2010年11月23日火曜日

アホイ!絵本原画と人形劇

千葉市美術館まで、とにかく遠い!
駅(JR千葉駅)からもちょっとあります。
が、モノレールは高いし、モノレールの駅だって間近と言うわけでもないので、千葉駅から歩きました。
但し、モノレールの駅まで上がって行って、定期券売り場で、展覧会の前売り券を買ってから。

千葉駅前にはこんなものが↑
一緒に行った母が紙吹雪が落ちてないかチェックしていましたが、さすがにきれいに片づけられていました。
さすがマリーンズファン。

千葉駅前の掲示板にありました。
が、そんなに宣伝はされていなくて、ひっそりしていました。
モノレールの駅の売り場にはポスターもチラシも案内も何もなく、ほんとに売っているのかな?という雰囲気でした。

さて、駅前通りをてくてく歩き、思ったよりずっと小さかった公園の傍らを通り、まだまだ歩いて「広小路交差点」まで来て、曲がって中央市役所・千葉市美術館前にやってきました。

開館15周年記念
世界の絵本がやってきた
ブラティスラヴァ世界絵本原画展チェコの人形劇展


隔年開催で野間コンクールと入れ替わりに開かれている、ブラティスラヴァの世界絵本原画コンクールの入賞作品の原画。
2009年はスペインのタシエスさんがグランプリでした。
暗い色調で力強い輪郭を持つ絵。
はっきり言うと不気味で、一見子ども向けではないかも。
戦争反対を訴えているという。

金のリンゴ賞
ベラルーシのパーヴェル・タタールニコフさん『アーサー王物語』とロシアのボリス・ザビローヒンさん『ロシアの昔話集』はゴージャスで、これまた子ども向けには思えない。
というか、豪華で誰が買うのか?という気もする。
絵は結構好き。
図録に本自体が掲載されていないのが残念。
(展覧会の会場には展示してあります。)
『アーサー王物語』は何故英語本なのだ??

スロヴァキア勢健闘とのことだったが、特に私が気に入ったのはマルチナ・マトロヴィチョヴァーさんの『トレーシーの虎』。
ウィリアム・サロヤン原作。
うーん、こういう子ども向けのものも書いていたのか、サロヤン。

日本作家の作品はなぜか猫多し。
あべ弘士さんの『ねこのおいしゃさん』
ささめやゆきさん『だんまり』
高畠純さん『どうするどうするあなのなか』

人形劇の方は、展示がシンプルすぎて工夫が足りないように思えました。
チェコの人形って、ヤン・シュヴァンクマイエルの作品にもよく登場するけれど、まともに無気味ですよね。
可愛くない。
のが圧倒的。
そういう糸操り人形が単にずらずら吊るされて展示されています。
頭部に棒がついているだけの、本当に単純な作りの操り人形もあります。

家庭用の人形劇場セット。
自分で手作りしましょうタイプのものやら、緞帳や背景を取り換えられたり、上下の照明付きのものやら、なかなか面白い。
これ、あちらではほんとうに一家に一つ(以上)あるものなんです。
キエフの洞窟修道院の敷地内にあった演劇博物館にも、こういうもの(もっと大きい)がありました。

かつて、黒田龍之助先生は「ああいう人形が家の中にあったら、私は嬉しくないです」とおっしゃっていて、確かに瀬名先生が絵本に描くようなキャラとは全然違うわけだけど、うちには普通にこういうのあったなー。
ズデニェック・ポドフルスキーの人形だったら。
スペイブルとフルヴィーネクの糸操りは、ごく小さいものを、母の同僚の方からチェコのおみやげにいただいていたのに、子どものことだから私と弟はさんざん乱暴に扱って、手の部分が伸びきってしまっています。
ごめんね、お二人。
展覧会場にあったのはかなり大きいサイズのものでした。

イジー・トルンカの人形は、伝統的なチェコの人形と比べると、すごく可愛らしい。
一つ一つアニメーション作品が思い浮かんで懐かしい。
そして川本喜八郎先生。
先生はやはりポヤルとともに、トルンカの正統な筋だ、と感じます。

最後の体験コーナーには、やはり操演のプロが常時いてほしかったな。
千葉には立派な人形劇俳優がたくさんいるんだから。

ミュージアムショップはあまり充実していません。
というか、この展覧会自体、商売っ気は全くありません。
展示された原画の絵本もあんまり売っていませんし、絵はがきは全くありません。
図録も上述したように、絵本自体の写真が載っていないので寂しいです。

展示数はまあ普通ですが、じっくり観ていくと、そのうち時間がなくなり(何せ遠くから来ているので)、人形劇映像上映(40-50分)が観られませんでした。
だから大変だけど、また行こうかなあ。
(二回観に行くなら、実は年会費払って会員になった方がお得。)
会期は12/5(日)までだから、苦しい・・・。

巡回する来年のうらわ美術館でも同じ映像を上映するのだろうか???

野間コンクールでは、大挙応募して、必ず入賞するイランからは、今回は入選作はなかったようで、ファルシド・シャフィエイさんの『お砂糖でできた人形』の絵本の展示があっただけでした。
表紙を観ただけですが、よさそうでした。
既視感はありますが。

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