昨日の静岡ダービーでの、二人の未成年者によるゴトビさんへの「誹謗中傷」行為、実は相当頭にきているのです。
でも、できるだけ冷静になろうと心掛けます。
彼らは「考えないでやってしまった」と言っているそうです。
確かに、熟慮してやった行為ではなく、浅はかであったことは明白なんだけど、結構手間暇かけてつくった横断幕のようなので、全く何も「考えないでやってしまった」行為というわけでもない。
エスパルス監督のゴトビさんを貶める意図があったことは明らか。
ただ、彼らがゴトビさんに対して「つくるな」という「核兵器」が、最大生産国であるアメリカ(ゴトビさんは現在アメリカ国籍所持者である)の核兵器なのか、核兵器製造疑惑下にあるイラン(ゴトビさんはイラン出身で、エスパルスの監督に就任する前はイラン代表の監督だった)の核兵器なのか、については、この際確認しておきたいところです。
とは書いたものの、うすうす感じてはいる。
彼らはきっと、ゴトビさんがイランに生まれ、79年のイラン革命時に亡命し、アメリカ国籍を取得した、というバックグラウンドを知らなかった、知ろうとしなかったこと、「イラン=悪の枢軸」という西欧側の言説を鵜呑みにしたものであるということ。
そして、聞きかじったイランの核兵器製造疑惑を、そのままただイラン出身だという相手チームの監督に結び付けた愚かな行為だったということ。
彼らにとって、イランのイメージがこういう貧しいものなのだと知らされたのが、イランびいきの私にとっては一番悲しい。
また、「核兵器つくるな」というメッセージが、こういう文脈の中で使われたというのも、すごく悲しい。
アメリカにせよ、イランにせよ、もちろんイスラエルにもフランスにもロシアにも中国にもパキスタンにも、「核兵器つくるな」と言ってしかるべきだ。
ベラルーシ出身のジャーナリスト、スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチは、「戦争の被害を描いた映画を、若者たちがアイスクリームを舐めながら観ているのに戦慄した」と書いていました。
第二次世界大戦最大の犠牲を出した旧ソ連でさえ、「今の若者」はそうなっている、でもそれは半ば納得できるのでした。
’世界最初の被爆国’日本でも、被爆体験の継承は、多くの人々の努力にもかかわらず、やはり風化していっていると感じざるをえないのですから。
かの未成年者たちも、本気で「核兵器をつくるな」と考えているのなら、おそらくこういう悪い冗談レベルでこのフレーズを引っ張り出してくることもなかったでしょう。
この点も、非常に残念なことです。
追記
横断幕を掲げる行為に及んだのは、未成年者2人に留まらないようです。
フーリガンまがいのファン組織が関わっており、仮に未成年者2人にのみ処分で終わるならば、単なる蜥蜴のしっぽ切りになるでしょう。
ジュビロそのものへの恨みはありませんが、ここは再発防止のために最低でも勝ち点剥奪くらいの厳正な処分をするべし!
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