2011年5月11日水曜日

ホームスタジアム

遅まきながら、昨年夏のロシア旅行の写真整理を、リシャット・ムラギルディン『ロシア建築案内』と昭文社の「マップルマガジン モスクワ・サンクトペテルブルク」(2008年刊)を参照しつつ、やっているのだけれど、「まっぷる」のモスクワ地図を見ていて、驚きの表記があるのに気がついた。
別冊街歩きMAPの6ページである。

C1の地下鉄2号線の駅「ディナーモ」の近くには、当然あのスタジアムがある。
それが「ディナーモ・スタジアム(CSKAモスクワ)」と書かれているのだ。
なぜディナモスタジアムにツェスカがカッコ書きされているの?
まったくもって意味不明だ。
ディナモのファンが見たら暴動を起こしかねないぞ!

さらに、C4のヴォロビヨーヴィ・ゴールィ地区にあるあのスタジアムは・・・。
ルジニキ・スタジアム(スパルタク・モスクワ)」と書いてある。
えー、何これ?わけわかんない。

モスクワのディナモ・スタジアムはその名の通り、ディナモ・モスクワのホームスタジアムだ。
ルジニキはスパルタークやツェスカも使うけれど、保有しているのはトルペド・モスクワ(一部リーグ所属)のはずだ。
スパルタークやツェスカは、厳密には未だ自前のホームスタジアムを持っていない。
ともに建設途上だ。
2012年頃完成とか言っていたけれど、日本で言えば建築紛争調停委員会みたいなのに係って、着工が延び延びになっていたはずだ。
それまでの間、ルジニキスタジアムやアレーナ・ヒムキ(一部リーグ所属のFKヒムキ保有スタジアム、小さい)に間借りしている。

実はディナモスタジアムも改修されようとしていて、プレミア所属のモスクワのクラブできちんと自前のスタジアムでホームゲームが行えているのはロコモチフだけなのだ。

ディナモスタジアムは改修後はレフ・ヤシン名称ディナモ・スタジアムと、クラブ史上及びソ連・ロシアサッカー史上最高のプレイヤーの名を冠することになる。
(近々「12の椅子」で扱う予定。)

なんか、ちょっと、今更感がしませんか?
「チャイコフスキー記念コンサートホール」とか「ワフタンゴフ劇場」とか「ロモノフスキー名称国立モスクワ大学」とか、建築物に人の名前をつけるのがやたら好きなロシアなのに、レフ・ヤシンの名をつけていなかったのか???
トルペド・モスクワの往年の名選手、エドゥアルド・ストレリツォフの名は、旧トルペド・スタジアムに冠せられていて、ディナモ・キエフのホームであるキエフのディナモ・スタジアムにはヴァレリー・ロバノフスキーの名が残されている。
なのになのに、これまでGKでバロンドールを獲得したただ一人の人、レフ・ヤシンの名が、今までなかったとは…。

ディナモ・モスクワ。
クラブ名=ホームスタジアム名=最寄り駅の名
である、(エミレーツのことをアーセナルスタジアムといってもよいのなら)世界たぶん唯二のクラブ。
もしかしたら唯一のクラブ。


地下鉄ディナモ駅(1994年撮影)
ディナモ駅構内(1994年撮影)

0 件のコメント:

コメントを投稿