2011年1月9日日曜日

レント(受難節)~復活祭(パスハ)に贈る本

Windows Liveからのお引っ越し記事。
クリスマスシーズンが終わったばかりで、復活祭にはおろか灰の水曜日もまださきだけれど…。
この期間はなぜだかブック・オブ・ザ・イヤーに当たる時期なのですが、季節的に感性がいつになくとぎすまされてくるからなのかもしれません。クリスマスほどメジャーではないけれど大切な、レントとイースターのときには大切な人に大切な本を贈りたいもの。

著者アントン・チェーホフ著中村喜和訳ドミトリー・テーレホフ絵
ISBN: 4896422414
復活大祭までの一週間、思わぬ出世した副主教の前に懐かしい母親の姿。思い起こす過去の日々。チェーホフ最晩年の大傑作。

著者: アントン・チェーホフ著児島宏子訳ユーリー・リブハーベル絵
ISBN: 4896421493
ストーリーとしては「五月待つ花橘の香をかげば」なのだが、村の橇山での恋の囁きはきっとマースレニッツァの頃のこと。その後受難節に入っても、人は甘やかな思い出を決して忘れないもの。

著者: アントン・チェーホフ著児島宏子訳イリーナ・ザトゥロフスカヤ絵
ISBN: 4896421434
神学生が恐らくはほんの軽い気持ちで、ペトロの裏切りと慙愧の念を口にすると、純朴な未亡人とその娘は何か心当たりがあってか涙を流す。その光景に、神学生ははるかな時空を超えた確かな繋がり(それこそ歴史というもの)を感じる。この瞬間、この神学生はある種の変容を遂げ、言ってみれば「生まれ変わった」のではないだろうか?という気がして、レントの時期には必ず読みたくなり、人にも薦めたくなる、チェーホフの短編。

著者: ミハイル・ブルガーコフ法木綾子訳
ISBN: 4905821479
1920年代~30年代のとある年、受難週の水曜日、モスクワのパトリアルシエ池での悪魔ヴォランドの登場から幕を開ける、20世紀文学の最高峰。劇中劇ならぬ小説中小説で語られるのは過ぎ越しの祭り前夜のエルサレム、イエス処刑の際のポンテオ・ピラトの苦悩。ロシアの高校生の一番人気小説だというのが、私の感想は「ませガキらめ!」おどろおどろしい先入観を持っていたのだけれど、読んでみるとかなり笑えます。

著者ミハイル・ブルガーコフ法木綾子訳
ISBN: 4905821487
タガンカ、ユーゴ=ザーパド等、ロシアの人気劇団の、必須レパートリーでもあります。故アヴィーロフのヴォランドは「この人、この役を演じるために生まれてきたんだ!」と思えるほどだった・・・。

著者ニコスカザンザキス
ISBN: 4770409192

著者ニコスカザンザギス
ISBN: 4770409206

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