なのだが、ヒロインを演じたファテメ・モタメダリアさんは(名前から察せられるとおり)イラン人であり、ペルシャ語話者なのである。
彼女曰く「自分とまったく違う役を演じる、言葉も、国も、年齢も、それが困難だった」
というとおり、若々しく美しい方なのだが、役の上では、病身の夫と牛と共に暮らす高齢の女性。
上映後のQ&A(最後まではいられなかった)で、英語通訳の方はどういうわけか訳さなかったが、舞台となっているのはナゴルノカラバフの、アゼルバイジャンとアルメニアとの紛争だ。
「処刑の丘」の雪原に洗濯物のシーン、「炎628」のスープ食べかけシーンを思い起こす。
美しく、残酷な場面で、戦乱を直接スクリーンに出ていなくても戦争が人々の日常生活を無慈悲に奪う様を露にする。
寡黙で訴えるものの大きな佳作。
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