2011年1月5日水曜日

ようこそ

今年の映画初めは「君を想って海をゆく」。
サッカー映画というよりは水泳映画なのですが、オデッサ・スタジオにレビューめいたものを書きました。

いい映画ですよ。
フランスの難民政策を問うものですが、説明過多ではなく、ダルデンヌ兄弟作品のようにじっくり描いていく作風で。

まあ少々疑問が残らないではなかったけれど。
2008年2月13日、と映画の冒頭に字幕が出て、ラストはマンチェスター・ユナイテッド対オリンピック・リオンの試合中継で、クリスティアーノ・ロナルドが決勝点をとるところ。
これは2008年3月4日、ヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2試合。
わずか3週間のあいだのできごとだということになる。
いずれにしても冬。
気候がよい頃ならなあ…。
ビラル役の子は、サッカーにしても水泳にしても、さほど秀でた感じの体つきをしていないうえ、3週間しかないのに(いくらコーチが良かったとしても)、ドーバー海峡を泳いでいくとは、あまりに無謀である、あまりにも。
だけど、それをやってしまうのが西アジアの純情である。

よくわからなかったのは、ビラルの友人のゾラン。
髭を生やしてビラルよりは年上らしい。
ビラルとクルド語で会話しているようなのだが、二人でシモンに車に乗せてもらう時に彼は
「スパシーバ」
って言うんですよね。
なぜだ?!
(その後もう一度「スパス…」という場面があった)
スラヴ諸語は基本的な言葉は割合似ているのだけれど、「ありがとう」に相当する言葉では、たいがいが「感謝します」という意味の言葉なのに対し、ロシア語だけ「神があなたをお救いくださいますように」からきた「スパシーバ」というあまり他と似ていない言葉を使っている。
ゾラン、ここで何故にロシア語を??
シモンの家ではトロフィーに異様に関心を示し…。
謎すぎる存在です。

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