ガリーナ・ウラノヴァ 「ロメオとジュリエット」等演劇的バレエの名花であった、という。
先日亡くなった不世出の名ソプラノ、ガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
ボリショイ劇場とガリーナという名前はこれまでも深く結びついていた。
10年くらい前、懸賞にはまっていた時期があった。
そんな中で、あれはビギナーズラックというものなのだろう、バレエのオールスターガラ公演のチケットの懸賞に自分や家族の名前で出したら、公演日の3日間全部について当選してしまった、ということがあった。
バレエ好きのクラスメイトと一緒にオーチャードホールとNHKホールに観に行った。
オーチャードホールの公演が跳ねてからBunkamuraの1階でふと前を見ると、すらっとして気品のある40歳代かと思われるような女性が歩いていた。にこやかだった。
目を疑った。写真でこれまで観てきたところによると、この女性はあの!マイヤ・プリセツカヤ、”戦う白鳥”その人だったのだ。
プリセツカヤは当時でも70歳を超えていたはずだが、せいぜい40代にしか見えなかった。
そして彼女は舞台(「瀕死の白鳥」を舞った)でも、誰よりも力強く舞う、死に瀕しにいるようには見えない、誰よりも元気な白鳥だった。
プリセツカヤと共に、ガリーナ・ステパネンコとセルゲイ・フィーリンは確かその3日間とも出演していたと思う。
二人の舞は、(匹敵するのが適当ではないかもしれないと、自信はないのだが)ニーナ・アナニアシヴィリとファジェーチェフのように素晴らしいコンビに見えた。
(アナニアシヴィリとファジェーチェフは実生活でもカップルなのだろうと思っていた。)
あのとき観たダンサーたち、その多くは今や振付の世界に転身している。
ステパネンコはこの1月に正式引退、ボリショイのスタッフになったばかりだった。
フィーリンもいつのまにかボリショイの芸術監督になっていた。
あ、そうか。ラトマンスキーの後任だったのか。
ラトマンスキーはよかった。
岩田さんともども来日した数年前の公演では、私は初めて自腹でチケットを買ってバレエを観たのだった。演目はショスタコーヴィリの「明るい小川」。
しかしフィーリンは見かけによらず結構押しが強いというか強引なところがあったらしい。
そのためなのかどうかはまだまったくわからないが、何者かに強酸性のものを顔に浴びせられるという、漫画のような事件が起こっている。
失明の危険はなくなったものの、復帰にはまだしばらくかかる。
というので、代理の芸術監督が発表された。
それがガリーナ・ステパネンコだったのだ。
ボリショイのトップに女性がなったのは、これが初めて。
ウラノヴァもヴィシネフスカヤも、男性の上に立ってということはしなかったし、望みもしていなかったろう。
ガーリャ、フペリョート!!
Исполнять обязанности Сергея Филина будет Галина Степаненко
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