2011年3月12日土曜日

そして、人生は続く

キアロスタミも今ではイラン国外でイランぽくない映画を撮るようになりました。
政情もああですから、仕方ない面もありましょう…。

「友だちのうちはどこ?」でイランの美少年にくらっときて。
でも、その前からイランのサッカー選手が好きだった。
近所の憧れのお兄さんという感じで。

1990年7月3日ナポリ
ワールドカップ準決勝イタリア対アルゼンチン戦は1-1、PK3-4で、アルゼンチンが決勝に進みました。

アッバス・キアロスタミ監督作品「そして人生を続く」は、1990年6月21日イラン北部の大地震で被災した知り合い(前の映画の出演者たち)の消息を尋ねて旅する映画監督の話で、勿論100%事実を投影したものではないのですが、非常に衝撃を受けたのは、瓦礫の中からTVを掘り出し、アンテナを取り付けて何とか観ようと試みる男性がいて、TVが点くと、さっそく周りに人だかりができて
「試合はどうなった?」
「イタリアが勝っただろ?」
「いや、アルゼンチンに決まっている!」
と観戦を始める、というところ。
こんなときにサッカー観戦するのか、この人たちは!
と、感心するというか、呆れるというか。両方ですけど。

私がこの映画を観たのは1995年の1月中旬。
そのすぐ後に映画で観たのとそっくりの映像をニュースで観ることになりました。
その前からイランのサッカー選手に憧れていました。
これを観て以降は、彼らがどんなに落ちぶれても絶対応援する!と思いました。
今の彼らを観ているのは辛いです。
あの大震災の時よりも「サッカーどころじゃなくなっている」というから。

・・・映画のストーリーはまだまだ続くのだけれど、それまでも好きだったイラン代表を、一生応援するぞと思った瞬間だった。


ほぼこの内容で「オデッサ・スタジオ」の「そして人生は続く」の項を書き替えました。

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