2014年12月21日日曜日

ソ連のイケメン宇宙飛行士たち

映画「ガガーリン 世界を変えた108分」が昨日から新宿・有楽町・横浜等で公開されています。
レビューはおいおいするとして(早めにしないとなあ。でも今ポーランド映画祭で忙しいのだ)、宇宙飛行士候補生を演じた俳優さんたちのプロフィールを簡単に載せておきます。
(ほんとに簡単なものです。)
宇宙飛行士候補者のプロフィールは書籍『ロシア宇宙開発史』やサイト「ロシア宇宙開発史」を参照。

ついつい「イケメン」とか書いちゃいますが、そりゃガガーリン(本物)は笑顔がものすごくチャーミングな人だったようで、勿論超人的な努力をされ、時代と運が味方し、というのもあったにせよ、「シンパチーチヌィ(共感できる)」魅力が、たった一つの「人類初の偉業」の椅子を勝ち取るうえで大きなポイントになっただろうと、私も思います。
(何せ人類初です、ソ連としても見栄えの悪い人を選ぶはずがありません。)
ガガーリン役を演じたヤロスラフ・ジャルニンも、これで観ると素敵な若者で、完璧な美形くんですね。

この手の映画を作るにあたって、絶対的売れ筋を狙うなら、候補生たちを超絶イケメンで固め、集団的美男攻撃をするべきですが、この「ガガーリン」はそんなにあざとくはありません。抑制的です。

ここで奥ゆかしい「ガガーリン」の出演者たち(ひとまず宇宙飛行士候補生たちに絞りました)をチェックしましょう。

ユーリー・ガガーリン役のヤロスラフ・ウラジーミロヴィチ・ジャルニン
1986年3月25日、美形の産地ニージニー・タギール出身。
17歳でモスクワに出てモスクワ芸術座付属学校に入るが卒業はせず、2004年に全ロシア映画大学俳優コースに入学し、アレクサンドル・レンコフ及びセルゲイ・アルドニンに師事、2008年に卒業。
2010年より「ブルガーコフの家」付属テアトル・ブー( «Бу...» при Булгаковском доме)所属。
2013年6月、女優で歌手のエロナ・カザコヴァと結婚。
映画デビューは2005年「マンガ」(主演)、2008年「カラシ」「パリへ!」等で主演等、数々の映画(TV映画シリーズ含む)に出演。
「メトロ42」ではオタクっぽい地下鉄職員役(見逃した人はDVDでご覧ください)、「エレナの惑い」ではカメオ出演?
※追加情報:ズウ゛ャギンツェフの「エレナの惑い」では食料品店の配達のお兄さん役か。この人ならたくさん買い込んで運ぶの手伝ってもらうなという感じのよい若者。実際にはロシアでは若者より年配者の方が親切だと感じる。
髪の毛を額に下ろすと、案外ココラに似ているかも(ロシア・サッカー期待の若手、というより主軸のアレクサンドル・ココリン←実はぶちゃいくだと思っていた)。

ゲルマン・チトフ役ヴァジム・セルゲエヴィチ・ミチマン
(パンフレットには「ミシマン」となっていたが、キリル文字を文字通り起こすと「ミチマン」になる。)
1986年6月16日、おお、なんとクイビシェフ(現サマラ)生まれではないか!
ヴォルガ河畔の航空産業の町、サッカークラブが「クルィリヤ・ソヴェートフ(ソヴィエトの翼)」となっていることからも、空と宇宙とに大いに所縁のある土地柄です。
2003年にモスクワに出て現代芸術大学の軽音楽・ジャズ歌唱学科に入学、2008年卒業。
モスクワオペレッタ劇場の「モンテ・クリスト伯」や、「マンマ・ミーア」出演などオペレッタやミュージカルに多数出演。
映画出演は2011年の「ステップ・バイ・ステップ」と2013年「ガガーリン」の2作。

グリゴリー・ネリュボフ役のダニイル・ウラジーミロヴィチ・ヴォロビエフ
1981年8月30日生まれ
この人もキャリアは長くて多作です。
しかし、ネリュボフはこのあと非常に可哀想な人生を送ることになってしまったのですよね。


アンドリヤン・ニコラエフ役のアナトリー・セルゲエヴィチ・オトラドノフ
エンドクレジットのトップに、囲い文字で記されていたのがこの人。
(亡くなられた方なのだと思ったが、まさかこんなに若い俳優さんだったなんて。)
1982年3月6日レヴダ生まれ、2012年1月30日没(亨年29歳)。
エカテリンブルグ演劇大学卒業後、エカテリンブルグの劇団、ニージニー・ノヴォゴロドの劇団「コメディア」で活躍した。映画にも多数出演していた。
人と会いに行って家に戻らなかった翌朝にモスクワ郊外の村で意識不明で発見され、病院で死亡が確認された。アルコールと薬の過剰摂取だが、他殺かも…。残されたご家族に癒しと慰めを。
彼が演じたニコラエフはその後順調に宇宙飛行士になり、また女性初の宇宙飛行士テレシコヴァと結婚、そして離婚している。

アレクセイ・レオーノフ役のアナトリー・アレクサンドロヴィチ・グーシチン
1976年11月30日チュバシ出身(お母さんがチュバシ人)。
モスクワに出てシューキン演劇学校を卒業し、ニコライ・グベンコのもとでタガンカ劇場で演じていた。
レオーノフさんはその後人類初の宇宙遊泳(船外活動)をするなど宇宙で大活躍、ソ連・宇宙分野での第一人者となり、来日もしていて、ご存命。

パーヴェル・ポポヴィチ役のセルゲイ・ヴィクトロヴィチ・カラシニコフ
1974年5月9日生まれ。まあ、対独戦勝記念日のお生まれですね。常に国中がお祝いムードなんだ。
「ナイト・ウォッチ」等に出演。キャリアは2003年から。
ポポヴィチさんもご存命。

(敬称一部略。追補するかも。なお、科学者編は追って記述予定。ベテラン俳優さんたちはキャリアを調べるのがそれなりに大変なので。)

0 件のコメント:

コメントを投稿